Tuesday, 30 June 2020

Palazzo Fortuny, Venice(パラッツォ・フォルチュニ、ヴェニス)-1-

7月6日から、一部EU圏の国やトルコからの、イギリス入(帰)国時の強制自主隔離が解除されるので、実質、この夏のフランス滞在が可能になった。
なので、速攻でユーロスターとフランス鉄道のチケットを取って、7月末から3週間、いつものノルマンディー、ペーターおじさんのところに滞在します。
今年はムリだろうと、なかば諦めていたので、とても嬉しい。
おじさん曰くに、「いっぱいすること(庭仕事のお手伝い)あるぞ。」だそうです(笑)。
トラベルWifiのレンタル価格が、年々上がるのにたまげるけれど、やむなくオーダーして、この子がちゃんとアネックスでも機能してくれれば、ル・シャトー、アネックスから更新もあり。とはいうものの、田舎でデータシグナル自体が弱くて、とりわけ近年苦戦中なので、あまり期待はできないのだった・・・。

さて標本箱は、ついに昨年の9月末~10月頭に滞在していた、ヴェニスのシリーズに突入します。
今回はまず、Palazzo Fortuny(パラッツォ・フォルチュニ)のイメージを。

ここは19世紀末~20世紀初頭にかけての、スペイン出身の舞台美術家、画家、写真家、テキスタイル/ファッション・デザイナーだったMariano Fortuny(マリアノ・フォルチュニ)の屋敷兼スタジオが、現在はミュージアムとして公開されているもの。
後で知ったのだけれど、同じ頃、昨年(2019)の7月~10月にかけて、東京の三菱一号館美術館で「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」が開催されていたのだとか。
てんこもり収蔵物のある印象のここのミュージアムは、濃厚に「密」な展示だったので、巡回展貸し出しをしていることに、全く気づかなかったぐらいだった。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
まずはその正面入口。
最寄りのVaporetto(水上バス)停は、
Sant' Angelo(サンタンジェロ)で、1番の水上バスが停まる。
そこからヴェニスらしい狭い道を抜けて、
3分ほど歩くと、この正面入口に着く。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
グランドフロアでは、企画展なのだか、
この年が開催年だったビエンナーレの一環なのか、
コンテンポラリーの平面作品が展示されていた。
こういうのは、あんまり興味ないので、
適当にはしょって、順路を先に進む。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
通路の先に中庭が。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
いかにもヴェニス、バルコニーのある、
古風な中庭、そして、たっぷりギャザーがとられた、
オーニング(日よけ布)・・・で、
とてもテンションが上がる。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
イス・テーブルが置かれて、
軽く休憩できるコーナーになっているけれど、
カフェがある・・・という規模のものではない。

メインの常設展示はこのバルコニーのある
上階から始まるのだけれど、
この中庭の階段からは上がれなくて、
もう一度建物に戻って、その中の階段を上がる。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
展示室の最初が、このがっつんとやられる濃厚さ。
壁を覆うブロケードの布帛、コスチューム、絵画、彫刻・・・、
重なり合う深い色味、質感、重厚感・・・。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
この美意識の根底にあるのは、ビザンティンで、
ヴェニス自体の美意識の根底に受け継がれていたのも、
ビザンティンなんだと、このエントランスで直感的に理解った。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
そして、ビザンティンはというと現在のイスタンブールが中心、
つまりヨーロッパ文明を築き上げていく西と、
ペルシャ、エジプト、インドから中国文明に繋がる東と、
その中間に位置していた。
その時空邂逅的な、
エキゾティックでいて、既視感のあるスタイル、
それがそのまま、
ここののヴィジョンに繋がっている。
これらのコレクションは、スペインの著名な画家だった、
父のMarià Fortunyが北アフリカ滞在時に
コレクションしたものが、受け継がれているのだそう。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
これによく似たローブを自分で作って、
部屋着にしていたことがある(笑)。
ビザンティンなんだか、トルコなんだか、インドなんだか
18世紀ヨーロッパの男性の部屋ガウンなんだか・・・、
というスタイル。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
壁には小さな絵画が展示されていて、

