Rijksmuseum(国立博物館)2016, アムステルダム -3-
今回もRijksmuseum(ライクス・ミュージアム=国立博物館)の絵画のイメージを。
実はこれは前書きしていて、ただいまユーロスターでブラッセルズに向かっているところ。
ブラッセルズとアントワープの間にある町、Mechelen(メシェレン)で、現在開催中のEurantica(ユーランティカ)アートフェアに出展中のPおじさんに合流する。
今回、Pおじさんが、AirBnBでメシェレンの町中に、3ベッドルームのコテージを借りたので、ロンドンから私、パリからティエリー氏も合流。
お手伝いするか・・・というと、そういうわけでもなくて、半日会場と新作を撮影した後は自由行動なので、アントワープやブラッセルズを観光することにしている。
それにしても・・・AirBnBって、Pおじさん、なんでそんなに今時なことができるかというと、私の他にもう一人の(というか、向こうがメインの)Net秘書、Pおじさんのサイトを制作・管理してくれている、Webデザイナー・クリスおばさまの尽力。
私も興味本位で、初めて今回、AirBnBにアカウント作ってみたのだった。
あ、余談はこれぐらいで・・・だから、何が言いたいかというと、一応Mifi + PCは持っているけれど、ホテルじゃないので、どれぐらいのスピードでNetに繋がるか不明、だから・・・今週末まで、またまた標本箱は、基本的に出張モードでお休み中。 うまく繋がれば、フェアの最新近況をアップできる・・・かも、な状況です。
さて、本題の絵画の方は、今回のテーマは「インテリア」、あるいは「生活」とでもいったらいいか、現代だったらモバイルでスナップしてFlickrやInstagramにアップロードするような・・・、「リアリティのある絵画」というくくりで。
The Love Letter, Johannes Vermeer, c.1669-70
まずは有名ドコロ、ヴァミェー(フェルメール)の「ラヴ・レター」。
このドアの間から垣間見ている感が、今時のインテリア雑誌風(笑)。
これはこの後出てくるピーター・デ・フーチの影響をうけた構図と考えられている。
フェルメールって、ことごとく左から光が入る構成になっている。
右から光が入るというのは一枚も(知る限り)ないんじゃないかな。
Woman Reading a Letter, Johannes Vermeer, 1663
これもフェルメールの名作「手紙を読む女」。
フェルメール特有の深いブルーは、高価なラピスラズリ粉を顔料に使っているのだそう。
ディティール
Man Handring a Letter to a Woman in the Entrance Hall of a House,
Pieter de Hooch, 1670
フェルメールと同時代の画家ピーター・デ・フーチ(・・・というのは英語読みで、
ピーテル・デ・ホーホというオランダ式発音が日本語表記になっているよう。)。
フェルメールとも交流があったとされている。
この画家のパースペクティヴと奥行きが好きで、
じっと見ていたら、後で気がついたらフーチ(ホーホ)だったということがしばしば。
絵の向こうに、そのまま入っていってしまうような感覚が、
この画家の魅力。
Woman with a Child in a Pantry, Pieter de Hooch, c.1656-60
同じくフーチ(ホーホ)の作で、
パースペクティヴの達人ぶりを発揮した構図。
女の子の被り物Coif(コイフ)の刺繍が見事。
なので、これはお母さんじゃなくて、お手伝いさんに「のどかわいたー。」
と、水をもらっているところ。
A Mother Delousing her Chaild's Hair,
Known as "A Mother's Duty", Pieter de Hooch, c.1658-60
これもフーチで、子供の頭のシラミとりををしているお母さん。
その後ろのカーテンがかかった押入れのようなところがベッド。
想像だけれど、この奥の部屋が庭に面したキッチンで、
ちょうどこのべッドの壁の裏にファイヤー・プレイスがあるのじゃないかな。
つまり、キッチンの厨房の熱をベッド空間を温めるのに使っているような・・・気がする。
ここのお宅は、それほど上流階級でなくて、中流階級のお宅。
なので、大理石張りの床ではなくて、レンガタイル。
もしかすると応接室一室だけが、大理石張りかもしれない。
それでも、ちゃんと部屋には何枚かの絵画が飾られている。
