Sunday 30 March 2014

Museum Speelklok (シュピールクロク博物館)、ユトレヒト -2-


オランダ、ユトレヒトからMuseum Speelklok (シュピールクロク博物館)の続編で、今回は上階のギャラリー部に上っていく。

Museum Speelklok - Utrechit
上階に上ると、ここが元教会であったことがよくわかる。

Museum Speelklok - Utrechit
右に見えるのは、ここの教会に
そもそも備え付けられていたパイプオルガン。

Museum Speelklok - Utrechit
最も「ストリート・オルガン」という呼び方にふさわしいのは、このタイプ。
街角でこれだけが、演奏されていたり、
大道芸のBGMになったり。

3年前に、ブダペストで演奏しているのを見かけた。

Street musician
このおじさんは、口笛の伴奏つきだった。

Museum Speelklok - Utrechit
エキゾティックな・・・と思ったら、
トルコのシリンダー・ピアノ。

Museum Speelklok - Utrechit
その後ろの棚に収納されているのは、
自動ピアノの、ロール。

Museum Speelklok - Utrechit
自動演奏機械のそもそもの始まりとなった、
教会の時報チャイムのシステム。
一定の時間が来ると、
この機械の上に掛けられている、
サイズの異なる別音階のベルを、
メロディーに準じて引っ張って鳴らす仕組みになっている。

Museum Speelklok - Utrechit
その小型ヴァージョンが、
時報チャイム付の柱時計となって、
富裕市民の屋敷に入ってきた。

Museum Speelklok - Utrechit
一方、教会の時報チャイム機の、
メロディー歯車をミニチュア化して、
メタルの櫛を音源にしてみたら、
オルゴールが出来上がった。

Museum Speelklok - Utrechit
オルゴールが
「出っ張り」でメロディーを記録するのを、
逆に「パンチ穴」でメロディーを記録させて、
ディスク型にしたのが、Polyphone(ポリフォン)。
ディスクが大きいほど演奏時間も長くなる仕組み。


ここの博物館での実演。
音がなんともいえず美しい。

Museum Speelklok - Utrechit
ディスクだと、限りある演奏時間を、
どこまでも伸ばそうというのが、
libellion(リべりオン).

演奏を見つけた。



Museum Speelklok - Utrechit
ディスク型の方が、普及していたのか、
さまざまなタイプのものが収蔵されている。

Museum Speelklok - Utrechit

Museum Speelklok - Utrechit
大型書籍の様な構造で、
プレーヤーと、その前のページには、
メロディーディスクが収められている。
これ、コーネルの箱アート思い出させるんだけど・・・(笑)。

Museum Speelklok - Utrechit
豪華版。

Museum Speelklok - Utrechit
ポータブル・プレーヤー。

Museum Speelklok - Utrechit
グラモフォン・レコードと張り合ってるんだか・・・?

Museum Speelklok - Utrechit
フォトジェニックなディスク達。

Museum Speelklok - Utrechit


Museum Speelklok - Utrechit
最後は、カフェ・エリアにあった展示で、
ファンフェアのミニチュアの前で、
小さな実写の人々が踊っている。
妙に可愛らしい。


Museum Speelklok (シュピールクロク博物館)
Steenweg 6, NL - 3511 JP Utrecht
火~土曜日 10:00am~17:00pm
大人11ユーロ、4~12歳子供6ユーロ。
ミュージアム・パスで無料、他ユトレヒト・カード割引等有。

地図:

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Thursday 27 March 2014

Museum Speelklok (シュピールクロク博物館)、ユトレヒト -1-


標本箱はまたまた、オランダ・ユトレヒトに戻ってきて、今回はユトレヒトを訪れるきっかけになった博物館の一つ、Museum Speelklok (シュピールクロク博物館)のイメージを、2回にわたってご紹介することに。

博物館の名前Speelklok (シュピールクロク)というのは、英語に直訳するとPlay clock、意訳するとMusical clockwork、日本語でいうと「機械仕掛け音楽演奏機」、つまり、広い意味でのオルゴールのような自動演奏機械、という意味。
1956年にユトレヒトで催された、ストリート・オルガン展が人気を博したために、ユトレヒトに常設の博物館として展示されることになった、というのが、ここの始まり。
ストリート・オルガン(手回しオルガン)以外にも、機械仕掛けのチャイム付時計、オルゴール、シート式オルゴールなどなど、さまざまな自動演奏機械が収蔵されている。
1984年には、旧Buurkerk(市民教会)に博物館は、拡大・移動されて再オープン、現在に至る。

