Thursday, 26 July 2018

Osterley House(オスタリー・ハウス)-2-

夏季休暇のおしらせ:
8月1日(水)~22日(水)の間、
KotomiCreations Etsyショップは、
夏季休暇で閉店しています。
8月23日(木)より、通常営業に戻ります。
よろしくおねがいします。



実は、今日も撮影仕事のまっただ中なんだけれど、前書きで、ロンドン郊外のナショナル・トラストの屋敷、Osterley House(オスタリー・ハウス)のイメージ続編を。

えーっと、話は、アダムのインテリアもこんなコテコテだったんだ・・・、
というところから。
そして、もっと濃いことになっていく。

Osterley House
The Tapestry Room(タペストリーの間)。
この部屋は、重要なゲスト(たとえば王族など)を迎えるための、
正式の応接室として作られている。

Osterley House
完成に4年を要したといわれるタペストリーは、
施主の奥様、チャイルド夫人のテイスト。
庭や園芸、動物好きの夫人のために、
これらがふんだんにモチーフに使われているのだそう。

Osterley House
これはその天井装飾。

Osterley House
The State Bedchamber(主寝室)
神殿を模したようなベッドは、アダムの力量発揮・・・
なのだけれど、施主のロバート・チャイルドは、
このベッドの請求書を支払った後、すぐに破棄してしまったので、
いったいいくらかかったものなのか、誰にも知らされていない。
しかし、このベッドは殆ど使われることはなく、
ロバートとサラ夫妻は、上階のもっと落ち着いた、
地味なベッドを使っていたのだそう。(上階は未公開)
この部屋も「王族が宿泊される場合」用と、
「いやぁ、こんな部屋用意してるんですけどね」的な
見せびらかし効果用だったのかもしれない。

Osterley House
キャノピー部分のディティール。
現在はブラウンに見えるけれど、当時はグリーン系の色で、
それが退色したのではないかな・・・・というのは、全くの想像だけど。

Osterley House
その天井装飾。

Osterley House
The Etruscan Dressing Room(エトルリア風ドレッシングルーム)
1754年から4年に渡る、
アダムのヨーロッパ大陸見学旅行の成果が凝縮されている。
イタリア半島中部の古代エトルリア遺跡からの
モチーフ・パターンが、
この部屋に多用されている。

Osterley House
壁の装飾は、アダムのデザインを紙にコピーして彩色したものを、
キャンヴァスに貼り込み、それを再び壁に貼る、
一種の壁紙の様式だった。

Osterley House


Osterley House


Osterley House


Osterley House
その天井装飾。

Osterley House
ドアの装飾パネル。

Osterley House
の、クローズアップ。

Osterley House
廊下の部分。

これで、お屋敷見学は終わって、カフェで休憩。

Osterley House Cafe
屋敷に向かって右側にStable Cafe(厩のカフェ)がある。

Osterley House Cafe
レンガ造りの16世紀の厩に、
これまた18世紀にネオクラシカル様式の
エントランスアーチを付け加えたものかと。

Osterley House Cafe
中は厩の構造がそのまま残された、
ブース型のテーブル席になっている。

Osterley House Cafe

Osterley House Cafe
奥にも広がっていて、その先や入口前の屋外にも
席が作られているので、かなり大きなカフェ。

Osterley House
休憩の後は、屋敷正面右側から、
ナショナルトラスト管轄下の(有料の方の)庭を見に行く。

Osterley House Garden
サマーハウスの前では、バラが満開。

Osterley House Garden
レンガ塀で仕切られた中のキッチンガーデンへ。
向こうに見えているのは、厩のカフェの建物の裏側。

Osterley House Garden
キッチンガーデン。

Osterley House Garden
そのあとキッチンガーデンを出て、その奥に広がる庭を散策。
Laburnum(ラバーナム=キングサリ)の花も満開。

Osterley House Garden
あちこちにフォリーが点在する。

Osterley House Garden
この庭園、美しくて和めるのだけれど、
ちょうどヒースロー空港のフライトパスの下で、
ちょっと騒音がウルサイ。
この日は風向きからか、逆方向の離着陸で、離陸経路側になっている。
通常は着陸経路側で、もっと巨大に航空機スポッティングも楽しめる・・・
というか、かなりきつい騒音に、2分ごとぐらいでみまわれる。

Osterley House Garden
そのまた先に広がる草原にて、
シネマの1シーンっぽい配偶者氏とフライト。

Osterley House Garden
この草原はちょうど屋敷の裏側に面している。
屋敷の正面から右側をぐるっとひと回りしてきたことになる。

Osterley House
最後にもう一度、屋敷を裏面から。



さて、ノルマンディー滞在の夏休みまでに、
もう一度更新できるかどうか・・・多分できないような気がするけど。
その場合は、次回はノルマンディー、
ル・シャトーのアネックスよりの標本箱。

日本は一段と暑いそうで、暑中お見舞い申し上げます、ですよ。





Osterley House(オスタリー・ハウス)

地図:





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Monday, 23 July 2018

Osterley House(オスタリー・ハウス)-1-

また今週も、ロンドンは熱波まっただ中。
日本からの友人と一緒になっての、観光三昧が終ったにもかかわらず・・・、雑用やら撮影仕事で、なかなかヴェニス旅行の写真のポスト・プロセスが進まなくって、これはもう来月のノルマンディー滞在の時にでも取りかかるしかないかー、という状態。
ひとまず今回からは、今年の5月後半に訪れたロンドン郊外のナショナル・トラストの屋敷、Osterley House(オスタリー・ハウス)のイメージを。

