Saturday 30 May 2015

Dark wave discovery - Salvation AMP (サルヴェーションAMP)


一瞬、ヴィエナのMAK博物館からのイメージをおやすみして、最近Youtubeをウロウロしていて、見つけたものを貼りつけたミニ標本箱。
80年代ルーツのゴス、とか、今どきではDark Wave(ダーク・ウェーヴ)などと呼ばれているジャンル聞く人なんて、日本語圏にほとんどいないと思うけど・・・、自分内資料ってことで。

見つけたのはドイツのバンド、Salvation AMP (サルヴェーションAMP)。ルックス的にはただのおっさんロッカー系。音的にも、かなり骨太なハードロック寄りなとろがありながら・・・、正統派ダークウェーヴのマイナー・チューン、華麗に揺蕩うメランコリック・ギターに引っかかった。 ゴス+ダーク・ウェーヴの連中の難儀な・・・、エモーションたっぷりの「病の主張」がない感じが、無機質で実にヨロシイ。
(いやはや、好きな曲はいろいろあっても、ヴィデオの「稚拙な主張」が鬱陶しくて、通常エンベッドする気になれんのですよ、このジャンル。)

このヴィデオがクール過ぎて、ハマったともいう。



Salvation AMP - Hear Me / Salvation


上記のリンク先で、2枚のアルバムの全曲公開している。 そして、CD/ MP3も販売中。 CD買いに行こーっと・・・。

次回は、標本箱本筋の・・・ヴィエナの博物館に戻るですよ^^。


PS: ブログをパブリッシュしてから調べがついたこと:

1/このバンド、80年台後半から1999年まで活動していた、Home Of The Hitmanというバンドのフロントマン、Christian Ian Leding (AKA, Christ-Ian LeDing)が、2010年に新たに結成したバンド。どうりで・・・、一同、年季入りの職人芸な演奏ですわ。

2/ヴィデオに出てくる、ウィングを開く建造物は、USAのMilwaukee Art Museum(ミルウォーキー美術館)と判明。
10m級吹き抜け図書館は、一体どこなんだろう?普通コンテンポラリー建築には興味ないはずなのに、映像がクールすぎて激興味。
バンドのFaceBook過去ログからの想像だけど、このバンドが作ったヴィデオではなくて、ファンが作ってYoutubeにUploadしたもののよう。

で、CDオーダーしたらついてくるMP3版をすでに聞きながら、久しぶりにロック野郎してますよ、私(笑)。


Labels:

Wednesday 27 May 2015

MAK (Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館)、ウィーン -2-

ヴィエナ(ウィーン)のMAK (Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館)より、2回目のエントリーは、実はここの博物館、この作品で一番有名・・・という、Gustav Klimtギュスターヴ・クリムト)のモザイク壁画の制作用デザイン画を中心に。


Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stociet House in Brussels, 1910-11
前回の標本箱に詰め込んだ、MAKの中で、
ヴィエナ・ヴォルクシュタットに充てられた、2階の3室の真ん中の部屋にこの作品が鎮座している。
水彩(グワッシュ?)で描かれた制作用デザイン画(指示書)の、退色を防ぐために、
極端に暗く保たれている。


このモザイク壁画は、セセッションの同僚の建築家Josef Hoffmann(ヨーゼフ・ホフマン)が1905-1911年に設計した、ブルッセルのStociet Houseストックレー邸)のダイニング・ルームの壁面を飾るためにデザインされた。
ちなみに、このストックレー邸は2009年にユネスコ世界遺産に指定されているが、個人邸のため、現在も公開はされていないとのこと。 外観は<このページ>に。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
左右の小さいパネルも含めて、全体で9枚パネルの構成になっている。
その真中のかろうじて5枚分+少し、が、ここに写っている。
メインのテーマとして描かれているのは、生命の木。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
左側の女性像。
ジャワの影絵のようなエキゾティシズムを漂わせている。
このパネルはDie Erwartung (期待)と呼ばれている。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stociet House in Brussels, 1910-11
ゴールドとブルー/グリーンのコントラストが、美しく際立つ。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
右側の象徴化されたバラの生垣(かな?)

