Thursday 30 April 2020

Renovation under the lockdown -Flat- (ロックダウン中の改装 - フラット編 -)

1ヶ月以上雨らしい雨もふらない晴天が続いたかと思ったら、今度は今日から雨がち曇天が続きそうなロンドン。今日も今日とて、ロックダウン続行中。

前回に引き続いて、今回はフラット(アパート)の部屋の改装のレポート。ちょっと話が長いです。

ウチはイギリス的にいうと1ベッドルーム・フラット(日本式で・・・1LDKだったかな、2DKになるのかな・・・忘れてしまった)。
floor plan
こんなのです。
近所のフラットが、不動産市場に出たときのものを転用しているけれど、ウチもこれとほぼ同じ間取り。
一応Reception Room(応接間)、Bedroom(寝室)と書かれているけれど、これはどちらにでも使える。ウチの場合、Bedroomと書かれている方が表通りに面しているので、庭に面して静かな方の(フクロウが鳴くぐらい静か)Reception Roomと書かれている方を寝室にしていた。
うちの応接間の方は、応接間/リヴィングルーム/私のアトリエすべてを兼ねていて、寝室の方はキングサイズベッドを配偶者氏と共有、それ以外のスペースは配偶者氏の部屋・・・という感じになっていた。
このコロナウィルス騒ぎの前に、配偶者氏が普通にカゼをひいていて、しかしクシャミと咳がうるさいので、そしてうつされるのはもっと嫌だし、私はアトリエの方のディヴァン(マットをおいただけの簡単なベッド兼ソファ)に避難していた。どちらかがカゼやインフルエンザをひくといつもこのようにしている。
今回それが結構長引いて(2週間ぐらい)、そうしたら、それがとても過ごしやすかったようで、氏の方から「寝室別々にしない?」の提案があった。
年寄のくせに宵っ張りの氏は、完全夜型人間、私の方は朝7時にジムのクラスのブッキングが開始されるので、その頃までには起きていて、ブッキングして朝ごはんを食べてジムに行くというのが日課の朝方人間で、ライフスタイルが一致しなくなってきていた。なので、私もこれには大賛成。
去年は庭を散々手入れしたし、今年は2月から計画して庭のシェッド(物置小屋)を建て直し中だったし、まぁ、ご予算的にも今年の後半か来年に・・・という話で、まずは断捨離を始めていた。そこにいきなり、コロナウィルス騒ぎがロンドンにも飛び火。
私の方が、自主隔離基準の症状こそ出ていないのだけれど、気管支のあたりに「なにかある」感じがしていたので(それでも全然元気で、かかっていたのかどうかはいまだに謎。「なにかある」感を引きずっていた期間的にみると、コロナの確率高し。)、万一に備えて再び家庭内別居。
そうすると、簡易マットレスを敷いたディヴァンに寝ていては、腰や背中が痛くなってきた。
そこで「もう、フラット・レイアウト替えを、本格的に決行‼」を宣言したのが、 3月の中頃だった。
結果的に、この判断はベストタイミング。ロックダウン直前に、廃品の処分、新しい家具・寝具・改装材料を手配して、ギリギリ駆け込みで、すべてが段取りよく進行した。
現在だと、大型ベッド+マットの廃品処理にも来てもらえないし、DIYのWickesはデリバリー停止で、ピップアップ部門だけオープンしている店舗から引き上げるシステムだし(車がないとムリ)、私の買ったベッドマットも売り切れだし・・・とまぁ、散々な事になってしまっている。
なにごとも、そのことが進行するべくして進行するタイミングってある・・・で、それをキャッチすると、流れに乗るんだなぁと、感心している。
前置きはこれぐらいで・・・、

01
これは5年前に、アトリエを改装した時のAfter写真。
(その時の話は<このページ>に。)
それが今となってはBefore写真。

02
さあさあ、まずは断捨離開始。
(この後、たいがい見苦しいヴィジュアルが続きますが・・・
ご容赦・・・笑)

