Monday, 23 November 2015

Mock 18th century painting - モドキ18世紀絵画

今年の秋はとても暖かくて、11月に入った感が全然なかったのだけれど、昨日あたりから突然気温は5°以下に。 ようやく、冬お気に入りのシープスキン(羊毛皮)のコート達が着れるようになって、冬の生き物はちょっと嬉しい^^。

そろそろ、クリスマス向けオーダーがEtsy, Amazon両ショップから出始めた。
何しろ2件のネット・ショップをキリモリするのは、実質初めてなので、Etsyで売れたものを送り出し準備して、呑気に風呂に入っていたら、まさかの同じアイテムが、2時間後にAmazonからもオーダーが入って、驚愕(つまり、真っ先にAmazonのリスティングから、それを降ろしておかないと、こーいううことになるわけですね・・・)。Amazonのお客様の方に平謝りでキャンセルしたり・・・と、スカタンぶりを発揮している、が、なんとか学習中。 
Amazonでキャンセルしてしまった(多分日本の)お客様、ごめんなさ~いっ!!(汗)

肝心の本題の方は仕事と別件で、以前も少し書いてたけれど、11月に入るとボチボチ、クリスマス・カードやプレゼント等などを作り始める。 友達・家族・親戚付き合いの殆ど無い、隠者共同体のウチは、クリスマス・プレゼントといっても2-3個の話なので、たいていは何かハンドメイドのものを作っている。
その中でも、例年一番ウケ狙いで力がはいるのが、夏の宿主・Pおじこと、ペーターおじさんへのプレゼント。 18世紀アンティーク・マニアの通人に、なんとか洗練されたオチョクリをかますべく、10月に入ると企画を練るのだった。
去年のクリスマスと、今年の夏の滞在時には、デルフト・コレクターのおじさんに「デルフトもどき」を、似顔絵入でぶちかましたところ<その話は、この標本箱で>、予想以上にウケたので、このクリスマスも、何か「18世紀もどき」のネタはないかと思案。
例年のパターンでいくと、まず11月初旬のPおじさんの誕生日に、似顔絵合成系のデジタル冗談・誕生日カードをメールする。
それを、今度はクリスマスにフィジカルな物に創りあげてしまう、というのが定例。

で、今年は、これを元ネタにすることに。

Le Chateau
ル・シャトーの2階のランディングに掛けられている18世紀絵画。
Pおじさんの、仲よしのグラダおばさまが、
Pおじさんの依頼で、おばさま地元のオランダのオークションで競り落としたもの。
2人共のお気に入りの絵画のようなので、ぢゃあ、このカップルを、
2人にすげ替えてしまおうではないかというプラン。
最初は、抱っこされている幼児を、
これまた2人と仲のいい、そしてこの夏は私達もドライブでお世話になった、
ティエリー氏にしてしまおうか・・・と思いついて、
考えただけで、夜中にひとりで吹いて笑っていたが・・・、
いやいや、それではけして誰にも喜んでもらえんでしょう・・・と思い改め、
無難に可愛いに決まっているプシャーをはめ込むことにした。

以前も書いたけれど、私は似顔絵とかカリカチュアは苦手なので、
すべて、写真を元にPhotoshop合成でつくり上げる。

Peter original photo
まずはPおじさんの写真で、元ネタと顔の向きの合うものを探しだす。
欲をいえば、光のあたり方も元ネタに近い方が、収まりがいいのだけど・・・、
写真がそんなにあるわけではないので、贅沢はいえなくて、ひとまずこれで。
最大の問題は、このPおじさんのもしゃもしゃの前髪。
これはClone Stamp(クローン・スタンプ)の20%ぐらいを使って、
ちまちま皮膚移植して取り除く。

Grada and Peter
グラダおばさまの方は、斜め横顔がこの一枚しかない。
顔の向きが違うのは、左右反転させて何とかする。

Pussier
プシャーはこの写真を顔と胸に使って、

pussier-left-paw
このポーを左右反転して、左手に、

Pussier-right-paw
このポーが、右手になる。
かなり縮小することになるので、フォーカス合ってないのはあまり問題なし。

で、これらを順番にレイヤーで元ネタに重ねていく。
Opacity(透明度?)を50%ぐらいにして、透かし見ながら、
元ネタと収まりがいいように、
サイズやアングルを、Edit>Free Transformで調整する。
(PCと写真は英語で始めたので、日本語が皆目不明・・・。)