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
制作指示書を兼ねたデザイン画なので、素材に関する指示出しがされているのだと思う。
この>サイトによると、大理石、陶器、金彩タイル、貴石、パールなど、
高価な材料が使われていたそう。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
ドイツ語が読めないのが残念。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
「モザイク」の指定はわかる^^。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
こんな風に丸く立体的になってるパーツをこう貼り付けて・・・、
みたいなことが書いてあるんじゃないかな?
基本がデザイナー+職人の自分的には、
こういうアーティストの指示書を見ていると、
本人と対話しているような感覚になってとても興味深い。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
とか、「あ、やっぱりここの蔓はやめて、花をいれるから・・・」
のような、デザイン変更とか、
「あ、確かにその方がバランスいいですよね、了解です。」
なんて、受け答えしてしまいそうになる(笑)。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
これは、左側に一枚独立したパネルで、Die Erfüllung(成就)と呼ばれている。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
これは右側の方で独立したパネルで、Ritter(騎士)と呼ばれている。
もうほとんど幾何学模様のタペストリーのような・・・。

Gustav Klimt, Nine Drawings for the Execution of a Frieze for the Dining Room pf Stoclet House in Brussels, 1910-11
そのディティール。

Stoclet House
Image source:www.architectmagazine.com
ネットで探し当てた実際のインテリアはこんな風。
大型の7枚パネルは実際には 向かい合わせて2枚作られて、
小さいパネル2枚は、ダイニング・ルームの短い方の壁に
向かい合わせて、インストールされたもののよう。
それにしても・・・、私が生きてる間に一般公開してくれないかな・・・、ここ。
それも、写真許可で(笑)。

*************************************

Margaret Macdonald Mackintosh, The Seven Princesses, Glasgow 1906
Margaret Macdonald Mackintosh, The Seven Princesses, Glasgow 1906
そのまた隣の壁面で、大きく展示されているのが、この、
Margaret Macdonald Mackintosh(マーガレット・マグドナルド・マッキントッシュ)の、
「7人のプリンセス」。
標本箱に収まるサイズにしたら小さくてなんだかわからない・・・。
せっかく3枚の画像合成して、全体を大きく作ったから<このページ>で大判をどうぞ。
スコットランド、グラスゴーを代表する建築家、
Charles Rennie Mackintoshチャールズ・レニー・マッキントッシュ)の奥さんだけれど、
彼女自身もアーティストで、彼の作風に多大な影響を与えたという話。

Margaret Macdonald Mackintosh, The Seven Princesses, Glasgow 1906
そのディティール。
ジェッソで、レリーフ状に盛り上げられている。
実に繊細でフェミニンな作品。

Margaret Macdonald Mackintosh, The Seven Princesses, Glasgow 1906
マッキントシュのバラは・・・元は彼女の「持ちネタ」だったりして・・・。

Margaret Macdonald Mackintosh, The Seven Princesses, Glasgow 1906
彼女のサイン。

******************************************

勢いで、その他の平面作品も一気に載せてしまう。

Gustav Klimt, 1st Art Exhibition of the Association of Visual Artists of Austria, Secession, Vienna, 1898
Gustav Klimt, 1st Art Exhibition of the Association of Visual Artists of Austria,
Secession, Vienna, 1898
クリムトのデザインした、第一回セセッション展のポスター。

Kolman Moser, Secession, 5th Art Exhibition of the Association of Visual Artists of Austria, Vienna 1899
Kolman Moser, Secession, 5th Art Exhibition of the Association of Visual Artists of Austria,
Vienna 1899
これは、Koloman Moser(コロマン・モーザー)のデザインした、5回展のポスター。

Carl Otto Czenschka, Panneau Diana, Vienna, 1911
Carl Otto Czenschka, Panneau Diana, Vienna, 1911
Carl Otto Czenschkaデザインのレリーフ状のパネル。

次回もMAKの一階部より、時代のさかのぼったガラス器のイメージを。


MAK (Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館)

Stubenring 5, 1010 Vienna, Austria

ヴィジター情報は<このページ

地図:






