Thursday 20 November 2014

Ham House (ハム・ハウス)-1-


今回は8月に訪れた、National Trust (ナショナル・トラスト)のHam House(ハム・ハウス)のイメージ、の、一回目。
この、17世紀建造の屋敷は、Richmond(リッチモンド)の街から、1.5kmほどテムズ川沿いに南に、つまり上流のKingston(キングストン)に向かって上がっていったところにある。
ウチからだとローカル・エリア、Kingstonでバスを乗り換えて、トータル40分ぐらい。
ここのフラットに引っ越す前に、しばらく北キングストンに住んでいて、そこからだとバスで15分ぐらい、なので、とても近所感覚、最寄りのナショナル・トラスト屋敷なのだった。
なのでいままで、何度も訪れているのだけれど、数年前にナショナル・トラストが、建物の中でも写真を撮ることができるように、ポリシーを変更して以来(すべてのプロパティーではなくて、所蔵品の肖像権による・・・とかいう話なので、個別に、許可されているプロパティーと、そうでないところに分かれている)、一度も行ったことがなかった。
今回はカメラ持参で、訪れることにした。

Ham House
テムズ川に面した、屋敷の正面入口。
水瓶に寄りかかって座っている彫像は、
”Old Thames”と呼ばれる、テムズ川の象徴。
川はよく女神で象徴されることが多いような気がするが、
テムズの場合は「爺様」。

Ham House
屋敷の正面にも彫像が並んでいるが、
屋敷を取り巻くレンガ壁にも彫像が並ぶ。
イタリア・ルネッサンスの影響を受けた様式。

Ham House

Ham House
ルネサンス/バロックな、ベンチの木彫。

Ham House
正面入口、

Ham House
を、入ったところのホール、

Ham House
は、吹き抜けになっていて、これは、上階から見たところ。
18世紀に大幅に改造された時に、この上階にあったダイニングルームを、
ホールの奥の部屋に移動させて、開いた部屋を、
明かり取りのために、ぶちぬいた・・・とかいう話。

Ham House
珍しいスタイルなので、反対側からも撮ってみる。
入り口ホールから、上階に上がる階段の左に小さな小部屋がある。

Ham House- Chapel
それが、チャペル。
調度品の保全のため、極端に暗く保たれている。
ハム・ハウスには何人もの(犬も含めて・・・)ゴーストが住んでいる、
という話で有名だけれど、ここのチャペルも「ホーンテッド」だそう。
まぁ、こんだけ暗く風通しが悪かったら、ゴーストもさぞかし居心地のいい事と。

Ham House
チャペルを出て階段をのぼる・・・前に、

Ham House
その階段の手摺彫刻が凝っている。

Ham House
階段の下にトイレがある。
これまた古風なベンチ式で、左側に付いているハンドルを
引っ張りあげて水を流す方式。
現在は展示目的で公開されているだけなので、
残念ながら、すわり心地、使い心地は確かめられない。
ブルー・ホワイトの便器が、用途にはおしゃれすぎ・・・。

Ham House
これは上階の部分の階段。
で、この「4段目」がホーンテッドという話。
ここを通った時に、なにものかの気配を感じる・・・んだとか。
何度も通って、写真までとっても、真っ昼間に、
無神経極まりない私には、何の気配もないのだった。

Ham House
階段から部屋への入り口上部の彫像達。

Ham House
階段から見たノット・ガーデン。
ここのイメージは、またのちほど。

Ham House
象牙のキャビネットの間、と呼ばれる部屋。
タペストリー保全のために暗く保たれている部屋で、
その象牙キャビネットの白さが目を引く。

Ham House
特技・ローライト手持ち撮影の本領発揮^^。
この部屋を抜けると・・・、

Ham House
この屋敷の一番印象的な部屋、Long Gallery(ロング・ギャラリー)に出る。

Ham House
ロング・ギャラリーというのは、イギリスでは16世紀後半~17世紀の大屋敷によくある部屋で、
長いギャラリールームに、一族の肖像画や、自慢の調度品が展示されている。
客人をこの部屋に案内して、一族自慢、調度品自慢をしたり・・・、
単に、その昔の天候の悪いイギリスで、秋冬の運動不足解消に、
ここを歩くのだ・・・とかいわれている。
それではまるで、ゴージャス系ジムではないか・・・。

Ham House
お見事なインレイのキャビネット。多分イタリア製。

Ham House
このキャビネットは日本製の漆キャビネットが、
当時の日本の数少ない交易国、オランダ経由で入ってきたもの。
床座りしないヨーロッパの目線に合わせて、
オランダで「ど」ゴージャスな台座に設置される。
こういう例は、バロック屋敷でよく見かける。
漆キャビネット自体が、日本製のものと、
中国・東南アジア製のものと。どちらも流通していた。
元芸大漆工芸科としては、日本製か、中国製かの
スポット・オン・ゲームを一人でやっている(笑)。


まだまだ、写真はたくさんあるので、話は延々と続きますよ。 
今日のところは、これぐらいで。


Ham House
Ham Street, Ham, Richmond, Surrey, TW10 7RS UK

地図:

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