Wednesday 30 May 2018

Cinquantenaire Museum, Brussels (サンカントネール博物館、ブラッセル) -ハート博物館 -2-

Cinquantenaire Museum (サンカントネール博物館)の中の一室、ハート博物館から2回目の続編は、まずは聖遺物のハートモチーフのものから。

The Heart Museum
聖遺物(Reliquary)というのは、私もよく「フェイク」で、
聖遺物型の作品を作っているけれど、
本物は、聖人さんの遺骨だったり、身につけていたものだったり、
を、小さな装飾的容器に収めたもの。
奇跡を起こす・・・と信仰されていて、一種の「お守り」と考えていい。

The Heart Museum
遺骨を細分化して流通させたり、詰め合わせたり・・・、
という感覚は、どことなくシュールなんだけれど、
後に「博物学」を発展させる、ヨーロッパ人ならではの感覚・・・ともいえる。

The Heart Museum
なんでまた「ひょうたん?」と思うけれど、
これ、ひょうたんではなくて、「聖心」のアウトラインのつもりらしい。

The Heart Museum
これなどは詰め合わせというか、盛り合わせというか・・・、
博物学の標本箱を連想させたりもする。

ちなみに、聖遺物を装飾するのによく使われる技法が、
細い紙テープを丸めるQuilling(クイリング)という技法。
ルネッサンス期以来、修道院で装飾技術として、
本や聖遺物を装飾するために使われてきた。
自分的にも、このクラフト技術、ちょっとマイ・ブームになりつつある。

The Heart Museum
聖家族の絵画を取り巻いて、聖遺物盛り合わせ。

The Heart Museum
信憑性定かでない、かつ、どことなく生臭い「遺骨」
なんかが収められているよりは、この写真のように、
純粋に装飾性のみのものの方が、個人的には、好ましいかな。

The Heart Museum
こういう聖遺物って、もともとは、修道院で制作されて、
お守りや巡礼記念品として販売されていたのだろうな。

The Heart Museum
クイリングのテクが、すごいですわ・・・。

The Heart Museum
これは刺繍を収めたもの。
かなり古い刺繍のよう。

The Heart Museum
これは、ワックスで作られた聖心を中心に装飾されたもの。
どことなくキッチュで素朴な装飾が可愛らしい。

The Heart Museum
キッチュでいうなら、これもたいがい目を引いたもの。
ワックス細工なんだか・・・?マジパンに見えるけど?

The Heart Museum
もう少し完成度の高い感じで、こんなものも。
これはカップルの名前が記されているので、
結婚記念の装飾額かと。

The Heart Museum
こういうタイプのハート型のクッションは、イギリスで流行したもの。
Sweethaert pin cushion(スィートハート・ピンクッション)とよばれていてる。
第一次~第二次世界大戦中に、前線に送られた男性が、
イギリスに残る妻や恋人のために作って、プレゼントしたのだとか。

The Heart Museum
戦場下なのに、なんだか優雅さというか、チャーミングさを忘れない、
英人男であるって、ちょっとたいへんなことだったんだなぁ(笑)。

The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum
そして、ハート型のボトルや容器のコレクション。

The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum
ピルケース、というか、嗅ぎたばこ入れかな?

The Heart Museum
ジュエリーのセクションには、スコティッシュのモチーフがいろいろ。

The Heart Museum
これは典型的なスコティシュで、
Luckenbooth brooch(ラッケンブース・ブローチ)と呼ばれる。
ラッケンブースというのは、エジンバラの一角の出店のことで、
ここでスコティシュモチーフのジュエリーが売られ始めたため、
こんな風に呼ばれるらしい。
結婚や婚約の記念にプレゼントされるものだったそう。

The Heart Museum
これはかなり古そう。17世紀ぐらい?(想像)

The Heart Museum
エナメルとパール。

The Heart Museum
18世紀風のタッチの、ミニチュア画を収めたもの。

The Heart Museum
象牙彫かな?ミーシャム(海泡石彫り)かな?

The Heart Museum
これも可愛いエナメル彩。


で、まだ続きますよ^^。



Cinquantenaire Museum (サンカントネール博物館)
10 Parc du Cinquantenaire, 1000, Belgium
月曜閉館

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Saturday 26 May 2018

Cinquantenaire Museum, Brussels (サンカントネール博物館、ブラッセル) -ハート博物館 -1-

今回から何回か、ブラッセルの博物館のシリーズを。
まず最初は、昨年の11月に訪れたCinquantenaire Museum (サンカントネール博物館)から、その中でも一番印象的だった「ハート博物館」のイメージから。
比較的小さな一室に収められたこのコレクションは、16世紀から20世紀初頭に至るまでの、主に宗教的モチーフとしての「ハート」を集めたもの。 実際に収集したのは、ヌーバー・ボヤジャンという心臓科医で、1958年から始まったコレクションは、彼の死後、1990年にこのサンカントネール博物館に寄贈されて、この一室に展示されている。
大半が小さなアイテムなので、小さな一室とはいうものの、全体で500点を上回る収蔵量。ちょうどちかごろ、聖遺物とかEx-voto(エクス・ヴォト=奉納飾り)のような造形にとても興味なので、この部屋だけでも見に来たかいがあったというもの。

The Heart Museum
入り口を入ると、まず、Sacred Heart(聖心)を抱く、
サントス(聖人像)が立っている。

The Heart Museum
こんなようなサントス、たいていマネキンのようにスパッツ姿なのだけれど、
これはこのまま使われるのではなくて、
この上から生地で作られた、ご衣装が被せられて、展示されるもの。
そのために、聖心は取り外し可能になっている。

The Heart Museum


The Heart Museum
聖心のテンコモリ コレクションに血圧上がる・・・。
これらは元々は、エクス・ヴォトと呼ばれる奉納品。
日本だと「願掛け」のために絵馬を奉納したり・・・とかするけれど、
カトリックの場合、願いが成就したことの「お礼」に、
こういう聖心やら、願いをかけていた部分を形どった
(たとえば、目の病気だったら目、神経痛だったら腕や脚・・・といったモチーフ)
装飾品を教会の聖人さんの像の周りに、奉納する慣習がある。

The Heart Museum
現在では、ちょっと神秘的なステキ・アンティークとなっている。

The Heart Museum
この「燃えるハート」のモチーフや、「燃える壷」のモチーフは、
信仰心を象徴するシンボリズムなのだけれど、
古代宗教のゾロアスター(拝火教)のモチーフが、
取り込まれて行ったのではないかな・・・と感じている。
そういうキリスト教に組み込まれていった古代宗教の名残・・・
みたいなものを嗅ぎ出して、自分の制作に繫げているところがある。

The Heart Museum

The Heart Museum
このキャビネットには、ラインストーン付きの聖心達。

The Heart Museum


The Heart Museum
ここにもー。

The Heart Museum


The Heart Museum
白蝶貝を使ったもの。

The Heart Museum

The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum


The Heart Museum

次回もまた、この続きを。




Cinquantenaire Museum (サンカントネール博物館)
10 Parc du Cinquantenaire, 1000, Belgium
月曜閉館

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