Labels: ,

Monday 25 May 2015

MAK (Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館)、ウィーン -1-

今回からはMAK (Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館)のイメージを。
Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館、ドイツ語でMuseum für angewandte Kunst、で、それを略してMAK(マック)と呼ばれている。
Secession(セセッション=ウィーン分離派)のムーブメントに平行して、建築家の Josef Hoffmannヨーゼフ・ホフマン)とデザイナー Koloman Moserコロマン・モーザー)が、Wiener Werkstätte(ヴィエナ・ヴォルクシュタット=ウィーン工房)を設立する。 そもそも、ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ・ムーブメントを、ヴィエナに持ち込んだようなもので、アール・ヌーヴォー、アール・デコとも繋がっている、20世紀初頭の一連の新・装飾様式の一つ。
ここ、MAKは数々このムーブメントの工芸品が収蔵されているので、ヴィエナ・ヴォルクシュタット好きの配偶者氏が、「ヴィエナといえば・・・」真っ先に行きたがっていたところ。


MAK (Museum of Applied Arts), Vienna
まずは建物の外観と、

MAK (Museum of Applied Arts), Vienna
入口のファサード。
19世紀ルネッサンス・リヴァイヴァル様式の外観からもわかるように、
ヴィエナ・ヴォルクシュタットのために建てられた博物館というわけではないので、
1階部分にはロココ・バロックやオリエンタル工芸の展示室もある。
ロンドン的にいうと、ちょうど小型のV&A。
ヴィエナ・ヴォルクシュタットには2階の3室が充てられている。
今回はまず、その部屋から。

From MAK (Museum of Applied Arts) collection, Vienna
最初の部屋は、こんな感じで、
アーツ・アンド・クラフツや、アール・ヌーヴォーなど、
ヴィエナ・ヴォルクシュタットに影響を与えたムーヴメントの作品の展示から始まる。
あ、右の配偶者氏、また、じゃまですね(笑)。

Untitled
右はマッキントッシュのキャビネット。

Rene Lalique, Ornamental Comb with Wisteria Blossoms
ガラスの展示ケースには、Rene Lalique(ルネ・ラリーク)の髪飾り。

Gustav Gurschner, Lamo,,Vienna, ca.1905
Gustav Gurschner(グスタフ・ガーシュナー)のランプ。

Koloman Moser, Liqueur Glasses, Vienna, ca.1900
ムーヴメントの創設者の1人、コロマン・モーザー、デザインのグラス。
ガラスの有機的なうねり感が独特。

Adolf Loos, Corner Seating Ensamble from the Study of Mary and Gustav Turnowsky, Vienna, 1900
Adolf Loosアドルフ・ロース)のインテリア。
とてもアーツ・アンド・クラフツしている。
アドルフ・ロースってもっとモダニズムだと思っていたけれど、初期なのかな?

Josef Hoffmann, Lady's Writting Desk from the Furnishings for the Home of Hermann Wittgenstein, Vienna, 1905
隣の部屋のホフマンの女性用机など。

Josef Hoffmann, Lady's Writting Desk from the Furnishings for the Home of Hermann Wittgenstein, Vienna, 1905
ディティール。
これを見て、80年台に黒染色材に白(グレイ)目地を入れた、
家具の仕上げがちょっと流行ってたのを思い出した。

Chandelier from the Dining Room of the Josef Engelhardt House
見事なシャンデリア、

From MAK (Museum of Applied Arts) collection, Vienna
が、2種。

From MAK (Museum of Applied Arts) collection, Vienna
椅子の展示。
この辺りもとてもアーツ・アンド・クラフツ。

From MAK (Museum of Applied Arts) collection, Vienna
目を引いたガラスのボトルたち。

From MAK (Museum of Applied Arts) collection, Vienna

Carl Otto Czeschka, Necklace, Vienna 1910
ジュエリーは、画家のCarl Otto Czeschkaのデザイン。

Carl Otto Czeschka, Brooch, Vienna, 1913
同じシリーズのブローチ。

Necklace for Mada Primavesi, Vienna, 1916
Mada Primavesiのための、ネックレス。
彼女はヴィエナ・ヴォルクシュタットの後援者オットー・プリマヴェージの娘で、
クリムトが肖像画を描いている。<このページ

