Palazzo Fortuny, Venice(パラッツォ・フォルチュニ、ヴェニス)-1-
7月6日から、一部EU圏の国やトルコからの、イギリス入(帰)国時の強制自主隔離が解除されるので、実質、この夏のフランス滞在が可能になった。
なので、速攻でユーロスターとフランス鉄道のチケットを取って、7月末から3週間、いつものノルマンディー、ペーターおじさんのところに滞在します。
今年はムリだろうと、なかば諦めていたので、とても嬉しい。
おじさん曰くに、「いっぱいすること(庭仕事のお手伝い)あるぞ。」だそうです(笑)。
トラベルWifiのレンタル価格が、年々上がるのにたまげるけれど、やむなくオーダーして、この子がちゃんとアネックスでも機能してくれれば、ル・シャトー、アネックスから更新もあり。とはいうものの、田舎でデータシグナル自体が弱くて、とりわけ近年苦戦中なので、あまり期待はできないのだった・・・。
さて標本箱は、ついに昨年の9月末~10月頭に滞在していた、ヴェニスのシリーズに突入します。
今回はまず、Palazzo Fortuny(パラッツォ・フォルチュニ)のイメージを。
ここは19世紀末~20世紀初頭にかけての、スペイン出身の舞台美術家、画家、写真家、テキスタイル/ファッション・デザイナーだったMariano Fortuny(マリアノ・フォルチュニ)の屋敷兼スタジオが、現在はミュージアムとして公開されているもの。
後で知ったのだけれど、同じ頃、昨年(2019)の7月~10月にかけて、東京の三菱一号館美術館で「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」が開催されていたのだとか。
てんこもり収蔵物のある印象のここのミュージアムは、濃厚に「密」な展示だったので、巡回展貸し出しをしていることに、全く気づかなかったぐらいだった。

まずはその正面入口。
最寄りのVaporetto(水上バス)停は、
Sant' Angelo(サンタンジェロ)で、1番の水上バスが停まる。
そこからヴェニスらしい狭い道を抜けて、
3分ほど歩くと、この正面入口に着く。

グランドフロアでは、企画展なのだか、
この年が開催年だったビエンナーレの一環なのか、
コンテンポラリーの平面作品が展示されていた。
こういうのは、あんまり興味ないので、
適当にはしょって、順路を先に進む。

通路の先に中庭が。

いかにもヴェニス、バルコニーのある、
古風な中庭、そして、たっぷりギャザーがとられた、
オーニング(日よけ布)・・・で、
とてもテンションが上がる。

イス・テーブルが置かれて、
軽く休憩できるコーナーになっているけれど、
カフェがある・・・という規模のものではない。
メインの常設展示はこのバルコニーのある
上階から始まるのだけれど、
この中庭の階段からは上がれなくて、
もう一度建物に戻って、その中の階段を上がる。

展示室の最初が、このがっつんとやられる濃厚さ。
壁を覆うブロケードの布帛、コスチューム、絵画、彫刻・・・、
重なり合う深い色味、質感、重厚感・・・。

この美意識の根底にあるのは、ビザンティンで、
ヴェニス自体の美意識の根底に受け継がれていたのも、
ビザンティンなんだと、このエントランスで直感的に理解った。

そして、ビザンティンはというと現在のイスタンブールが中心、
つまりヨーロッパ文明を築き上げていく西と、
ペルシャ、エジプト、インドから中国文明に繋がる東と、
その中間に位置していた。
その時空邂逅的な、
エキゾティックでいて、既視感のあるスタイル、
それがそのまま、
ここののヴィジョンに繋がっている。
これらのコレクションは、スペインの著名な画家だった、
父のMarià Fortunyが北アフリカ滞在時に
コレクションしたものが、受け継がれているのだそう。

これによく似たローブを自分で作って、
部屋着にしていたことがある(笑)。
ビザンティンなんだか、トルコなんだか、インドなんだか
18世紀ヨーロッパの男性の部屋ガウンなんだか・・・、
というスタイル。

壁には小さな絵画が展示されていて、

そのモチーフは、ヴェニス風景のの断片。

縦長に切り取られた構図は、
こんな風に写真を撮りたいんだ・・・と、
いつも感じている構図そのもの。
(いやもちろん、こんな風にささっと
スケッチできるなら、もっといいんだけど。)



他にもスケッチ風の、少作品が色々。
これは確かお父さんの方の作品。
以下も同様。

早描きが見て取れる、
絵画のタッチもとても自分好み。


マリアノ・フォルチュニのデザインしたランプシェード。
現在でもフォルチュニ・ブランドで販売されている。
(いや、お値段も素晴らしいものだった・・・。)

隣の部屋に展示されている大型の絵画は、
マリアノ・フォルチュニのもので、
ワーグナーのオペラ・シリーズ「ニーベルングの指環」
を描いたもの。


お父さんとはまた違った「ステージ的」な幻想感が漂う。

そしてまた、コスチュームのコレクション。

その後、もう一度最初に入った、
広いホールの展示室に出る。


これは、お父さんの方の作品。
ロココ様式から展開したといわれているけれど、
19世紀のオリエンタリズムにスポット・オン。
同時代のGustave Moreau(ギュスターヴ・モロー)
にも通じるものがある。

このタッチは、(多分)マリアノの方。
以下も同様。


bullseye glass(ブルズアイ・ガラス)の窓の前の、
ステージのミニチュア模型。
次回も続きますよ。
Palazzo Fortuny(パラッツォ・フォルチュニ)
Map:
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