Friday, 28 November 2014

Ham House (ハム・ハウス)-3-

National Trust (ナショナル・トラスト)のHam House(ハム・ハウス)のイメージの3回目。 さて、今回でお屋敷内部は終わるかな・・・?


Ham House
前回のシノワズリの小部屋に隣接した部屋に架けられていた、
18世紀に描かれたハム・ハウス。
これはちょうどテムズ川と反対側に当たる、整形式庭園から見たところ。
今もあまり変わりはない・・・というところは、
また後の庭の写真でご理解いただけるかと。

Ham House
その部屋の天井画。これも油彩。

Ham House
天井画の角のあたり。
バロックなスフィンクス達。

Ham House
隣の部屋には再び見事なタペストリー。
時々タペストリーで、別の部屋から持ち込まれたり、
改装後に部屋のサイズが変わったりで、
タペストリーも部屋に合わせて拡大・縮小される場合がある。
この正面のタペストリーでも、左側に継ぎ足して、
長さを延長した後が見受けられる。

Ham House
その左側のタペストリー。

Ham House
窓際のライトとミラー。

Ham House
そのまた隣に続く、赤い壁紙の部屋。
貴族の生活を影で支える、使用人達の出入りするドアが真ん中に見える。
この後ろには廊下・階段が繋がっていて、これは使用人達の活動区域。
そんな風に使用人達の活動を「見えないところ」に追いやるのは、
18世紀以降の風習だそう。
それ以前は、屋敷主人家族も、使用人達も入り混じって暮らしていた。
ハム・ハウスでも18世紀に改装された時に、
裏の通路・階段が導入されたとか。

Ham House
これはダイニングルームで、正面入口ホールの奥に当たる。

Ham House
ドアが開け放されていると、正面入口がよく見える。

Ham House
食器は17-18世紀のデルフト焼き。
これがイングリッシュ・デルフトなのか、ダッチ・デルフトなのかまでは、
Pおじさんでもないと、私にはちょっと判断できないけれど。

Ham House
このへやで面白かったのが、このタペストリーと壁紙、どちらも革製。
タペストリーだと、食べ物のの匂いが付いて残るので、
革製のタペストリーや壁紙が使われたのだそう。
革壁紙はハーレムのフランス・ハルス博物館(元修道院)の部屋で見て、
珍しいなと思っていた。<このイメージ
その部屋ももしかすると、ダイニングルームだったのかも・・・
というのは、完全に想像。

Ham House
18世紀の屋敷にはまだ、表向きの「廊下」はないので、
こんなふうに部屋から部屋へとつながっている。

Ham House
17世紀のこの屋敷の女主人、
Countess of Dysart(ダイサート女伯)Elizabeth Maitland(エリザベス・メイトランド)の部屋。

Ham House
ご本人、の、肖像画はPeter Lelyが描いたもので、
オリジナルはV&Aにあるそう。
17世紀前半にハム・ハウスを所有したWilliam Murray, 1st Earl of Dysart
(初代ダイサート伯・ウィリアム・マーレィ)の長女で、この屋敷を相続する。

この女性が、たいがいな女傑。
父はチャールズ1世のアドヴァイザーだったので、ピューリタン革命にあたっては、当然王党派、革命勃発後フランスから帰国するが、逮捕されロンドン塔に収容されてしまう。彼女も、夫Sir Lionel Tollemache(サー・ライオネル・トルマーシュ)共々、王党派なのだけれど、議会派のクロムウェルに、どうやら「色仕掛け」で接近し、懇親を保つ。
一方、チャールズ1世処刑後、亡命中の王太子チャールズ2世を支援して、王党派秘密結社 Sealed Knot(シールド・ノット=封印の絆)の集会にハム・ハウスを提供し、自らも、大陸へ王太子チャールズ2世に連絡を取りに渡ったりもする、お見事な、女スパイ。
クロムウェルの死後1660年に王政復古して、チャールズ2世が戴冠した時には、その功績から、年金を受領することとなった。
彼女の動き次第では、このハム・ハウスも、クロムウェル軍に破壊されて、現在は残っていなかった・・・かもしれない、ともいわれている。


Ham House
隣接する執務室。
この両部屋は、元々父(だったか、夫だったか・・・)の部屋だったそうで、
なので、壁の装飾に海戦が描かれていたりするのだそう。
あ、いや、充分お勇ましい奥方だけれど。


Ham House- Kitchen
お屋敷のメインの部屋から離れて、一度外に出て、
屋敷の右側に回り込んだところに、キッチンへの入口がある。

Ham House- Kitchen
17世紀の大きな暖炉に、19世紀にオーヴンが導入されている。

Ham House- Kitchen
中央の大きな調理テーブルに展示されているのは、
ここのキッチンガーデンで育った、17世紀由来の野菜たち。

Ham House
入り口左の小部屋は、チーズやハーブの保管場所?