Necklace for Mada Primavesi, Vienna, 1916
ディティール。

Untitled
詳細は不明、の、ペンダント。
半貴石の組み合わせがアーツ・アンド・クラフツ的。

Davobert Peche, Brooch, Zurich, 1917-1919
これも詳細は不明のブローチ。

Ena Rottenberg, Bowl, Bohemia, ca.1922
Ena Rottenberg(エナ・ロッテンバーグ)というデザイナーのガラス器。
1922年のもので、ヴィエナ・ヴォルクシュタットの後期のもの。

Ena Rottenberg, Vase, Bohemia and Vienna ca. 1929
このガラス器も、同デザイナー。

Ena Rottenberg, Vase, Vienna 1931
陶器も同デザイナー。


次回はこの展示室の中の、実は見どころNo1、
クリムトのモザイク原画を中心に。



MAK (Museum of Applied Arts = 装飾美術博物館)

Stubenring 5, 1010 Vienna, Austria

ヴィジター情報は<このページ

地図:









Labels: ,

Friday 22 May 2015

Volkskundemuseum (オーストリー民俗博物館)、ウィーン -2-


Volkskundemuseum (オーストリー民俗博物館)から2回目は、その他いろいろな展示物の中から目にとまったものをランダムに。


Volkskundemuseum
左ウィング、入り口を入って最初の部屋にあった、
「山の暮らし」の紙製ポップアップ。
こうやって見ると、私的にはスイス・チロリアンとの区別がまったくついてない。

Volkskundemuseum
山の暮らし、の、奉納画、のようなもの。

Volkskundemuseum
セラミック、いろいろ。

Volkskundemuseum

Volkskundemuseum

Volkskundemuseum
柱時計の文字盤。

Volkskundemuseum
聖人さん(12使徒?)を描いた文字盤。

Volkskundemuseum
右側ウイングの展示室。
腰回りの立派なお姉さんは、何かのお店の看板娘?

Volkskundemuseum
こちらのウィングに展示されているセラミックは、
モチーフが街っぽい。

Volkskundemuseum

Volkskundemuseum
王様とか、司教とか。

Volkskundemuseum
インペリアルな図柄。

Volkskundemuseum
これはなにやら薬壺っぽい。

Volkskundemuseum
産業革命後の近代化した地方都市の様子を、
モチーフにしたジオラマは、実際に19世紀の趣味人の手になるもの。

Volkskundemuseum
趣味人といえば、天然石サンプルを組み合わせて、
こんなものを創りあげてしまう、ミニ・シュヴァルな人もいたようで・・・。

Volkskundemuseum
あんまり人のこと言えん・・・と思った。

Volkskundemuseum
これは誰?Franz Joseph I (フランツ・ヨーゼフ1世)皇帝っぽいので、
即位記念コラージュなのかな。

Volkskundemuseum
キッチュだけど、箱アートしてるんですけど・・・。
しかしクローズアップで、よく見ると1913と記されているので、
即位記念ではなくて・・・なんだろうか?

Volkskundemuseum
これも、テイストはともかく・・・ほとんど執念入っている。

Volkskundemuseum
上のフランツ・ヨーゼフ1世皇帝が亡くなって、
その甥に当たるCharles I (カール1世)が即位したのを記念したもののよう。

Volkskundemuseum
18世紀的な肖像画は誰を描いたものか、調べきれなかった。

Volkskundemuseum
19世紀の家族のポートレート写真が、
素朴なガラスペイントのフレームで飾られている。

Volkskundemuseum
19世紀の量産された宗教画プリントだと思われるけれど、
「呼んだ?遅くなってごめんねー。」的に何気な、
ジーザス先生降臨に、ここは立川かと錯覚。

Volkskundemuseum
最後に大掛かりな橇の・・・、

Volkskundemuseum
装飾彫刻のお姉さん。




Volkskundemuseum
(オーストリー民俗博物館)


Laudongasse 15-19, 1080 Wien
ヴィジター情報は<このページ

地図:





Labels: