Friday 30 November 2018

Gallerie dell'Accademia, Venice (アカデミア美術館、ヴェニス)-2-

標本箱は、ヴェニスにもどって、Gallerie dell'Accademia (アカデミア美術館)のイメージの続編を。
前回は一体いつの話?といわれそうなので・・・、前編は<このページ>ですよ。

Gallerie dell'Accademia, Venice
ルームNo.3。

L'Angelo annunciante e l'Annunciata, Giovanni Bellini, 1434(39)-1516
この部屋のメインの展示物は、15世紀Giovanni Belliniジョヴァンニ・ベッリーニ)の受胎告知。
このテーマは、歴史的インテリア好きには、
マリア母さまの部屋を覗き見できる格好の題材。

I santi Ludovico da Tolosa, Bartolomeo, Sebastiano e Sinibaldo, Sebastiano Luciani, Detto Sebastiano del Piombo, 1485-1547
個人的には、このSebastiano del Piomboセバスティアーノ・デル・ピオンボ)の、
トリプテイック(厳密にいうと4連パネルかな?)の聖人さん達、なかでも、

Gallerie dell'Accademia, Venice
San Ludovico da Tolosa(トゥルーズの聖ルイ)が目にとまる。
なんだか現代的で、こんな感じの男の子、
ウチの近所でも、いるいる・・・というような、リアルさ(笑)。

Gallerie dell'Accademia, Venice
そして、装飾好きは、天井のディティールに目を凝らす。

Gallerie dell'Accademia, Venice
部屋を移動して、多分ここがこのアカデミア美術館の中でも、
一番の見どころといわれているのじゃないかな、と思う、ルームNo.23。

La Tempesta, Giorgione, 1476(77)-1510
現存する確定された作品が6点しかない、
幻の画家Giorgioneジョルジオーネ)の、La tempesta (テンペスタ)。
風景の静けさに魅了される。

Madonna Contarini, Giovanni Bellini, 1434(39)-1516
部屋の中にまた、パネルで区割りされた一角があって、
その中はGiovanni Bellini(ジョヴァンニ・ベッリーニ)づくし。
これは、Madonna col Bambino in piedi benedicente
(立って祝福を与える聖母子)。
ちょうど今、ロンドンのナショナル・ギャラリーで、
Mantegna and Bellini (マンテーニャとベッリーニ)展が開催されていて、
私も先週見に行ってきたところ。
この絵画を始めとして、ヴェニスで見た作品もいくつかに、
またロンドンで再会したのだった。

Allegorie Giovanni Bellini, 1434(39)-1516, Andrea Previtali, 1470(80)-1528
ベッリーニの中でも、ちょっと毛色の変わったシリーズ、
「Allegorie(アレゴリー=寓意画)」
意味合いを読み取ることは難しいけれど、
なにか現実離れした、シュールな感覚が心地よい。
このシリーズは弟子のAndrea Previtali(アンドレア・プリヴィアティ)との
合作とされている。

Allegorie Giovanni Bellini, 1434(39)-1516, Andrea Previtali, 1470(80)-1528
同じく「アレゴリー」のシリーズより。
上のがヴィーナスだとしたら、
これはバッカスとマルス・・・かな?

Allegorie Giovanni Bellini, 1434(39)-1516, Andrea Previtali, 1470(80)-1528
意味不明で、とってもシュールな「アレゴリー」。

Allegorie Giovanni Bellini, 1434(39)-1516, Andrea Previtali, 1470(80)-1528


Allegorie Giovanni Bellini, 1434(39)-1516, Andrea Previtali, 1470(80)-1528
意味不明だけれど、どことなく、ルネッサンスの
グロテスク装飾文様を思わせるものがある。

Visions of Hereafter. Ascent into Heaven, Jheronimus Bosch
Jheronimus Bosch(ヒエロニムス・ボス)の、
「Visioni dell'aldilà(Visions of the Hereafter=死後のヴィジョン)」の一部。
全体像は<このページ>に。
ダンテの「神曲」っぽい(笑)。

Processione in Piazza San Marco, Gentile Bellini, 1429-1507
ジョヴァンニ・ベッリーニの弟、Gentile Bellini(ジェンティーレ・ベッリーニ)15世紀末の、
Processione in Piazza San Marco(サン・マルコ広場での聖十字架の行列)。
今も殆ど風景に変わりがないことに驚く。

Miracolo della reliquia della Croce al ponte di San Lorenzo, Gentile Bellini, 1429-1507
これもジェンティーレ・ベッリーニの、
Miracolo della reliquia della Croce al ponte di San Lorenzo
(サン・ロレンツォ橋での、聖十字架の奇跡)。
カナルに落ちた、True Cross(真の十字架)聖遺物が、
Andrea Vendramin (アンドレア・ヴェンドラミン←同名のヴェネチア総督の祖父)
の手で救われた・・・という、伝説を描いている。