プランとしては、この2本の本棚に満杯だった本の量を、半分に減らせて、大きい方の棚を配偶者氏の寝室に、小さい方の棚を私の寝室に、どちらも入口近くの間仕切りとして使用する計画。
本に関しては、一昔前までは大事な資料、情報量がクリエイションのレベルを持ち上げる・・・とまで思っていたけれど、肩から力の抜けきった今、いやいや、必要な(ビジュアル)情報は、インスタ繰ってたら降ってくるわけで、情報の断捨離というのも重要なこと。今でもお金を出して買いたい本だけを残す・・・というフィルターで半分強まで減らしこんだ。

IMG_20200428_161220-01
一応簡単にプランは立てたけれど、
ディティールは成りゆき次第。

03
まず最優先は、腰痛の原因のマットレス。
メモリーフォームのCasperに改善。

このCasper、現在はダブルサイズを除いて、全部売り切れ‼
Stay Homeでみんな、居住空間改善に意識が向いているだろうし、そもそも自主隔離で、ウチみたいに寝室を別々にする(あるいは、せざるを得なくなった)カップルも多いのではないかと。
Casper、Simba、Emmaなどなど、UKでも圧縮されて箱に入ってお届け、の、メモリーフォーム・マットレスは色々出ていて、事前のリサーチをしているうちに、何が一番向いているのかよくわからなくなってきた。
私的にはソフトでやや沈むぐらいが好きなんだけれど、それだとやはりマットレス自体の寿命が短い(どんどん腰のあたりが、へたって戻らなくなる)、結局腰にはよろしくない。
メモリーフォームとスプリングを合体させた「ハイブリッド」は、メモリーフォームだけのものより、硬い目の使い心地・・・などということが分かってきた。
そこで、「う~ん、Casperが中でもソフトで、10年保証だそうだから・・・これかな~?」と思い始めた途端に、20%ディスカウントセールが始まった。いやもう、即決定で、配偶者氏の分も一緒にオーダーをかけたら、2日後には届いていたという電光石火ぶり。

04
新しいマットレスをオーダーするのと同時に、
同じぐらい重要な、というか、
こっちが先かもしれない・・・という、
使っていたキングサイズベット+マットレスの処分。

これも、ロックダウン3日前に、いつも使っている廃品回収業者のお兄さんが、スケジュールを入れ込んでくれて、持っていってくれた。普通は兄弟2人のチームで来るのだけれど、弟の方が病気でダウン・・・って、コロナ違うんかいっ‼(笑)。
それでも、一人できてくれて、配偶者氏と私も手伝って、めちゃくちゃ扱いにくくて重いマットレスを階下まで下ろした。
ベッドフレームは、まだまだ使えるものなので、家具を扱って引き取りに来てくれるチャリティーショップ2件をリサーチで見つけて、心づもりしていた。ところが、前日にOnlineで確認してみたら、ロックダウンを見越して、2件とも新規の申し込みは受け付けないようになっていた。
これは、選択の余地なく・・・、ベッドフレームも廃品回収に回すしかない。
そこで、急遽マットレスだけじゃなくて、フレームも処分したいと、お兄さんに伝えると、解体を手伝ってくれて、全部引き取ってくれた。多分、フレームの方は金属材転売ができるからだろうけれど無料で、この厄介な巨大マットレスは £20で引き取ってもらえた。神に見えたわ・・・(笑)。

05
配偶者氏の新しいベッドフレーム。
廃品回収の日程が決まってから即、アマゾンでオーダーしておいたのが、それも、旧ベッドを回収してもらった日の午後に到着。即組み立てて、届いていたマットレスも箱から出して、その日の夕方には、セッティング完了‼
デュヴェ(羽フトン)やシーツは、配偶者氏の分は、以前使っていたキングサイズを、シングルに、私が縫い直す予定だけれど、これはまた、もう少し落ち着いてから。しばらくはキングサイズのを折りたたんで使ってもらう。

