Gallerie dell'Accademia, Venice (アカデミア美術館、ヴェニス)-2-
標本箱は、ヴェニスにもどって、Gallerie dell'Accademia (アカデミア美術館)のイメージの続編を。
前回は一体いつの話?といわれそうなので・・・、前編は<このページ>ですよ。
ルームNo.3。
この部屋のメインの展示物は、15世紀Giovanni Bellini(ジョヴァンニ・ベッリーニ)の受胎告知。
このテーマは、歴史的インテリア好きには、
マリア母さまの部屋を覗き見できる格好の題材。
個人的には、このSebastiano del Piombo(セバスティアーノ・デル・ピオンボ)の、
トリプテイック(厳密にいうと4連パネルかな?)の聖人さん達、なかでも、
San Ludovico da Tolosa(トゥルーズの聖ルイ)が目にとまる。
なんだか現代的で、こんな感じの男の子、
ウチの近所でも、いるいる・・・というような、リアルさ(笑)。
そして、装飾好きは、天井のディティールに目を凝らす。
部屋を移動して、多分ここがこのアカデミア美術館の中でも、
一番の見どころといわれているのじゃないかな、と思う、ルームNo.23。
現存する確定された作品が6点しかない、
幻の画家Giorgione(ジョルジオーネ)の、La tempesta (テンペスタ)。
風景の静けさに魅了される。
部屋の中にまた、パネルで区割りされた一角があって、
その中はGiovanni Bellini(ジョヴァンニ・ベッリーニ)づくし。
これは、Madonna col Bambino in piedi benedicente
(立って祝福を与える聖母子)。
ちょうど今、ロンドンのナショナル・ギャラリーで、
Mantegna and Bellini (マンテーニャとベッリーニ)展が開催されていて、
私も先週見に行ってきたところ。
この絵画を始めとして、ヴェニスで見た作品もいくつかに、
またロンドンで再会したのだった。
ベッリーニの中でも、ちょっと毛色の変わったシリーズ、
「Allegorie(アレゴリー=寓意画)」
意味合いを読み取ることは難しいけれど、
なにか現実離れした、シュールな感覚が心地よい。
このシリーズは弟子のAndrea Previtali(アンドレア・プリヴィアティ)との
合作とされている。
同じく「アレゴリー」のシリーズより。
上のがヴィーナスだとしたら、
これはバッカスとマルス・・・かな?
意味不明で、とってもシュールな「アレゴリー」。
意味不明だけれど、どことなく、ルネッサンスの
グロテスク装飾文様を思わせるものがある。
Jheronimus Bosch(ヒエロニムス・ボス)の、
「Visioni dell'aldilà(Visions of the Hereafter=死後のヴィジョン)」の一部。
全体像は<このページ>に。
ダンテの「神曲」っぽい(笑)。
ジョヴァンニ・ベッリーニの弟、Gentile Bellini(ジェンティーレ・ベッリーニ)15世紀末の、
Processione in Piazza San Marco(サン・マルコ広場での聖十字架の行列)。
今も殆ど風景に変わりがないことに驚く。
これもジェンティーレ・ベッリーニの、
Miracolo della reliquia della Croce al ponte di San Lorenzo
(サン・ロレンツォ橋での、聖十字架の奇跡)。
カナルに落ちた、True Cross(真の十字架)聖遺物が、
Andrea Vendramin (アンドレア・ヴェンドラミン←同名のヴェネチア総督の祖父)
の手で救われた・・・という、伝説を描いている。
どうしてこういう、パースペクティヴのある、
ゴチャゴチャした絵に惹かれるんだろうか(笑)。
Giovanni di Niccolò Mansueti(ジョヴァンニ・ディ・ニコロ・マンスエティ)の、
Miracolosa guarigione della figlia di Benvegnudo da San Polo
=聖ポロによるベンヴェヌドの娘の奇跡の回復)。
どこか途中の部屋で見かけた、ガニュメディスの彫像。
そして、廊下にも、バンバン有名どころの大作が展示されている。
この一角はTintoretto(ティントレット)。
16世紀のLa messa in salvo del corpo di San Marco (noto come Il
trafugamento del corpo di San Marco),
聖マルコの遺体の救出(聖マルコの遺体の盗出、として知られている)。
未完(?)の背景の描写が、妙に現代的。
同じくティントレットの、
Madonna col Bambino e i santi Sebastiano, Marco,
Teodoro venerata da tre comerlenghi e di loro segretari
(3人の侍従と秘書に礼拝される、
聖母子と、聖セバスチャン、マルコ、テオドロ)
鮮やかで動きと量感のある描写が、
バロック絵画の先駆を感じさせる。
同じくティントレットで、La Creazione degli animali(=動物の創造)。
創造主、父さんが様々な動物を、忙しそうに製作中。
博物誌的な絵画。
この後、階段を降りて、一度中庭に出て、
ショップと出口に向かってしまった。
「あれ?カナレットとかあるんじゃなかったっけ?」
と思い直して、ショップで尋ねてみたら、
見逃していた、グランド・フロアの一角あり。
あまり、順路表記が明確でないので、迷い気味。
それはこの一連の部屋で、
17-18世紀の絵画を中心に展示されている。
Canaletto(カナレット)の、Perspective with portico (1765)
(ポーティコのある透視画)。
お気に入りの一枚。あ、やっぱりパースペクティヴか・・・。
カナレットでなくて、Michele Marieschiの、Courtyard of a palace with staircase
(階段のあるパレスの中庭)。
って、これもパースペクティヴ、ちょっとピラネージっぽくもある。
数多くはないけれど、彫刻の展示もあって、
充実の美術館でしたよ。
Gallerie dell'Accademia (アカデミア美術館)
独特の開館時間:火~日 8:15am ~ 18:15pm、月 8:15am ~ 13:00pm
(閉館45分前にチケット販売終了)
地図:
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