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
そのモチーフは、ヴェニス風景のの断片。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
縦長に切り取られた構図は、
こんな風に写真を撮りたいんだ・・・と、
いつも感じている構図そのもの。
(いやもちろん、こんな風にささっと
スケッチできるなら、もっといいんだけど。)

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2


Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2


Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
他にもスケッチ風の、少作品が色々。
これは確かお父さんの方の作品。
以下も同様。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
早描きが見て取れる、
絵画のタッチもとても自分好み。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2


Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
マリアノ・フォルチュニのデザインしたランプシェード。
現在でもフォルチュニ・ブランドで販売されている。
(いや、お値段も素晴らしいものだった・・・。)

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
隣の部屋に展示されている大型の絵画は、
マリアノ・フォルチュニのもので、
ワーグナーのオペラ・シリーズ「ニーベルングの指環」
を描いたもの。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2


Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
お父さんとはまた違った「ステージ的」な幻想感が漂う。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
そしてまた、コスチュームのコレクション。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
その後、もう一度最初に入った、
広いホールの展示室に出る。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
これは、お父さんの方の作品。
ロココ様式から展開したといわれているけれど、
19世紀のオリエンタリズムにスポット・オン。
同時代のGustave Moreau(ギュスターヴ・モロー
にも通じるものがある。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
このタッチは、(多分)マリアノの方。
以下も同様。

Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2


Fortuny Museum - Venice trip - Sept 2019- Day2
bullseye glass(ブルズアイ・ガラス)の窓の前の、
ステージのミニチュア模型。


次回も続きますよ。




Palazzo Fortuny(パラッツォ・フォルチュニ)

Map:








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Wednesday, 24 June 2020

Château de Gratot (シャトー・ドゥ・グラトー)

今回は、昨年の夏ノルマンディーに滞在中に、ペーターおじさんのお友達の、ティエリー氏に連れて行ってもらったドライブの、一番最後に訪れた Château de Gratot (シャトー・ドゥ・グラトー)のイメージを。
以前ドライヴのダイジェスト版の最後に、少し載せたことがある<このページ>。
ようやく写真のプロセスが、去年の夏まで追いついてきて(これだけ遅れてても「追いついた」・・・と言うなら・・・)、もっと写真が出来上がってきたので、標本箱にここだけで詰め込んでみることに。

このシャトーは、ドライヴの目的地、鉄道でいうならバス(低地)ノルマンディー線の終着駅の港町Granville(グランヴィル)から、約20kmほど北上したところ。海岸と平行にに北上するのだけれど、シャトー自体は5kmほど内陸に入ったところにある。
13世紀中頃から、18世紀後半まで、500年以上Argouges(アルグージ)一族の所有した、まさしく中世のお城。
19世紀以降荒廃するに任せられていたのだけれど、20世紀後半になって、ボランティアの人々が復興作業を初め、その後文化庁のバックアップもあって、現在の状態まで修復されたのだそう。


IMG_8621 copy
掘割に囲まれたシャトー。

IMG_8622 copy
お堀には、アヒルやらガチョウ。
ウチの庭の土のphの問題で、青いはずの紫陽花が
ピンクになってしまって、ちょっとショックの自分としては、
ピンクとブルーの紫陽花が並び咲くとはどういうこと・・・、
と、今見ると思うこの風景。

ともあれ・・・橋を渡って、
城門をくぐって、敷地内へ。

IMG_8635 copy
城門のある建物を、
裏の敷地内から見るとこうなっている。
この建物は16世紀末に建造されたものだそうで、
現在は下階はシャトーの歴史の展示室、
上階はアート・エキジビションや
イヴェントに使われている。