Ham House
小さなオーヴンも設置されている。

Ham House
その奥の、バスルームも公開されている。


次回は、このキッチンの続きで、
ここで19世紀に暮らしていた、使用人達
(というか、従業員達といった方がしっくりくるけれど)の生活空間の話。
これは、9月にあった特別ツアーに参加した時のもの。
なので、毎月行っていたことになる。どうりで写真が多いわけだ・・・。
そんなわけで、まだやっぱり内部は続きますよ。

Ham House
Ham Street, Ham, Richmond, Surrey, TW10 7RS UK

地図:

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Monday, 24 November 2014

Ham House (ハム・ハウス)-2-

National Trust (ナショナル・トラスト)のHam House(ハム・ハウス)のイメージの2回目を。


Ham House
Long Gallery(ロング・ギャラリー)に隣接するこの小部屋は、
緑の間、とか何とか呼ばれていたように思うけれど、定かではない。
絵画の小品やミニチュアが展示されている。

Ham House
その上には天井画。
イタリアならさしずめフレスコ画なところだけれど、
これは確か油彩だったと思う。

Ham House
ミニチュア絵画は水彩で描かれていることが多いので、
光は退色の原因になるので大敵。
普段はカーテンの下に隠されている。
真ん中のエリザベスI世のミニチュアは、
Nicholas Hilliard(ニコラス・ヒリヤード)の手になるもの。
こういったミニチュアは、本来はこんなふうに
壁に展示されるものではなくて、
ロングギャラリーのキャビネットの中に、収納展示されていることがもっぱら。
そのキャビネットを仰々しく開けては、
「うちの曽祖父がエリザベスI世から賜ったミニチュアで・・・云々」と、
客人に自慢したりするためのもの。

Ham House
これもまたロング・ギャラリーに隣接する、ライブラリー。

Ham House
右端に見えるのは、地球儀と天球儀。

Ham House
天球儀の方は、キャップを被っている。
地球儀や天球儀に、当時こんなカヴァーを掛けていた、と始めた知った。
白/青のパッチは、気温か湿度を観測している、
ナショナルトラスト以降のもの。

Ham House
暖炉スクリーンにも地図。
描かれた18世紀は、英国とフランスは敵対していたので、
イギリスは大きく、フランスは小さく、
これみよがしに事実を歪曲して描かれている・・・とかいうはなし。

Ham House
別の部屋に移動する前に、もう一度
ロング・ギャラリーを横切る。

Ham House
スツールのカヴァーが、1960年代モダンな感じ、と思ったけれど
れっきとした18世紀なんだそう。
確かに全体を見たら、バロックなスクロールではあるが・・・。

Ham House
隣の部屋は、シノワズリの間。
というか・・・日本の仏間な印象。

Ham House

Ham House
タペストリーの刺繍が見事。

Ham House
そのまた隣に続いている部屋。
なんと呼ばれているか・・・はもう判らなくなってしまった。

Ham House

Ham House

Ham House
その先の小さな赤い小部屋は、
誰だったか女王が滞在したとかいう話だったけれど、
これもまったく記憶から失念・・・・。
今、椅子の置かれているところに、豪華な天蓋付ベッドが設えれれていた。

Ham House
天井画。

Ham House
同じ部屋のスツール。

Ham House
これはまた別の部屋で、シノワズリで統一されている。

Ham House
18世紀初頭に中国から輸入されたカップ&ソーサーには、
まだ取っ手がついていない。

・・・というところで、また次回に続く。
あぁ、ハム・ハウス実に広くて、いろいろな部屋が公開されているので、
まだ、部屋の最後までも行きついてはいないのだったー。

Ham House
Ham Street, Ham, Richmond, Surrey, TW10 7RS UK

地図:

