Hever Castle(ヒーヴァー・カースル)-2-
昨年の9月に訪れた、ケント州のお城、Hever Castle(ヒーヴァー・カースル)のイメージを、引き続き。(現在は、コロナ騒動のロックダウンで閉館中。6月1日からガーデンのみが再オープン。)

エントランス・ホールと呼ばれる部屋。
16世紀に付け加えられたもの。

16世紀の窓枠。

その隣にあたる部屋で、The Book of Hours Room
(時祷書の部屋)と呼ばれている。
ここには・・・、

アン・ブーリンの所持品だった時祷書が展示されている。
このような美しい手写本は、
イギリスでは13世紀以来富裕層に普及していたのだけれど、
この伝統が断ち切られたのは、
ヘンリー8世のイングランド国教会分離によるもの。

おなじくこの部屋に展示されている、
16世紀の彫像と、

ステンドグラス。
ウィリアム・モリスのステンドグラスは、
こういうのをリヴァイヴァルさせているんだなー。

左はアン・ブーリンの父、トマス・ブーリンのブーリン家と、
母方のハワード家の紋章を合体させたもので、
右はブーリン家とヘンリー8世の紋章を合体させたもの。

この部屋が、アン・ブーリンの部屋。
1501年に生まれて、少女時代を
この部屋で過ごしただろう・・・と考えられている。
マネキンはヘンリー8世とアン・ブーリン。

その部屋のベッドのレリーフ装飾。
これはとても16世紀な感じ。

この女性は、アン・ブーリンの姉の、
メアリーなのだそう。

その横の部屋のキャビネットには、
17世紀の刺繍が展示されている。

エリザベス1世の少女時代の肖像画。

その次の部屋は、「Waldegrave(ウォルダグレイヴ)の部屋」と呼ばれている。
16世紀中頃から、ここを所有したウォルダグレイヴ家は、
隠れカトリックで(その頃はすでに、ヘンリー8世の開設した
イギリス国教会が国教となっていた。)
当主のエドワード卿のベッドルームには・・・、

パネルで隠された、秘密のチャペルが付け加えられた。


秘密のチャペルなのに、なんとも華麗な・・・。

この部屋の暖炉の部分。

印象的なジーザス先生のポートレートは、
16世紀後半のもの。

その次の部屋は、また少し時代は戻って、
「ヘンリー8世の寝室」と呼ばれる部屋。
アン・ブーリンを訪れて、ヘンリー8世は
この城を訪問していたと信じられているが、
この部屋がこの城の中で一番大きな部屋なので、
この部屋が王の寝室として提供されたのではないか、
と考えられて、20世紀初頭のアスター家の修復時に、
その設定で16世紀様式に修復された。
ベッドは1640年に遡るもの。

そのヘッドパネルのクローズアップ。

窓の古めかしい様式。


その次の部屋は、The Long Gallery(ロング・ギャラリー)
イギリスの屋敷や城によく見受けられる、
一族のポートレートやお宝を飾っておく、
ギャラリー的なホール。
部屋自体は16世紀に建造されたもので、
装飾的な天井は、16世紀様式に
20世紀初頭に修復されたもの。
ロンドンで制作されて、この屋敷に
鉄道で運ばれたのだけれど、
この輸送のためだけに、鉄道線が城の敷地内まで
延長されたのだそう。

ここでは薔薇戦争からテューダー朝に至る、
イギリス王家の肖像画が展示されている。

その右端には、唯一現存する、夭逝したヘンリー8世の兄、
アーサー王子の生存中に描かれた肖像画。
オークション情報上に出てこない、
裏の可能性を探って、隠された名画(sleeper)
を掘り起こす歴史的絵画界の探偵、
画商Philip Mould(フィリップ・モウルド)氏が、
1990年代に再発見したもの。
この話は昔読んでいて、とても面白かった。
そこに主役で登場する絵画に、
ここで対面するとは思わなかった。感激ー。
ここのコレクションは、
ナショナル・ポートレート・ギャラリーについで、
イギリスのトップクラスなのだそう。

この一角はThe Astor Suite(アスター・スーツ)と呼ばれていて、
20世紀初頭にここを改修しし、その後
80年にわたって所有してきたアスター家に関する
資料・記念品が展示されている。

お堀のある外側に面した、美しい窓辺。

当時の客間の一つ。

城の内部見学の最後の部屋は、
The Gatehouse(ゲートハウス)と呼ばれる部屋で、
城門の上に位置していて、
中世の武器・甲冑のコレクションが展示されている。

その部屋から出口に向かう階段。
戦う中世の城らしく、
反時計回りに下るようになっている。
(下に向かって、防御する側の右手が、
階段中央の柱に邪魔されないので、
剣を大きく振るいやすい。)

最後にもう一度、城の全容を。
次回は、ここの庭園のイメージを。
Hever Castle(ヒーヴァー・カースル)
開館情報は英文で<このページに>
(2020年6月4日現在は、
コロナ拡散防止のロックダウンで、
庭園のみオープン。)
Map:
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