右端にほとんど見切れている塔の廃墟が、
一番古い部分で、13世紀のもの。

その先に見えるのは、シャトー直属の教会。
訪れた時は、夕方だったのですでに閉まっていた。

IMG_8646 copy
上階のドーマーウィンドウの、素朴な装飾が、
16-17世紀な感じ。

Normandy Drive, Aug 2019, Château de Gratot
13世紀由来のメインのシャトーはこちら。
上の城門のある建物の向かいに建っている、
というか・・・廃墟として残っている。
写真のほぼ中央に写っているのが、
La tour Ronde(丸塔)で、15世紀の建造。

IMG_8654 copy
その丸塔。

IMG_8633 copy
塔の内部の階段はとても狭い。
中世の「戦う城」は、
上で守る防御側が右手で剣を振るいやすいように
(中心の柱で邪魔されないように)、
時計回りと反対に降りていくはずなんだけれど、
ここの場合それが逆。
もう戦闘用の城ではなかったということなのかな。
このあたりは、ちょっと不明。

IMG_8636 copy
もう一つの塔の上から見たところ。

IMG_8627 copy
右に写っているのが、その、もう一つの塔。
同じく15世紀の建造だそう。
これは「La tour de la fée(妖精の塔)」と呼ばれている。

ここで、この塔にまつわる伝説を。
"このシャトーの城主アルグージ卿は、井戸で出会った美女に一目惚れして、求婚する。
美女は、自分が妖精であることを明かして、アルグージ卿がけして「死」という言葉を言わないということを条件に、求婚をうけいれた。
幸せに暮らしていたのだけれど、ある日、宴会の席で、奥方の身支度が遅くて散々待たされたことに腹を立てて、「奥方よ、なんでそんなに時間がかかるのかね。身支度しているうちに『死』んでしまうぞ。」と口を滑らせてしまう。
妖精の奥方は、泣き叫んでこの塔を駆け上り、窓から飛び出してかき消えてしまった。
窓枠に手の跡だけが残されていた。"というもの。

これは、フランスに伝わるMelusine(メリュジーヌ)伝説の変形と考えられている。
しかしまぁ、どこの国でも「見ちゃダメですよ」とか「言っちゃダメですよ」ということをやってしまって、奥さんに逃げられる・・・というパターンは定番のようで・・・。

IMG_8639 copy
「妖精の塔」をシャトーの内側から見たところ。
反時計回りに降りる「戦う城」の階段だし、
上にはゴシックなガーゴイルもついているし、
なんだか、こちらの塔の方が、
古い感じがするのだけれどな。

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シャトーの内側。
上階に暖炉の跡が残っている。

IMG_8631 copy
セラー(倉庫)として使われていた、
地下の部分。

IMG_8632 copy
出入り口の正面に見えているのが、
城門のある建物の隣に残る、
13世紀の塔の廃墟。

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鋳物のFireback(ファイヤーバック)パネルの、
装飾レリーフは、ここのサイトのマークにもなっているので、
アルグージ家の紋章かと。

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シャトーの裏手の、Petit pont(小橋)と呼ばれる橋。

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橋を渡って、階段を上がった先には、果樹園が広がっていた。

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上の写真の堀に面した間口から覗いたところ。

IMG_8643 copy
小橋の対岸から見たところ。
右端にあるウィングは、18世紀に改築された部分で、
現在はエキジビション室として、修復公開されている。

IMG_8651 copy
その内部。

IMG_8647 copy
階段を上がって上階へ。

IMG_8648 copy
こじんまりとした、でも、2面が窓で、
見晴らしのいい爽やかな部屋。

IMG_8649 copy
「ここだったら住みたいわー。
下をリヴィングとキッチンにして、上がベッドルームね。」と、
一同身勝手にプランを述べる(笑)。

IMG_8618 copy
このシャトーの案内板。


最後に、ここのサイトに載っていた、
19世紀のロマンティックなシャトーの廃墟、のイメージを。






Château de Gratot (シャトー・ドゥ・グラトー)

map:















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