Thursday, 25 February 2016

Tassenmuseum Hendrikje(バッグとパース博物館), Amsterdam -3-

予定外で第三部突入のTassenmuseum Hendrikje(バッグとパース博物館)。前回の続きで19世紀のビーズバッグのあたりから、話は引き続き・・・。
Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
ビーズ関連で少し話は遡るけれど、典型的なオランダの18世紀のバッグ、
というセクションのビーズバッグも目を引いた。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
1771年オランダ製の銀口金付き、ビーズバッグ。
(ビーズバッグ自体は19世紀のもの。)
上にリングが付いていて、紐やチェーンでベルトから提げて使うデザインが、
当時のオランダの典型なのだそう。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
装飾的な銀の口金は高価なもので、
母から娘へと受け継がれていった。
バッグのボディはその時々の流行に合わせて、
革製・ヴェルヴェット製・ダマスク織り製などのものに作り変えられたそう。
写真のようなビーズ織りのものは、19世紀初頭に制作されたもの。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
これも18世紀末から19世紀にかけて、
全ヨーロッパで使われていたchatelaine(シャテレーン)。
ペンやらハサミやらメジャーやら、便利グッズをいろいろ、
ジャラジャラチェーンに下げて、これをまたベルトに引っ掛けて持ち歩く。
スイス・アーミー・ナイフの女性版とでもいうか・・・。
ここにもビーズ編みのコイン入れが下がっている。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
上のシャテレーンは、スティールカットビーズ編み・・・のようだけれど、
シャテレーンのコイン入れでよく使われたのが、チェーン編みのもの。
初期中世の頃のチェーンメイル(鎖鎧)と基本的に同じようなもの。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
これは、19世紀末チェコ製・・・だったかな。
ジュエリーでも、スタンピングメタルパーツに、
ガラスカット石を使った、ブローチやバックルが
現在のチェコのエリアでよく生産されていた。
真ん中に使われているスタンピングメタルのパーツは、
ブローチにも使われるモチーフだったんじゃないかな・・・と思う。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
これはダマスク織のもの。
シトリン(?)とアメジスト(?)を留めつけた銀口金と、
生地の色味がよくマッチしていて、とても綺麗。

Bead bag with ornamental clasp, Germany, 1920-1930
これはもう20世紀、1920-30年頃のチェコまたはドイツ製。
デザインもアールデコやモダニズムを反映したもになっている。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
アール・デコといえば、こういったデザインが典型的。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
下にビーズ撚りではなくて、チェーンを下げているのは、
当時の、ちょっと量産品な感じがする。
口金のスタンピングも浅いし・・・。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
アール・デコの神、降臨的な・・・鉄板典型デザイン。
1915年フランス製、レザーにエナメル板貼り付けのイヴニング・バック。
朝の散歩と、昼のお出かけ、夜のお出かけ、
それぞれのオケージョンに合わせたバッグに持ち替えてでかけた。

Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
これも口金はアールデコ鉄板なデザインだけれど、
ボディはトラディショナルなレースワーク。
このコントラストがとても珍しい。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
19世紀の後半から、鉄道や旅客船での旅行が普及し始めると、
新たな旅行用バッグ・スーツケースの需要が増大する。
当時の紳士淑女は自分で荷物を引っ張って行ったりはしない。
すべて、使用人やポーター任せ。
なので、やたら重くて巨大な、化粧台一式箱詰め的ケースが一般的。
ルイ・ヴィトンなどは典型的にこの需要に乗って、出てきたブランド。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
現代の我々は、軽くて便利なMUJIのプラ・ボトル愛用してるんですけどね。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
どこへ行くにもティーセットなしでは出かけられない・・・、これはもしかすると、
イギリス製だったりして・・・。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
その、「ポーターさん荷物を運ぶ」のブリキおもちゃもコレクション入り。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
これもブリキおもちゃで、長靴を履いた・・・ハンドバッグ持参の猫。

Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
おもちゃの次は、子供用(通学用)バッグ。
日本にはランドセルという特有のバッグがあったけれど
(あれはよその国では見たことない?)
あの「ランドセル」の語源はオランダ語の「ransel(ランセル=ナップサック)」だったとは・・・、
はじめてWiki.jpで知った。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
自分的にとても「ツボ」だったのが、この木製通学バッグ(というか「箱」)。
素朴系のペインティングにソフト・ポイントあり。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
展示は続く、まだまだ続く。
この辺りは20世紀のイヴニングバッグ。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
で、やっぱり、ビーズ物を見ている。

Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
50年台の新素材、プラスチック製のバッグ達。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
今時は、こういうスマートフォン・カヴァーがあるような・・・(笑)。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
海物夏物のバッグ。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
なかなか素材感が面白かったりする。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
何でもありのデザインバッグ。
あぁもう勝手にやってください(笑)。

Collection from Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
最後は、21世紀のデザイナー製作の、18-19世紀の印刷物・カードを、
コーティングしたものをつなぎあわせた箱型バッグ。
時代は回帰する、しかし違う次元で・・・ってことかな。

Tassenmuseum, The Museum of Bags and Purses, Amsterdam
予想以上に濃い見応えのミュージアムでしたよ。


Tassenmuseum Hendrikje
(バッグとパース博物館)

Herengracht 573
1017 CD Amsterdam

毎日10:00 a.m. – 17:00 p.m.
入場料: 大人 12.5ユーロ
(祝日閉館等の情報は英文で<このページ>に)

map:





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