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Thursday, 20 November 2014

Ham House (ハム・ハウス)-1-


今回は8月に訪れた、National Trust (ナショナル・トラスト)のHam House(ハム・ハウス)のイメージ、の、一回目。
この、17世紀建造の屋敷は、Richmond(リッチモンド)の街から、1.5kmほどテムズ川沿いに南に、つまり上流のKingston(キングストン)に向かって上がっていったところにある。
ウチからだとローカル・エリア、Kingstonでバスを乗り換えて、トータル40分ぐらい。
ここのフラットに引っ越す前に、しばらく北キングストンに住んでいて、そこからだとバスで15分ぐらい、なので、とても近所感覚、最寄りのナショナル・トラスト屋敷なのだった。
なのでいままで、何度も訪れているのだけれど、数年前にナショナル・トラストが、建物の中でも写真を撮ることができるように、ポリシーを変更して以来(すべてのプロパティーではなくて、所蔵品の肖像権による・・・とかいう話なので、個別に、許可されているプロパティーと、そうでないところに分かれている)、一度も行ったことがなかった。
今回はカメラ持参で、訪れることにした。

Ham House
テムズ川に面した、屋敷の正面入口。
水瓶に寄りかかって座っている彫像は、
”Old Thames”と呼ばれる、テムズ川の象徴。
川はよく女神で象徴されることが多いような気がするが、
テムズの場合は「爺様」。

Ham House
屋敷の正面にも彫像が並んでいるが、
屋敷を取り巻くレンガ壁にも彫像が並ぶ。
イタリア・ルネッサンスの影響を受けた様式。

Ham House

Ham House
ルネサンス/バロックな、ベンチの木彫。

Ham House
正面入口、

Ham House
を、入ったところのホール、

Ham House
は、吹き抜けになっていて、これは、上階から見たところ。
18世紀に大幅に改造された時に、この上階にあったダイニングルームを、
ホールの奥の部屋に移動させて、開いた部屋を、
明かり取りのために、ぶちぬいた・・・とかいう話。

Ham House
珍しいスタイルなので、反対側からも撮ってみる。
入り口ホールから、上階に上がる階段の左に小さな小部屋がある。

Ham House- Chapel
それが、チャペル。
調度品の保全のため、極端に暗く保たれている。
ハム・ハウスには何人もの(犬も含めて・・・)ゴーストが住んでいる、
という話で有名だけれど、ここのチャペルも「ホーンテッド」だそう。
まぁ、こんだけ暗く風通しが悪かったら、ゴーストもさぞかし居心地のいい事と。

Ham House
チャペルを出て階段をのぼる・・・前に、

Ham House
その階段の手摺彫刻が凝っている。

Ham House
階段の下にトイレがある。
これまた古風なベンチ式で、左側に付いているハンドルを
引っ張りあげて水を流す方式。
現在は展示目的で公開されているだけなので、
残念ながら、すわり心地、使い心地は確かめられない。
ブルー・ホワイトの便器が、用途にはおしゃれすぎ・・・。

Ham House
これは上階の部分の階段。
で、この「4段目」がホーンテッドという話。
ここを通った時に、なにものかの気配を感じる・・・んだとか。
何度も通って、写真までとっても、真っ昼間に、
無神経極まりない私には、何の気配もないのだった。

Ham House
階段から部屋への入り口上部の彫像達。

Ham House
階段から見たノット・ガーデン。
ここのイメージは、またのちほど。

Ham House
象牙のキャビネットの間、と呼ばれる部屋。
タペストリー保全のために暗く保たれている部屋で、
その象牙キャビネットの白さが目を引く。

Ham House
特技・ローライト手持ち撮影の本領発揮^^。
この部屋を抜けると・・・、

Ham House
この屋敷の一番印象的な部屋、Long Gallery(ロング・ギャラリー)に出る。

Ham House
ロング・ギャラリーというのは、イギリスでは16世紀後半~17世紀の大屋敷によくある部屋で、
長いギャラリールームに、一族の肖像画や、自慢の調度品が展示されている。
客人をこの部屋に案内して、一族自慢、調度品自慢をしたり・・・、
単に、その昔の天候の悪いイギリスで、秋冬の運動不足解消に、
ここを歩くのだ・・・とかいわれている。
それではまるで、ゴージャス系ジムではないか・・・。

Ham House
お見事なインレイのキャビネット。多分イタリア製。

Ham House
このキャビネットは日本製の漆キャビネットが、
当時の日本の数少ない交易国、オランダ経由で入ってきたもの。
床座りしないヨーロッパの目線に合わせて、
オランダで「ど」ゴージャスな台座に設置される。
こういう例は、バロック屋敷でよく見かける。
漆キャビネット自体が、日本製のものと、
中国・東南アジア製のものと。どちらも流通していた。
元芸大漆工芸科としては、日本製か、中国製かの
スポット・オン・ゲームを一人でやっている(笑)。


まだまだ、写真はたくさんあるので、話は延々と続きますよ。 
今日のところは、これぐらいで。


Ham House
Ham Street, Ham, Richmond, Surrey, TW10 7RS UK

地図:

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