そもそもは、教会の時報として開発された機械仕掛けのチャイムが、やがて富裕市民のコレクション趣味用のチャイム付時計となり、その後複雑化・大型化したストリート・オルガン(手回しオルガン)に発展していって、19世紀後半から20世紀初頭にかけては、大衆文化の一環となった。
しかし、19世紀末にグラモフォン・レコード(現在「レコード」と呼ばれるディスク版のもの)が普及し始めて、20世紀に入ってからは、次第にその地位が逆転。
ストリート・オルガンなどの自動演奏機械は、趣味のアンティークと化していくのだった。

この自動演奏機械達の「ファン・フェア(お祭り)」っぽい装飾(メリー・ゴーランドのような)が、なんともいえずレトロないい味を出していて、アンティーク好きとしては、撮影心をそそられるのだった。


Museum Speelklok - Utrechit
その、ファン・フェアっぽい装飾というのは、こんなもの。
どことなく、ジプシー・キャラヴァンを思い起こさせる、
ノスタルジックなキッチュ感を漂わせている。

Museum Speelklok - Utrechit
博物館に入った最初の展示室。
一日に何回か実際にスタッフが、機械を演奏実演している。
右の方で、パパとお嬢ちゃんが見ているのはその実演。

Museum Speelklok - Utrechit
これは女性の服装から、20-30年代かな。
移動遊園地に併設された、フェアグラウンド・オルガン。

Museum Speelklok - Utrechit
後ろから見たらこんな風になっている。
基本的に「移動式」で作られている。
演奏者がこの手回しハンドルを回すと、
空気圧で木管系のリードからメロディーが奏でられる。
大型のオルガンでは、ドラム・ベル等の打楽器も、
複雑に組み合わされているものが多い。

Museum Speelklok - Utrechit
「メリー・ゴーランドのような装飾」というのが、
ご理解いただけるかと。

Museum Speelklok - Utrechit
チョコレートのお菓子箱・・・ともいえる。

Museum Speelklok - Utrechit

Museum Speelklok - Utrechit
最初の展示室には、ストリート・オルガン以外にも、
このようなディスク型オルゴールや、

Museum Speelklok - Utrechit
オルゴール時計、

Museum Speelklok - Utrechit
怪しい謎の中国人(メキシコ人?)がベルを鳴らす、

Museum Speelklok - Utrechit
オルゴールなど、ここのコレクション全般から、
Speelklok (シュピールクロク)のヴァラエティを
見てとれるアイテムを抽出した構成になっている。

Museum Speelklok - Utrechit
その奥の展示室では、もっと大型のオルガンを展示。
20世紀初期のボールルームや、ダンスホール、
フェアグラウンドで使われたもの。

Museum Speelklok - Utrechit
折りたたみカード式やロールシート式の楽譜を換えて、
いくつもの曲が演奏できるようになっている。
のちのジュークボックス、の、ようなもの。

Museum Speelklok - Utrechit
しかし、スケールが大きいので、
その音量はジュークボックスどころではない。
そして、実際に空気圧で
木管楽器を演奏していることになるので、
部屋の中でブラス・バンドが演奏している・・・級の
音の迫力。

Museum Speelklok - Utrechit
演奏は「腹」にこたえるものがある(笑)。

Museum Speelklok - Utrechit
いかにも20世紀初期のダンスホール、な、彫像達。
南ロンドンのミュージックホールや劇場でも、
こういった「大衆の夢」的な装飾様式は、
よく取り入れられていたもの。
元はといえば、Burges(バージェス)あたりに
ルーツはあるものとみている(笑)。

Museum Speelklok - Utrechit
また別の展示室で、自動演奏でヴァイオリン5重奏してしまうというもの。
弦を複雑なチューブ式空気圧で押さえて、
その周りを、リング状の弓が回転して演奏する仕組み。
実にこんな複雑なことを、誰が発明したのか・・・。
その努力の割には、弓のタッチが均一なので、
演奏自体はいまひとつ・・・だるい。
う~ん、弦楽器には自動演奏は向いてないかも・・・だった。

続きの次回は2階部の、細々した展示物を。


Museum Speelklok (シュピールクロク博物館)
Steenweg 6, NL - 3511 JP Utrecht
火~土曜日 10:00am~17:00pm
大人11ユーロ、4~12歳子供6ユーロ。
ミュージアム・パスで無料、他ユトレヒト・カード割引等有。