その次の大仕事が、本棚の移動。ここで、役立ったのが、家具スライダーというガジェット。

slider2
こんなものに角を載せて、滑らせて動かす。
いや、これなかったらムリでした(笑)。
eBayで入手。

06
一方、私の寝室の進展。
私の方は、ベッドフレーム自体は以前のディヴァンそのまま。マットレスの方が多少大きくて、周囲10cm強ずつ飛び出すけれど、まぁ、機能的には問題なしなのでこのまま行く。
ちょっと手間なのは、レイアウト的に、隣の家との共有壁をベッドの頭にしていること。ウチはヴィクトリア期に建っている築100年以上ものの建物なので、共有壁の防音処置が、現在のものに比べると劣っている。
つまり、枕元で隣のテレビの音などを聞きたくはない・・・ということ。(いや、いまはとても静かな人たちが住んでいるけれど。)
Netで調べてみたら、一番お手軽で効果的なのは、壁に毛布を張るという方法だそう。
そこで、使わなくなったキングサイズ毛布を折りたたんで、壁のサイズに合わせて、釘で留め付け、その上をまた、使わないので取り外したままになっていたキッチンのドアや、棚板と同時にオーダーしておいた木材板などを繋いで、抑え込んだ。
その上から3Dテクスチャーの付いた粘着パネル(これも多少の防音効果あり。中国製が安くでeBayで出回っている)を張り込んで、そのままだと安っぽいので、テクスチャーペイントを入れた。
実際のところ、これはかなり効果的だったかもしれない。時々隣の話し声が聞こえて来ることがあったけれど、現在はこの壁からではなくて、暖炉の反対側の窓側の壁を通して、かすかに聞こえて来る程度で、この壁自体はとても静かになった。
オブジェの収納を、なんとかするべく、長い棚板も取り付けた。それをメインでサポートするために、IkeaのCD用の幅の狭いシェルフを入れた。それぞれ、ポイント・ポイントでL型金具で一応留めてはいる。
UKは地震のない国なので・・・、こんな程度のいい加減なことでも大丈夫なところが嬉しい。

07
その、Bihind the Sean(舞台裏)の、
コラージュとよんでいいような継ぎ接ぎ。

08
オブジェ達が収まると、
だいぶ出来上がってきた感あり。

09
自分のインテリア感では、
カーテンが必須アイテム。
これは、その昔クラフトフェアに出していた頃、
ディスプレイに使っていたガーゼみたいな生成りの布で、
手縫いして作った。
ミシンを出すスペースが無かったのだった・・・。

10
カーテンを吊る金具をeBayで探して、
オーダーかけていたにも関わらず、
もうこの頃にはランダムにデリバリーが
激しく遅れるケースが勃発(ちゃんと届くものもある)。
「ないなら作る」精神を発揮して、
硬い目のワイヤーを曲げて、
留め金具を作ってみたりもする。

11
これはeBayで買って、
即届いたカヴァーリングとクッション。
このアイテム>を買ったのだけれど、
届いてみたら自分のテイストに合いすぎて、
配偶者氏も欲しがるしで、後2回追加オーダーした。
インド製のコットンの粗目の生地に、
落ち着いた色目のブロックプリントが施されている。

12
最初の写真に出てきた、80年代のパピエマシェ作品、
通称「翼のおじさん」は、
もう少しこじんまりと態度を改めてもらうことにした。
改造してアレンジ替えして、
入り口を入ってすぐ目の前の、
本棚の裏側に収まってもらった。
羽や布が汚れてきても洗えなかったので、
改良して羽はつけないことに、
布地は取り外して洗えるようにしておいた。

13
その入口ドアの上も収納になった。
これまた手縫いのカーテンの奥には、
Etsyオーダー配送のための、
ラッピング用品が収まっている。
ベッド横のカーテンにも使った金のレースは、
アンティークで・・・いつどこで入手したものか、
全く記憶から抜け落ちているけれど、
いい質感で使いやすい。

