Antwerp Central Station (アントワープ中央駅)
今回からは先月訪れたベルギー、アントワープのイメージを。
この街には、17世紀の建築を保存したミュージアムが3つもあって、2日かけて莫大な量の写真を撮ってしまって、いまだにポストプロセスに苦戦中。できてきたものから少しずつ標本箱に詰め込むとして、まず今回はアントワープ中央駅のイメージを。
FlickrやGoogle photoなどで、何度かこの駅の写真を見たことがある。いつも「たぶんヨーロッパでNo.1-2の美駅」と思いながら見ていた。
今回、ブラッセルとアントワープの真ん中にあるメヘレンに滞在していたので、アントワープまでは鉄道で20分程度。最初に撮影したかったのは、実はここの中央駅自体なのだった。
メヘレンからついた列車は、地下にあるこのプラットフォームに停まる。
これは、もともとターミナル駅だったこの駅を、
Thalys(タリス=フランス>ベルギー>オランダ>ドイツを繋ぐ高速鉄道)が、
ここを通過して、アムステルダムに入ることができるように、
地下を通過式の駅に改造して2007年にオープンしたものだそう。
いやいや、私が見たいのはこの部分ではなくて・・・、上へと上っていく。
正面に「美駅」の片鱗があらわれ始める。
ちなみに、(暗いけど)右エスカレーターでもわかるように、主要駅や主要建造物では、
銃装備のアーミーがパトロールして回っていた。
(この時点で、件のテロ事件から10日前。)
しかしその・・・、パトロール、警戒態勢の問題ではなくて、
根本的な犯罪情報収集力が、国に欠如していた結果というのが大半の見方。
UKはどうなんだろうか。
007で世界的に有名な、イギリス秘密情報部(MI6)が暗躍していることを祈るわ・・・。
世情を反映して、近年はインド系・アラブ系ルーツ、濃ゆいルックスの英人が、
「秘密情報部工作官」として活動しているのだそう。
「対ソビエト」の時代は終わったんだなぁ。
最上階で、プラットフォーム側を振り返る。
ここは、終着駅になっている本来のプラットホーム。
で、正面を見ると、
1895-1905年の10年間に渡って建造された、Louis Delacenserie設計の建築。
まだここは、入り口のようなもの。ここから、メインのホール部分に入っていく。
上のファサードを裏のホール側から見たところ。
基本的に同時代の建築なので、ロンドンの自然史博物館や、
V&Aにも相通じる19世紀末期のルネサンス・リヴァイヴァル様式といえるもの。
(19世紀特有の、なんでもリヴァイヴァル、
実際にはかなり混合様式で、何スタイルとは言い難いものだけれど)
ともあれ、この階段といい、シアトリカルでとてもステキ。
この後ルネッサンス様式を濃厚に取り入れた、「ルーベンスの家」などを見て回って思うに・・・、
16世紀後半~17世紀にかけて、アントワープに開花したルネッサンスが、
この駅のスタイルにも影響しているかも知れない(ウラなしの、私見。)
上のファサードの正面に当たる部分。
ここはチケット・カウンターとして使われているよう。
ホールの真ん中で、ドーム天井を観察。
44mの吹き抜けドームは、まるで大聖堂。
この列柱+ギャラリーの構成が、
建築デザインに奥行きを与えている。
装飾パネルには、それぞれ象徴的モチーフが紋章的に描かれているようだけれど、
これはヘルメスの杖。
ヘルメスは交通・通信も司っているので、それに由来するものかと。
ファサードの両サイドの部分。
グリーンとパープル・トーンの大理石のコントラストがキレイ。
外側面のファサード。
ここにも、ヘルメス的なる象徴が。
3番目の写真の最上階プラットホームは、高架橋の上にあたる。
外から見るとこんな感じで、この部分はまた別の建築家の設計だけれども、
同じく20世紀初頭のもの。
クリスタル・パレスや、博覧会建築の鋳鉄フレーム・ガラス張り建築と同様のもの。
最後に真正面ファサードを撮っていなかったので、借り物写真で。
Photo by Paul Hermans via Wikimedia Commons.
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