この屋敷は、元々は財政家Sir Thomas Gresham(サー・トーマス・グレシャム)(←「悪貨は良貨を駆逐する」の「グレシャムの法則」をエリザベス1世に提言した人)が、16世紀に建てたテューダー様式の屋敷だった。
200年後に荒廃した屋敷を、債務不履行の差し押さえで、銀行家Francis Child(フランシス・チャイルド)が入手し、その孫にあたるフランシスとロバートが、18世紀中頃のネオ・クラシカル様式で、売り出した建築家Robert Adam(ロバート・アダム)に発注して、当時の最もトレンディな様式に大改装されたもの。

Osterley House Garden
一番便利なアクセスは、地下鉄ピカデリー線のOsterley(オスタリー)駅。
そこからだと、この入口ゲートまで徒歩7分。
私達はセントラル ロンドンからではないので、
鉄道Isleworth(アイルワース)からここまで、徒歩20分のコースで行ってみた。

Osterley House Garden
入り口ゲートから入ると、まだ並木道が続き、
敷地内を屋敷まであと800m(12分ぐらい)歩く。

Osterley House Garden
左に牧草地が広がり、牛がのんびり草を食べている。
ここはロンドン?とカントリーサイドにワープしたような気分になる。

Osterley House
その先にやがて池が見えて、そのまた先に屋敷が姿をあらわす。
このあたりは、ナショナルトラストの会員でなくても、
入場料を払わなくても、誰でも入ってくることができる。
チケット/会員カードが必要なのは、屋敷の見学と、
屋敷の裏側の、ナショナルトラストの庭に入りたい時だけ。
なので、ローカルの人達の公園としても機能している。

Osterley House Garden
池には鴨とヒナ達。

Osterley House Garden
遅咲きの桜。

Osterley House
そのお屋敷を真正面から。
16世紀に元々建てられたときは、典型的なテューダー様式の、
コの字型のレイアウトだった。
ロバート・アダムは、そのコの字型の開口部分に、
Palladian(パラディオ)様式のPortico(ポーティコ)をおっ建てて、
ネオ・クラシカル様式の屋敷にすり替えてしまった。
さすがアダム先生、見事なお手並み・・・。

Osterley House
そのポーティコの内側、つまり中庭側からのヴュー。

Osterley House
ポーティコの天井部分の、スタッコ(漆喰装飾)。
教科書に出てきそうな、ネオクラシカル。

Osterley House
端正なエントランスホール。

Osterley House
この装飾パネルのパターンは、アダムがグランドツアー
(ヨーロッパ大陸見学旅行)の際に、ローマの屋敷で記録してきた
モチーフから採られているそう。

Osterley House
と、いうような解説が、この後の部屋で展示されている。

Osterley House
同じ部屋に展示されている、アダムのオスタリー・ハウスのプラン。
ほぼ現在の形に近いもの。
屋根に彫像が建つ代わりに、ファサードのペディメント(破風)に
装飾レリーフが入った様子。

Osterley House
なかなか面白かった、解説室。

Osterley House
意外とシンプルな主階段、

Osterley House
だけど、豪華な天井画入り。

Osterley House
その次の部屋。
表面保護のためかなり薄暗い部屋で、撮影苦戦中。

Osterley House
スタッコ装飾パネル+装飾画の組み合わせが続く。

Osterley House
天井装飾。

Osterley House
ドアノブを始めとして、いたるところに菊の紋章・・・
じゃなくて、マリーゴールド(キンセンカ)のモチーフが使われている。
これは、アダムに建築デザインを発注した施主の、
チャイルド家の紋章(というか、商標)だったからだそう。
このチャイルド家は、金細工業で成功し、後に金融業に転化していったが、
Child & Co.(チャイルド&Co.)銀行となってからも、
このキンセンカ モチーフを、マークに使っている。
ちなみに現在も、Royal Bank of Scotland Group
(スコットランド王立銀行グループ)傘下の、
プライベート・バンク(富裕層の資産運用を主とする銀行)として存在している。

Osterley House
ロング・ホールというか、ギャラリー。

Osterley House
ちょうどエントランスホールの裏面にあたる。

Osterley House
ここを訪れるちょうど2ヶ月前に立っていた、
ヴェニスのPalazzo Ducale(ドゥカーレ宮殿)のコートヤードを描いた絵画。
「実際より奥行きが誇張されているような・・・」とか言いながら見ていた。

Osterley House
次の部屋は、こういうのもアダムだったんだーと思わせる、
意外なコテコテぶり。

Osterley House
カーペットもオリジナル(のリプロだったかな・・・)で、
中央の楕円にキンセンカのモチーフが、天井と対応している。

Osterley House
その天井。キンセンカづくし。
このあたりの天井のパターンの「濃さ」も、イタリア的といえるかも。

Osterley House
マーケトリーのキャビネット。


と、いうところで、次回(ちょっといつになるやら・・・だけど)に続きます。
次回はお屋敷の続きと、庭やカフェのエリアを。





Osterley House(オスタリー・ハウス)

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