Ham House (ハム・ハウス)-1-
今回は8月に訪れた、National Trust (ナショナル・トラスト)のHam House(ハム・ハウス)のイメージ、の、一回目。
この、17世紀建造の屋敷は、Richmond(リッチモンド)の街から、1.5kmほどテムズ川沿いに南に、つまり上流のKingston(キングストン)に向かって上がっていったところにある。
ウチからだとローカル・エリア、Kingstonでバスを乗り換えて、トータル40分ぐらい。
ここのフラットに引っ越す前に、しばらく北キングストンに住んでいて、そこからだとバスで15分ぐらい、なので、とても近所感覚、最寄りのナショナル・トラスト屋敷なのだった。
なのでいままで、何度も訪れているのだけれど、数年前にナショナル・トラストが、建物の中でも写真を撮ることができるように、ポリシーを変更して以来(すべてのプロパティーではなくて、所蔵品の肖像権による・・・とかいう話なので、個別に、許可されているプロパティーと、そうでないところに分かれている)、一度も行ったことがなかった。
今回はカメラ持参で、訪れることにした。
テムズ川に面した、屋敷の正面入口。
水瓶に寄りかかって座っている彫像は、
”Old Thames”と呼ばれる、テムズ川の象徴。
川はよく女神で象徴されることが多いような気がするが、
テムズの場合は「爺様」。
屋敷の正面にも彫像が並んでいるが、
屋敷を取り巻くレンガ壁にも彫像が並ぶ。
イタリア・ルネッサンスの影響を受けた様式。
ルネサンス/バロックな、ベンチの木彫。
正面入口、
を、入ったところのホール、
は、吹き抜けになっていて、これは、上階から見たところ。
18世紀に大幅に改造された時に、この上階にあったダイニングルームを、
ホールの奥の部屋に移動させて、開いた部屋を、
明かり取りのために、ぶちぬいた・・・とかいう話。
珍しいスタイルなので、反対側からも撮ってみる。
入り口ホールから、上階に上がる階段の左に小さな小部屋がある。
それが、チャペル。
調度品の保全のため、極端に暗く保たれている。
ハム・ハウスには何人もの(犬も含めて・・・)ゴーストが住んでいる、
という話で有名だけれど、ここのチャペルも「ホーンテッド」だそう。
まぁ、こんだけ暗く風通しが悪かったら、ゴーストもさぞかし居心地のいい事と。
チャペルを出て階段をのぼる・・・前に、
その階段の手摺彫刻が凝っている。
階段の下にトイレがある。
これまた古風なベンチ式で、左側に付いているハンドルを
引っ張りあげて水を流す方式。
現在は展示目的で公開されているだけなので、
残念ながら、すわり心地、使い心地は確かめられない。
ブルー・ホワイトの便器が、用途にはおしゃれすぎ・・・。
これは上階の部分の階段。
で、この「4段目」がホーンテッドという話。
ここを通った時に、なにものかの気配を感じる・・・んだとか。
何度も通って、写真までとっても、真っ昼間に、
無神経極まりない私には、何の気配もないのだった。
階段から部屋への入り口上部の彫像達。
階段から見たノット・ガーデン。
ここのイメージは、またのちほど。
象牙のキャビネットの間、と呼ばれる部屋。
タペストリー保全のために暗く保たれている部屋で、
その象牙キャビネットの白さが目を引く。
特技・ローライト手持ち撮影の本領発揮^^。
この部屋を抜けると・・・、
この屋敷の一番印象的な部屋、Long Gallery(ロング・ギャラリー)に出る。
ロング・ギャラリーというのは、イギリスでは16世紀後半~17世紀の大屋敷によくある部屋で、
長いギャラリールームに、一族の肖像画や、自慢の調度品が展示されている。
客人をこの部屋に案内して、一族自慢、調度品自慢をしたり・・・、
単に、その昔の天候の悪いイギリスで、秋冬の運動不足解消に、
ここを歩くのだ・・・とかいわれている。
それではまるで、ゴージャス系ジムではないか・・・。
お見事なインレイのキャビネット。多分イタリア製。
このキャビネットは日本製の漆キャビネットが、
当時の日本の数少ない交易国、オランダ経由で入ってきたもの。
床座りしないヨーロッパの目線に合わせて、
オランダで「ど」ゴージャスな台座に設置される。
こういう例は、バロック屋敷でよく見かける。
漆キャビネット自体が、日本製のものと、
中国・東南アジア製のものと。どちらも流通していた。
元芸大漆工芸科としては、日本製か、中国製かの
スポット・オン・ゲームを一人でやっている(笑)。
まだまだ、写真はたくさんあるので、話は延々と続きますよ。
今日のところは、これぐらいで。
Ham House
Ham Street, Ham, Richmond, Surrey, TW10 7RS UK
地図:
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