Miracolosa guarigione della figlia di Bevegnudo de San Polo, Giovanni Mansueti, 1485-1526(27)
どうしてこういう、パースペクティヴのある、
ゴチャゴチャした絵に惹かれるんだろうか(笑)。
Giovanni di Niccolò Mansueti(ジョヴァンニ・ディ・ニコロ・マンスエティ)の、
Miracolosa guarigione della figlia di Benvegnudo da San Polo
=聖ポロによるベンヴェヌドの娘の奇跡の回復)。

Gallerie dell'Accademia, Venice
どこか途中の部屋で見かけた、ガニュメディスの彫像。

Gallerie dell'Accademia, Venice
そして、廊下にも、バンバン有名どころの大作が展示されている。

Theft of the body of St. Mark(1562-66), Jacopo Tintoretto,
この一角はTintoretto(ティントレット)。
16世紀のLa messa in salvo del corpo di San Marco (noto come Il
trafugamento del corpo di San Marco),
聖マルコの遺体の救出(聖マルコの遺体の盗出、として知られている)。

Gallerie dell'Accademia, Venice
未完(?)の背景の描写が、妙に現代的。

Madonna col Bambino e i santi Sebastiano, Marco, Teodoro venerata da tre comerlenghi e di loro segretari, Jacopo Robusti detto Jacopo Tintoretto, 1519-1594
同じくティントレットの、
Madonna col Bambino e i santi Sebastiano, Marco,
Teodoro venerata da tre comerlenghi e di loro segretari
(3人の侍従と秘書に礼拝される、
聖母子と、聖セバスチャン、マルコ、テオドロ)
鮮やかで動きと量感のある描写が、
バロック絵画の先駆を感じさせる。

La Creazione degli animali, Jacopo Tintoretto, 1519-1594
同じくティントレットで、La Creazione degli animali(=動物の創造)。
創造主、父さんが様々な動物を、忙しそうに製作中。
博物誌的な絵画。

Gallerie dell'Accademia, Venice
この後、階段を降りて、一度中庭に出て、
ショップと出口に向かってしまった。
「あれ?カナレットとかあるんじゃなかったっけ?」
と思い直して、ショップで尋ねてみたら、
見逃していた、グランド・フロアの一角あり。
あまり、順路表記が明確でないので、迷い気味。

Gallerie dell'Accademia, Venice
それはこの一連の部屋で、
17-18世紀の絵画を中心に展示されている。

Perspective with portico (1765), Canaletto e Bottega,
Canaletto(カナレット)の、Perspective with portico (1765)
(ポーティコのある透視画)。
お気に入りの一枚。あ、やっぱりパースペクティヴか・・・。

Courtyard of a palace with staircase, Michele Marieschi, 1710-1743
カナレットでなくて、Michele Marieschiの、Courtyard of a palace with staircase
(階段のあるパレスの中庭)。
って、これもパースペクティヴ、ちょっとピラネージっぽくもある。

Gallerie dell'Accademia, Venice
数多くはないけれど、彫刻の展示もあって、

Gallerie dell'Accademia, Venice
充実の美術館でしたよ。





Gallerie dell'Accademia (アカデミア美術館)
独特の開館時間:火~日 8:15am ~ 18:15pm、月 8:15am ~ 13:00pm
(閉館45分前にチケット販売終了)

地図:









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Monday 26 November 2018

Peter Gabriëlse - New Box art at Antica Namur (アンティカ・ナミュール展に出展の、ペーター・ガブリエルザ 新作 箱アート)

やっと、ペーターおじさんの今回の、新作箱アート写真のポスト・プロセスを済ませて、アップロード。
ウェブサイトのBox Archive(箱作品アーカイヴ)のページを更新して、紙の方がNet上よりわかりやすい世代のおじさん用に作っている、写真付きリスト表も更新して、プリントアウト郵送完了。 ここまでが、Net秘書No2の私の役割。
ちなみに、滞在するAirbnbをとったり、メインウェブサイトを更新したり・・・は、また別のオランダのおじさんの友人、通称Net秘書No1女史の役割。 Net秘書2人を駆使するおじさんは、果報者といえる(笑)。
そこでさっそく、標本箱にも新作の写真を詰め込んでみます。

B163-62x46x20cm
B163 62x46x20cm € 3,250
いやちょっと集中力が足りなくて、
フォーカスが入りきってない写真なので、またいつか撮り直さなきゃ・・・。
今回一番お気に入りのタブルナクル箱なのに。
18世紀のクリーム色の手紙をデコパージュで、
外側に貼り込んでいるのは、おじさんの作品では珍しい。