14
もう一度話は配偶者氏の寝室に戻って、
オーダーしていたラグ(写真左キリム風の大型のもの)が、
ドイツから予定通り5日で届いた。

ベッドなどの下でピッタリ抑えられていて動きのない部分に、ウールのラグだと必ずといっていいほど、カーペット・モス(ウールを食べる蛾)が出て、ボロボロにされる(散々経験済み)。
なので、ウールは逆に避けて、化繊のラグを選んだ。それでも、カラーがアンティーク・キリムの渋い色味に近いもので、アンティークラグのすり減った質感・・・に見えるように、クリーム色の部分を組み込んだデザインになっている。
う~ん、なかなか凝っている。昔(引っ越してきた20年前の話)は、こんな製品はなかったぞ・・・。
Wayfairというオンライン・インテリア・マーケットプレイスの、World Menagerieというセラーより購入。
右はその後、フラットに点在しているラグを、あっちこっち移動させて、パズルのように収まりがいいサイズ、コーディネートをためしてみた結果、ここに落ち着いた、昔から持っているアンティークラグ。
これは我が家で2番目にポッシュな(お高い)ラグなんだけれど、テーブルの脚の下になっていたところが、案の定蛾にやられている。右の写真の様に、家具の下敷きにならないようにしておいたら、不思議なんだけれど、蛾は全く出ないのだった。
配偶者氏のベッドカヴァーは、私と同じeBayのセラーから入手したもの。

15
新しい自分の部屋で、ゴキゲンな配偶者氏。
右の壁には、洗濯物を干してるんではなくて・・・、
自分の好きなファブリックを、
ディスプレイしているんだそうです(笑)。

17
私も、仕事机の下のラグが、
ボロボロになってきていたので、
新しいものに変えた。
同じく、Way FairのWorld Menagerieより。
これもクリーム系だけれど、
アンティーク・キリムと相性のいい色合い。
そして何より、裏の織地の感じが、
明らかに丈夫なので、仕事場には最適。

22
その上の仕事机の前のカーテンも付け替えた。
上記のeBayで買ったカヴァーリングが、
窓のサイズにほぼぴったりなのを発見。
端のフリンジの付いたボーダーになった部分を、
片方切り取って、上部に縫い付けた。
この小さい窓なら、Beforeのように
両開きにするより、Afterの片開きの方が、
カーテンにボリュームが出ていい感じになった。

23
部屋は片付いたんだけれど、
やっぱりこれぐらいなら、ミシンは出さずに手縫い。
その前に、キングサイズから、シングルサイズに、
配偶者氏のデュヴェやらカヴァーやら、
散々サイズ直ししたのだけれど、
その時はさすがに、ミシンを半日かけまくった。

21
その仕事机の左右も、だいぶ整理して・・・、
でもまぁ、「制作の現場」はこんなもんです(笑)。

19
もっと「制作の現場」感漂う物入れ。
どうしようもなく使い勝手が悪かったのだけれど、
断捨離と、クリア・プラ引き出しに
収納を統一することで、使い勝手が断然向上。
どうしてもっと早くこうしなかったのか・・・と思う。


26
さて、完成した私のベッドルーム。
Little Hermitage(小さな隠者部屋)と呼んでいる。
こういうコテコテ・スタイルは、
地震+ゴキブリと共存の大阪では叶わなかった。
関西大震災の後に、ロンドン移住を決意したのは、
ひとえに理想の住環境を求めて・・・、
だったのかもしれない。

27
入り口からは本棚がちょうど目隠しになって、
コージーなライブラリー・スポット。
デジタルだけではなくて、せっかく溜め込んでいる
ビジュアル資料本にも、また目を通したいもの。

28
PC机の方はさほど変わりないけれど、
ここも断捨離で、溜め込んでいた不用品を、
すっきり片付けた。
ドアに貼り付けているのは、ヴェネツィアの旗。
ヴェネツィア・ラヴは衰えることなし。
好きな所に行き来できる状況が、
早く戻って欲しいものだと思う。

ともあれ、これでロックダウンがどんなに長引いても、
この部屋と庭で、快適に過ごしていられる。
なかなか、絶妙のタイミングで、
変化は訪れるものなんだなーと、
感慨深いものがあるのですよ。

さて、また次回は、昨年のニースに話は戻りますよ。










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by KotomiCreations


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