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おまけヴィデオ。
ここの自動演奏機の実演いろいろを、Youtubeで見つけた。
やはり聞いてみないことにはね^^。





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Monday 24 March 2014

「英国 ティーハウスとアンティークのある暮らし」発売中


前回「まだ、手元には届いていない・・・」と書いた途端に届いた、「英国 ティーハウスとアンティークのある暮らし」。
今回の標本箱は、その「覗き見」をば・・・。


Photography for the Japanese book
著者:小関由美 朝日新聞出版

Photography for the Japanese book
イギリスと日本を行き来する著者、由美さんが、
専門の「食」と「アンティーク」をフィルターにして、
イギリスのおもしろみ、魅力を描く。
私は、写真のヴィジュアルでそれを、お手伝い。

Photography for the Japanese book
内容は大きく4部に分かれていて、
ティー・ハウス、アンティーク、ホテル、
そして日本のティーサロンやアンティーク・ショップについて。
最初の3部、UKサイドの撮影を担当。

Photography for the Japanese book
このページの写真は、コッツウォルズ、
ミクルトンの村を、朝散歩していたときのもの。

Photography for the Japanese book
本格的な、ホテルのアフタヌーンティやら・・・、

Photography for the Japanese book
個性的なアンティーク・ショップの地階での、
カジュアルなティールーム。

Photography for the Japanese book
アンティーク・ショップも、
地方のミッド・センチュリー専門店から、

Photography for the Japanese book
ロンドン郊外の、人気カーブーツやマーケットなど、
さまざまな角度で。

Photography for the Japanese book
ロンドン人に人気の、料理の美味しいエレガントなパブ、

Photography for the Japanese book
コッツウォルズの村の昔ながらのパブ、
それでいて内装がステキで、料理が美味しい・・・という、意外な見つけ物。
「食」の専門家でもある著者ならではの、「鼻」が利く。

Photography for the Japanese book
ところどころに、ミニ・コラム・エッセイも交えて。

Photography for the Japanese book
いままでは、雑誌撮影ばかりだったので、今回初めて「書籍」になって、
それも自分プロデュースのBlurb本と違って、
ちゃんとISBNが入って、書店に並ぶ・・・というのは、
やっぱりうれしいもの^^。


さて、この「英国 ティーハウスとアンティークのある暮らし」、まずは、観光の情報ソースとしても活用できる本。
しかし、それだけではなくて、ティーハウス、アンティーク、と一言でくくりきれないような「多様性」、その「多様性」が現在のイギリスの醍醐味であることを、著者・由美さんのおおらかな語り口調とともに、追体験できる内容になっている。 著者とともに、イギリスを旅をしている気分になれることと^^。

「英国 ティーハウスとアンティークのある暮らし」

著者:小関由美 朝日新聞出版
20.6 x 14.8 x 1.6 cm 96ページ
ISBN-10: 4022511648  ISBN-13: 978-4022511645
2014年03月20日発売。

アマゾンJPでは<このページ>で発売中。


次回は、またユトレヒトに戻りますよ~。


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Friday 21 March 2014

「英国 ティーハウスとアンティークのある暮らし」発売

今回は、ミニ標本箱で、昨年、隊長こと、ライター小関由美さんと、フォトグラファーの私が、ロンドンやらコッツウォルズを走り回って取材していた、朝日新聞出版「英国 ティーハウスとアンティークのある暮らし」が、3月20日発売されましたー、のニュース。

Yumi-Asahi-book-cover
表紙はこんなです。
(写真をクリックで、アマゾンの販売ページがオープン。)

著者:小関由美 朝日新聞出版
20.6 x 14.8 x 1.6 cm 96ページ
2014年03月20日発売。

イギリスの美しい時間をじっくりと堪能できる、
英国通の人気著者によるフォトエッセイ。
コッツウォルズ、ロンドンなどを中心に、
イギリスのティーハウスとアンティークのお店やホテルを紹介。
紅茶やお菓子、工芸品、マーケットなど、
英国に暮らす人々の美しい日常を綴る。
日本初紹介となるお店も豊富に収録。
-----「BOOK」データベースより。

まだ、実際に手元には届いていないのだけれど、また届き次第、中の覗き見を標本箱に詰め込むことに。
ぜひぜひ、書店で手にとって見てみてくださいねー^^。





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