B163-62x46x20cm
中は小さな音楽室。

B163-62x46x20cm
正面には何の経緯で記述されていたのかは知らないけれど、
「ナポレオン」の表記。

B163-62x46x20cm
タブルナクルの扉も閉まる。
この褪せたようなベンガラ色と、
クリームとブルー・グリーンのコンビネーションがきれいー。
この真ん中の別れたアーチ状の装飾は、
典型的な18世紀のものなのだそう。
「真ん中に彫像とか、アーン(壺型装飾)とか置きたくなる」って言ったら、
「19世紀の人間とか、アメリカ人がやりそうなことやな」と、鼻で笑われる。

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B164-74x37x13cm
B164-74x37x13cm € 3,250
錆びたメタルの壁面と、
モノトーンのインテリアの対比が美しい作品。

B164-74x37x13
コンソール・テーブルの上の大理石風の壺達、
なにか見覚えがあると思ったら、
いつか夏の滞在の時の手土産プレゼント詰め合わせで、
私が(ポリマークレイで)作って詰め込んでおいたもの。
見ごとに、殿堂入りしましたな(笑)。

B164-74x37x13cm
錆びたブリキの板なのかな?

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B165-74x37x13cm
B165 74x37x13cm € 3,500
この作品もよく似たグレートーン。

B165-74x37x13cm
こちらはインタグリオ・メダリオンが色々。

B165-74x37x13cm
壺たちはよく見ると陶器製で、こ・・・細かい。敗北感(笑)。

B165-74x37x13cm
このスクロールもとてもエレガント。

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B166-65x50x12cm
B166 65x50x12cm € 3,250
色褪せたラベルの束と、暖炉のあるインテリア。

B166-65x50x12cm
チャーミングな小さなシャンデリアが、
ちょうど緑青の吹いた銅のようなテクスチャーにペイントされている。

B166-65x50x12cm
身長6.5cmの小人さんになって、ここの子になりたい・・・。
(そう、おじさんのインテリアは、1/24なのでした。)


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B167-58x42x14cm
B167 58x42x14cm € 3,250
奥の壁には、18世紀の紙の断片が残る板を。
その中のミントグリーンをピックアップして、床や内フレームを彩色している。
いつも不思議に思うのは、よく上手く色が合わせられるなーということ。
おじさんの色彩感覚ぶれないわー。

B167-58x42x14cm
そして壺たちもグリーン系。

B167-58x42x14cm


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B168-77x62x13cm
B168 77x62x13cm € 3,500
以前にいくつか作ったものを見たことがあったけれど、
ベッドの入った寝室箱は本当に久しぶり。
その上にかざされた太陽みたいだけど、
丸鋸の歯のようでもあるギザギザ・ディスク。
おじさんいまだに尖ってるわ(笑)。

B168-77x62x13cm
壁には小さな小さなジーザスと、色褪せた写真フレーム。

B168-77x62x13cm
おじさんは箱のインテリアに、布帛はけして使わない。
1/24にスケールに見合う厚みの生地はありえないので、
何を使ってもゴワッとなって、そこだけリアルでなく、
だから幼稚にみえる・・・のだそう。 確かに。
で、おじさんがベッドなどに使うのは、
のりで固めたティシュー・ペーパー。

B168-77x62x13cm
そこにペイントを吹き付けると、リネンっぽく見えるから不思議。

B168-77x62x13cm
殿堂入りしたガラス科学実験器具が、
ギザギザ・ディスクとともに、シュールな雰囲気をかもし出している。


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B169-90x52x14cm
B169 90x52x14cm € 3,750
このアルコーヴの音楽室は、2年前にもよく似たものを作っていたけれど、
B133>それが、売れてしまったので、
残っていたペアの片割れのパーツで、リピート制作。

B169-90x52x14cm
B169 90x52x14cm € 3,750
前回の作品は、リアルなチェロが目を引いたけれど、
今回のものには、凝ったシャンデリアが。


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B170-43x40x09cm
B170 43x40x09cm € 1,500
今回に新作最後の作品は、厳密にいうと新作じゃないんだけれど、
以前あった作品を改造したもの。
中身のインテリアは同じで、
フレームが今のおじさんの感覚では、ちょっと分厚すぎる・・・という箱の、
フレームを小さくして、フォックスド
(水銀剥離したアンティークの)ミラーを貼り込んだもの。
このミラーが、とてもクール。

B170-43x40x09cm
印象が全く変わってしまった。

B170-43x40x09cm
インテリアはアームチェアーのみの、シンプルなもの。
なので、ライト付きの作品にしては、お安くなっていますよ^^。

以上8点の新作でした。

また次回標本箱は、ヴェニスに戻る予定です。




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