収まりがよくなったら、Opacityを100%に戻して、
元ネタ絵画に全体のトーンが合うように色調節。
今回の場合は、それぞれの写真を絵画風にするために、
Filter > Filter Gallery > Dry Brushの加工をレイヤーでかけている。

後は、マメにいらない部分を消しこんでいく >Layer >Flatten Image
をかけて、jpgフォームで保存している。

さて、これが出来上がり~。

Peter birthday 2015
"Nog vele jaren"というのはオランダ語で"Many happy returns"
(何度も幸せがやってきますよう)という、
「誕生日おめでとう」の決まりセリフなんだけど・・・、
Google翻訳したので、あんまりオランダ語には自信なし。
案の定、プシャー激カワ、なんて真っ直ぐな目をするんだぁ(笑)。
グラダおばさまの首が、ちょっとぎこちなかったり、
Pおじの顔の光のあたり方が、奇妙だったりするのも・・・ヤムナシ。
まあ、こんなもんでしょうかね。

これを11月初旬の、誕生日eカードにしたら、ツボにはまって、激ウケ。
Pおじさん、そのまま、グラダおばさまにも転送する喜びよう。
ティエリー氏にまで転送されて、「こっちにもオリジナル画像送ってー!」
と氏から請求が来る。

ふふふ、君にはまた別のサプライズが用意されているのだよ。
ただし、クリスマスまで内緒だが・・・。
そう、この夏はティエリー氏にもさんざんお世話になったので、
なにか、ステキ化してあげたいところ。
夏のおみやげにフォートナム&メイソンのチョコレートで、
「Prince Charming」(ステキ王子)というタイトルで、
カエルの王子様の形になったチョコレートをプレゼントしたら、
大喜びだったので、思いついた,
Bonnie Princeなんていいんじゃないの?

というので、元ネタはこれにキマリ。

William Mosman - Prince Charles Edward Stuart
18世紀のWilliam Mosman 画、Prince Charles Edward Stuart.
Bonnie Prince Charlieボニー・プリンス・チャーリー
というのは、18世紀スコットランド・ジャコバイト党が掲げたプリンス。
カロデンの戦いでイギリス軍に敗走して、大陸に亡命するものの、
その後現在に至るまで、スコットランドでは人気のプリンスで、
数々の伝説・民謡のテーマになっている。
これなら、文句ないはず・・・ふふふ。

Summer party @ le Château
合成するのは、この夏のル・シャトーのパーティーで撮ったこの写真。
これまた、左右反転させて・・・・、
こんな風に出来上がる。

Bonnie Prince Thierry
Bonnie Prince Thierry
似・・・似合いすぎっていうか、パブの看板っていうか(笑)。
ちなみに、この写真にもドライ・ブラシのフィルターをレイヤーで入れて、
絵画調になるように調整している。

さて、ここまでが話の前半。
元のデジタル版はできあがった。
ここから、クリスマス・プレゼント、フィジカル版を作り上げる。
まずこれを、20cm x 30cmぐらいのサイズのキャンバス・プリントにする。
これは、Netで見つけた業者に発注。
業者を選んだポイントは、カスタム・サイズでプリントしてもらえること。
オリジナルの元ネタの、まさしく縮小版にしたいので、ここがポイント。

1週間ぐらいで出来上がってきた。

しかし、デジタル・プリントはつや消しに仕上がってくるし、
なんだかこう、厚みがない。 そこで・・・、

Applying acrylic medium
アクリル絵具の透明メディウムを塗って、筆のタッチを出すことにする。
今ちょうど、Pおじさんとグラダおばさまにメディウムを塗ったところ。
黒い背景のべったりした感じが、プリントしただけの状態。

Applying acrylic medium
プリントがややパープルっぽく仕上がっていたので、
その色調をとるべく、ほんの僅かにイエローを混ぜた、メディウムも塗ってみた。

Applying acrylic medium
筆のタッチを出したかったので、ストラクチャー・ジェル・メディウムをメインに、
ほんの僅かに、イエロー・オーカー系のティントをかける。
艶が出過ぎるので、最後にサテンのコーティング剤を塗って、艶をおさえている。
全体に3回、乾かせてはペイント、を、繰り返している。

Applying acrylic medium
こちらは、ステキ王子ティエリー。
メディウムを塗ると、キャンヴァス・プリントの少し白けた様な感じに、
ぐっと深みが出て、本当の油彩っぽくなっていく。

Christmas presents finished
よく乾かせて、出来上がり。

あとは、Pおじさん御用達フォートナム&メイソンの、
ダブルチョコ・ビスケットを買ってきて、一緒に送るだけ。
そろそろ、クリスマスの準備もできてきた。







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