Sunday 10 April 2016

Antwerp Central Station (アントワープ中央駅)

今回からは先月訪れたベルギー、アントワープのイメージを。
この街には、17世紀の建築を保存したミュージアムが3つもあって、2日かけて莫大な量の写真を撮ってしまって、いまだにポストプロセスに苦戦中。できてきたものから少しずつ標本箱に詰め込むとして、まず今回はアントワープ中央駅のイメージを。

FlickrやGoogle photoなどで、何度かこの駅の写真を見たことがある。いつも「たぶんヨーロッパでNo.1-2の美駅」と思いながら見ていた。
今回、ブラッセルとアントワープの真ん中にあるメヘレンに滞在していたので、アントワープまでは鉄道で20分程度。最初に撮影したかったのは、実はここの中央駅自体なのだった。

Antwerp Central Station
メヘレンからついた列車は、地下にあるこのプラットフォームに停まる。
これは、もともとターミナル駅だったこの駅を、
Thalys(タリス=フランス>ベルギー>オランダ>ドイツを繋ぐ高速鉄道)が、
ここを通過して、アムステルダムに入ることができるように、
地下を通過式の駅に改造して2007年にオープンしたものだそう。
いやいや、私が見たいのはこの部分ではなくて・・・、上へと上っていく。

Antwerp Central Station
正面に「美駅」の片鱗があらわれ始める。
ちなみに、(暗いけど)右エスカレーターでもわかるように、主要駅や主要建造物では、
銃装備のアーミーがパトロールして回っていた。
(この時点で、件のテロ事件から10日前。)
しかしその・・・、パトロール、警戒態勢の問題ではなくて、
根本的な犯罪情報収集力が、国に欠如していた結果というのが大半の見方。
UKはどうなんだろうか。
007で世界的に有名な、イギリス秘密情報部(MI6)が暗躍していることを祈るわ・・・。
世情を反映して、近年はインド系・アラブ系ルーツ、濃ゆいルックスの英人が、
「秘密情報部工作官」として活動しているのだそう。
「対ソビエト」の時代は終わったんだなぁ。

Antwerp Central Station
最上階で、プラットフォーム側を振り返る。
ここは、終着駅になっている本来のプラットホーム。

で、正面を見ると、

Antwerp Central Station
1895-1905年の10年間に渡って建造された、Louis Delacenserie設計の建築。
まだここは、入り口のようなもの。ここから、メインのホール部分に入っていく。

Antwerp Central Station
上のファサードを裏のホール側から見たところ。
基本的に同時代の建築なので、ロンドンの自然史博物館や、
V&Aにも相通じる19世紀末期のルネサンス・リヴァイヴァル様式といえるもの。
(19世紀特有の、なんでもリヴァイヴァル、
実際にはかなり混合様式で、何スタイルとは言い難いものだけれど)
ともあれ、この階段といい、シアトリカルでとてもステキ。

Antwerp Central Station
この後ルネッサンス様式を濃厚に取り入れた、「ルーベンスの家」などを見て回って思うに・・・、
16世紀後半~17世紀にかけて、アントワープに開花したルネッサンスが、
この駅のスタイルにも影響しているかも知れない(ウラなしの、私見。)

Antwerp Central Station
上のファサードの正面に当たる部分。
ここはチケット・カウンターとして使われているよう。

Antwerp Central Station

Antwerp Central Station
ホールの真ん中で、ドーム天井を観察。
44mの吹き抜けドームは、まるで大聖堂。

Antwerp Central Station
この列柱+ギャラリーの構成が、
建築デザインに奥行きを与えている。

Antwerp Central Station
装飾パネルには、それぞれ象徴的モチーフが紋章的に描かれているようだけれど、
これはヘルメスの杖。
ヘルメスは交通・通信も司っているので、それに由来するものかと。

Antwerp Central Station
ファサードの両サイドの部分。

Antwerp Central Station
グリーンとパープル・トーンの大理石のコントラストがキレイ。

Antwerp Central Station
外側面のファサード。

Antwerp Central Station
ここにも、ヘルメス的なる象徴が。

Antwerp Central Station
3番目の写真の最上階プラットホームは、高架橋の上にあたる。
外から見るとこんな感じで、この部分はまた別の建築家の設計だけれども、
同じく20世紀初頭のもの。
クリスタル・パレスや、博覧会建築の鋳鉄フレーム・ガラス張り建築と同様のもの。

Antwerp Central Station

Antwerp Central Station

最後に真正面ファサードを撮っていなかったので、借り物写真で。

Antwerpen Centraal station 12-07-2010 14-04-17
Photo by Paul Hermans via Wikimedia Commons.

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