Monday 23 July 2018

Osterley House(オスタリー・ハウス)-1-

また今週も、ロンドンは熱波まっただ中。
日本からの友人と一緒になっての、観光三昧が終ったにもかかわらず・・・、雑用やら撮影仕事で、なかなかヴェニス旅行の写真のポスト・プロセスが進まなくって、これはもう来月のノルマンディー滞在の時にでも取りかかるしかないかー、という状態。
ひとまず今回からは、今年の5月後半に訪れたロンドン郊外のナショナル・トラストの屋敷、Osterley House(オスタリー・ハウス)のイメージを。

この屋敷は、元々は財政家Sir Thomas Gresham(サー・トーマス・グレシャム)(←「悪貨は良貨を駆逐する」の「グレシャムの法則」をエリザベス1世に提言した人)が、16世紀に建てたテューダー様式の屋敷だった。
200年後に荒廃した屋敷を、債務不履行の差し押さえで、銀行家Francis Child(フランシス・チャイルド)が入手し、その孫にあたるフランシスとロバートが、18世紀中頃のネオ・クラシカル様式で、売り出した建築家Robert Adam(ロバート・アダム)に発注して、当時の最もトレンディな様式に大改装されたもの。

Osterley House Garden
一番便利なアクセスは、地下鉄ピカデリー線のOsterley(オスタリー)駅。
そこからだと、この入口ゲートまで徒歩7分。
私達はセントラル ロンドンからではないので、
鉄道Isleworth(アイルワース)からここまで、徒歩20分のコースで行ってみた。

Osterley House Garden
入り口ゲートから入ると、まだ並木道が続き、
敷地内を屋敷まであと800m(12分ぐらい)歩く。

Osterley House Garden
左に牧草地が広がり、牛がのんびり草を食べている。
ここはロンドン?とカントリーサイドにワープしたような気分になる。

Osterley House
その先にやがて池が見えて、そのまた先に屋敷が姿をあらわす。
このあたりは、ナショナルトラストの会員でなくても、
入場料を払わなくても、誰でも入ってくることができる。
チケット/会員カードが必要なのは、屋敷の見学と、
屋敷の裏側の、ナショナルトラストの庭に入りたい時だけ。
なので、ローカルの人達の公園としても機能している。

Osterley House Garden
池には鴨とヒナ達。

Osterley House Garden
遅咲きの桜。

Osterley House
そのお屋敷を真正面から。
16世紀に元々建てられたときは、典型的なテューダー様式の、
コの字型のレイアウトだった。
ロバート・アダムは、そのコの字型の開口部分に、
Palladian(パラディオ)様式のPortico(ポーティコ)をおっ建てて、
ネオ・クラシカル様式の屋敷にすり替えてしまった。
さすがアダム先生、見事なお手並み・・・。

Osterley House
そのポーティコの内側、つまり中庭側からのヴュー。

Osterley House
ポーティコの天井部分の、スタッコ(漆喰装飾)。
教科書に出てきそうな、ネオクラシカル。

Osterley House
端正なエントランスホール。

Osterley House
この装飾パネルのパターンは、アダムがグランドツアー
(ヨーロッパ大陸見学旅行)の際に、ローマの屋敷で記録してきた
モチーフから採られているそう。

Osterley House
と、いうような解説が、この後の部屋で展示されている。

Osterley House
同じ部屋に展示されている、アダムのオスタリー・ハウスのプラン。
ほぼ現在の形に近いもの。
屋根に彫像が建つ代わりに、ファサードのペディメント(破風)に
装飾レリーフが入った様子。

Osterley House
なかなか面白かった、解説室。

Osterley House
意外とシンプルな主階段、

Osterley House
だけど、豪華な天井画入り。

Osterley House
その次の部屋。
表面保護のためかなり薄暗い部屋で、撮影苦戦中。

Osterley House
スタッコ装飾パネル+装飾画の組み合わせが続く。

Osterley House
天井装飾。

Osterley House
ドアノブを始めとして、いたるところに菊の紋章・・・
じゃなくて、マリーゴールド(キンセンカ)のモチーフが使われている。
これは、アダムに建築デザインを発注した施主の、
チャイルド家の紋章(というか、商標)だったからだそう。
このチャイルド家は、金細工業で成功し、後に金融業に転化していったが、
Child & Co.(チャイルド&Co.)銀行となってからも、
このキンセンカ モチーフを、マークに使っている。
ちなみに現在も、Royal Bank of Scotland Group
(スコットランド王立銀行グループ)傘下の、
プライベート・バンク(富裕層の資産運用を主とする銀行)として存在している。

Osterley House
ロング・ホールというか、ギャラリー。

Osterley House
ちょうどエントランスホールの裏面にあたる。

Osterley House
ここを訪れるちょうど2ヶ月前に立っていた、
ヴェニスのPalazzo Ducale(ドゥカーレ宮殿)のコートヤードを描いた絵画。
「実際より奥行きが誇張されているような・・・」とか言いながら見ていた。

Osterley House
次の部屋は、こういうのもアダムだったんだーと思わせる、
意外なコテコテぶり。

Osterley House
カーペットもオリジナル(のリプロだったかな・・・)で、
中央の楕円にキンセンカのモチーフが、天井と対応している。

Osterley House
その天井。キンセンカづくし。
このあたりの天井のパターンの「濃さ」も、イタリア的といえるかも。

Osterley House
マーケトリーのキャビネット。


と、いうところで、次回(ちょっといつになるやら・・・だけど)に続きます。
次回はお屋敷の続きと、庭やカフェのエリアを。





Osterley House(オスタリー・ハウス)

地図:











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