Wednesday 24 June 2020

Château de Gratot (シャトー・ドゥ・グラトー)

今回は、昨年の夏ノルマンディーに滞在中に、ペーターおじさんのお友達の、ティエリー氏に連れて行ってもらったドライブの、一番最後に訪れた Château de Gratot (シャトー・ドゥ・グラトー)のイメージを。
以前ドライヴのダイジェスト版の最後に、少し載せたことがある<このページ>。
ようやく写真のプロセスが、去年の夏まで追いついてきて(これだけ遅れてても「追いついた」・・・と言うなら・・・)、もっと写真が出来上がってきたので、標本箱にここだけで詰め込んでみることに。

このシャトーは、ドライヴの目的地、鉄道でいうならバス(低地)ノルマンディー線の終着駅の港町Granville(グランヴィル)から、約20kmほど北上したところ。海岸と平行にに北上するのだけれど、シャトー自体は5kmほど内陸に入ったところにある。
13世紀中頃から、18世紀後半まで、500年以上Argouges(アルグージ)一族の所有した、まさしく中世のお城。
19世紀以降荒廃するに任せられていたのだけれど、20世紀後半になって、ボランティアの人々が復興作業を初め、その後文化庁のバックアップもあって、現在の状態まで修復されたのだそう。


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掘割に囲まれたシャトー。

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お堀には、アヒルやらガチョウ。
ウチの庭の土のphの問題で、青いはずの紫陽花が
ピンクになってしまって、ちょっとショックの自分としては、
ピンクとブルーの紫陽花が並び咲くとはどういうこと・・・、
と、今見ると思うこの風景。

ともあれ・・・橋を渡って、
城門をくぐって、敷地内へ。

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城門のある建物を、
裏の敷地内から見るとこうなっている。
この建物は16世紀末に建造されたものだそうで、
現在は下階はシャトーの歴史の展示室、
上階はアート・エキジビションや
イヴェントに使われている。

右端にほとんど見切れている塔の廃墟が、
一番古い部分で、13世紀のもの。

その先に見えるのは、シャトー直属の教会。
訪れた時は、夕方だったのですでに閉まっていた。

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上階のドーマーウィンドウの、素朴な装飾が、
16-17世紀な感じ。

Normandy Drive, Aug 2019, Château de Gratot
13世紀由来のメインのシャトーはこちら。
上の城門のある建物の向かいに建っている、
というか・・・廃墟として残っている。
写真のほぼ中央に写っているのが、
La tour Ronde(丸塔)で、15世紀の建造。

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その丸塔。

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塔の内部の階段はとても狭い。
中世の「戦う城」は、
上で守る防御側が右手で剣を振るいやすいように
(中心の柱で邪魔されないように)、
時計回りと反対に降りていくはずなんだけれど、
ここの場合それが逆。
もう戦闘用の城ではなかったということなのかな。
このあたりは、ちょっと不明。

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もう一つの塔の上から見たところ。

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右に写っているのが、その、もう一つの塔。
同じく15世紀の建造だそう。
これは「La tour de la fée(妖精の塔)」と呼ばれている。

ここで、この塔にまつわる伝説を。
"このシャトーの城主アルグージ卿は、井戸で出会った美女に一目惚れして、求婚する。
美女は、自分が妖精であることを明かして、アルグージ卿がけして「死」という言葉を言わないということを条件に、求婚をうけいれた。
幸せに暮らしていたのだけれど、ある日、宴会の席で、奥方の身支度が遅くて散々待たされたことに腹を立てて、「奥方よ、なんでそんなに時間がかかるのかね。身支度しているうちに『死』んでしまうぞ。」と口を滑らせてしまう。
妖精の奥方は、泣き叫んでこの塔を駆け上り、窓から飛び出してかき消えてしまった。
窓枠に手の跡だけが残されていた。"というもの。

これは、フランスに伝わるMelusine(メリュジーヌ)伝説の変形と考えられている。
しかしまぁ、どこの国でも「見ちゃダメですよ」とか「言っちゃダメですよ」ということをやってしまって、奥さんに逃げられる・・・というパターンは定番のようで・・・。

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「妖精の塔」をシャトーの内側から見たところ。
反時計回りに降りる「戦う城」の階段だし、
上にはゴシックなガーゴイルもついているし、
なんだか、こちらの塔の方が、
古い感じがするのだけれどな。

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シャトーの内側。
上階に暖炉の跡が残っている。

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セラー(倉庫)として使われていた、
地下の部分。

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出入り口の正面に見えているのが、
城門のある建物の隣に残る、
13世紀の塔の廃墟。

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鋳物のFireback(ファイヤーバック)パネルの、
装飾レリーフは、ここのサイトのマークにもなっているので、
アルグージ家の紋章かと。

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シャトーの裏手の、Petit pont(小橋)と呼ばれる橋。

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橋を渡って、階段を上がった先には、果樹園が広がっていた。

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上の写真の堀に面した間口から覗いたところ。

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小橋の対岸から見たところ。
右端にあるウィングは、18世紀に改築された部分で、
現在はエキジビション室として、修復公開されている。

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その内部。

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階段を上がって上階へ。

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こじんまりとした、でも、2面が窓で、
見晴らしのいい爽やかな部屋。

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「ここだったら住みたいわー。
下をリヴィングとキッチンにして、上がベッドルームね。」と、
一同身勝手にプランを述べる(笑)。

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このシャトーの案内板。


最後に、ここのサイトに載っていた、
19世紀のロマンティックなシャトーの廃墟、のイメージを。






Château de Gratot (シャトー・ドゥ・グラトー)

map:















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