Figures in a Courtyard behind a House, Pieter de Hooch, c.1663-65
フーチ好きなので、またもう一枚。
夏の日の裏庭風景。
The Milkmaid, Johannes Vermeer, 1660
有名ドコロ・フェルメールの「ミルクメイド」
このメイドさんのスカートも、見事なラピスラズリ・ブルー。
The Tailor's Workshop, Quiringh Gerritsz van Brekelenkam, 1661
はじめて聞いた名前だけど、やはり同時代の画家。
テイラーの仕事場を描いているのだけれど、その記録性がとても面白い。
話し合ってるのは親方とおかみさん。
窓際で丁稚君たちが篝縫いをしている。
窓に取り付けたテーブルというか、床というかその上に座って作業する。
テイラーなので、裁断の場合は、
この上に布を大きく広げることができるのだろう。
窓からの光も最大限活用できるようになっている。
そして、その下は物置(物入れ)になる。上手な空間利用。
こんな普通の職人さんのアトリエにも、ちゃんと絵が飾られている。
この頃の絵画の普及・需要の高さが、一連の「絵画」から読み取ることができる。
The Lutenist, Hendrick Martensz Sorgh, 1661
これも初めて聞いた名前。
カナル沿いのバルコニー風の部屋で、リュートを弾いて歌う人。
夏の午後だったら、爽やかで最高の環境。
机の下には猫もいるし^^。
Interior with a Woman Feeding a Parrot,
Known as "The Parrot Cage", Jan Havicksz Steen, c.1660-70
とっちらかった室内の騒がしい人々を描いている印象の強いジャン・スティーン
(オランダ語読みだと、ヤン・ステーン)。
ここではキッチンで、オウムに餌をやったり、猫にミルクをやったり、
男衆はバックギャモンで賭けてるのかな。
オイスターをグリルした、ランチを待っているところかもしれない。
このオランダ式の、ラグをテーブル・クロスにするというのが大好きで、
ウチのダイニングも、仕事部屋テーブルにもラグをかけている。
The Shop of the Bookdealer Pieter Meijer Warnars
on the Vijgendam in Amsterdam, Johannes Jelgerhuis, 1820
時代は150年一気に下って、19世紀の出版社、兼、書店。
本をオーダーに来た紳士と書店員。
本棚に掛かっているのは、さしずめ出版書籍の広告ポスターか。
外の雑踏が聞こえてくるような感じ。
最後にまた余談: 「ジュエリーデザイナーなのに、建築(インテリア)が好きなんですねぇ?」と、ブログをよく覗いてもらっているお客さんに尋ねられたことがある。「ええ、そうなんです。」
ウチの実父が生前、インテリア/ファニチャー・デザイナーのような生業をしていて、物心ついた時から眺めていたのが「室内」とか、イタリアの「Domus」などなどのインテリア雑誌。そのころ「The World of Interiors」がなかったのが、実に残念だけど(笑)。
小学校に行って絵の授業が始まると、即刻、実父にパースペクティヴ描法を伝授されるはめに(実父も少し奇人かも)。
それが今、スーパーワイドレンズで撮った写真の、ディストーションをフォトショップ修正するのにとても役立っている・・・とも言えるけども。 そんなわけで、デフォルトがパースペクティヴ奥行き好きなんですよね。
ではまた、帰ってきたら引き続き、ライクス・ミュージアムのイメージ続きますよ。
Museumstraat 1, 1071 XX Amsterdam
開館:毎日 9:00am- 17:00pm
(クリスマスも、New Years Dayも、国王誕生記念日もオープン)
入場料:大人17.5ユーロ、特別展とのコンバイン・チケットだと25ユーロ。
チケット売り場がかなり並ぶ、という話なので、E-チケットが推奨されている。
プリントアウトを持っていけば、そのまま直接館内入口に向かい、
係員にプリントアウトをスキャンしてもらうだけ。
チケット、プリントアウトを持っている限り、その日の内の出入りは自由。
毎回、入口でスキャンして入れてもらう。
地図:
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by KotomiCreations
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