Mock 18th century painting - モドキ18世紀絵画
今年の秋はとても暖かくて、11月に入った感が全然なかったのだけれど、昨日あたりから突然気温は5°以下に。 ようやく、冬お気に入りのシープスキン(羊毛皮)のコート達が着れるようになって、冬の生き物はちょっと嬉しい^^。
そろそろ、クリスマス向けオーダーがEtsy, Amazon両ショップから出始めた。
何しろ2件のネット・ショップをキリモリするのは、実質初めてなので、Etsyで売れたものを送り出し準備して、呑気に風呂に入っていたら、まさかの同じアイテムが、2時間後にAmazonからもオーダーが入って、驚愕(つまり、真っ先にAmazonのリスティングから、それを降ろしておかないと、こーいううことになるわけですね・・・)。Amazonのお客様の方に平謝りでキャンセルしたり・・・と、スカタンぶりを発揮している、が、なんとか学習中。
Amazonでキャンセルしてしまった(多分日本の)お客様、ごめんなさ~いっ!!(汗)
肝心の本題の方は仕事と別件で、以前も少し書いてたけれど、11月に入るとボチボチ、クリスマス・カードやプレゼント等などを作り始める。 友達・家族・親戚付き合いの殆ど無い、隠者共同体のウチは、クリスマス・プレゼントといっても2-3個の話なので、たいていは何かハンドメイドのものを作っている。
その中でも、例年一番ウケ狙いで力がはいるのが、夏の宿主・Pおじこと、ペーターおじさんへのプレゼント。 18世紀アンティーク・マニアの通人に、なんとか洗練されたオチョクリをかますべく、10月に入ると企画を練るのだった。
去年のクリスマスと、今年の夏の滞在時には、デルフト・コレクターのおじさんに「デルフトもどき」を、似顔絵入でぶちかましたところ<その話は、この標本箱で>、予想以上にウケたので、このクリスマスも、何か「18世紀もどき」のネタはないかと思案。
例年のパターンでいくと、まず11月初旬のPおじさんの誕生日に、似顔絵合成系のデジタル冗談・誕生日カードをメールする。
それを、今度はクリスマスにフィジカルな物に創りあげてしまう、というのが定例。
ル・シャトーの2階のランディングに掛けられている18世紀絵画。
Pおじさんの、仲よしのグラダおばさまが、
Pおじさんの依頼で、おばさま地元のオランダのオークションで競り落としたもの。
2人共のお気に入りの絵画のようなので、ぢゃあ、このカップルを、
2人にすげ替えてしまおうではないかというプラン。
最初は、抱っこされている幼児を、
これまた2人と仲のいい、そしてこの夏は私達もドライブでお世話になった、
ティエリー氏にしてしまおうか・・・と思いついて、
考えただけで、夜中にひとりで吹いて笑っていたが・・・、
いやいや、それではけして誰にも喜んでもらえんでしょう・・・と思い改め、
無難に可愛いに決まっているプシャーをはめ込むことにした。
以前も書いたけれど、私は似顔絵とかカリカチュアは苦手なので、
すべて、写真を元にPhotoshop合成でつくり上げる。
まずはPおじさんの写真で、元ネタと顔の向きの合うものを探しだす。
欲をいえば、光のあたり方も元ネタに近い方が、収まりがいいのだけど・・・、
写真がそんなにあるわけではないので、贅沢はいえなくて、ひとまずこれで。
最大の問題は、このPおじさんのもしゃもしゃの前髪。
これはClone Stamp(クローン・スタンプ)の20%ぐらいを使って、
ちまちま皮膚移植して取り除く。
グラダおばさまの方は、斜め横顔がこの一枚しかない。
顔の向きが違うのは、左右反転させて何とかする。
プシャーはこの写真を顔と胸に使って、
このポーを左右反転して、左手に、
このポーが、右手になる。
かなり縮小することになるので、フォーカス合ってないのはあまり問題なし。
で、これらを順番にレイヤーで元ネタに重ねていく。
Opacity(透明度?)を50%ぐらいにして、透かし見ながら、
元ネタと収まりがいいように、
サイズやアングルを、Edit>Free Transformで調整する。
(PCと写真は英語で始めたので、日本語が皆目不明・・・。)
収まりがよくなったら、Opacityを100%に戻して、
元ネタ絵画に全体のトーンが合うように色調節。
今回の場合は、それぞれの写真を絵画風にするために、
Filter > Filter Gallery > Dry Brushの加工をレイヤーでかけている。
後は、マメにいらない部分を消しこんでいく >Layer >Flatten Image
をかけて、jpgフォームで保存している。
さて、これが出来上がり~。
"Nog vele jaren"というのはオランダ語で"Many happy returns"
(何度も幸せがやってきますよう)という、
「誕生日おめでとう」の決まりセリフなんだけど・・・、
Google翻訳したので、あんまりオランダ語には自信なし。
案の定、プシャー激カワ、なんて真っ直ぐな目をするんだぁ(笑)。
グラダおばさまの首が、ちょっとぎこちなかったり、
Pおじの顔の光のあたり方が、奇妙だったりするのも・・・ヤムナシ。
まあ、こんなもんでしょうかね。
これを11月初旬の、誕生日eカードにしたら、ツボにはまって、激ウケ。
Pおじさん、そのまま、グラダおばさまにも転送する喜びよう。
ティエリー氏にまで転送されて、「こっちにもオリジナル画像送ってー!」
と氏から請求が来る。
ふふふ、君にはまた別のサプライズが用意されているのだよ。
ただし、クリスマスまで内緒だが・・・。
そう、この夏はティエリー氏にもさんざんお世話になったので、
なにか、ステキ化してあげたいところ。
夏のおみやげにフォートナム&メイソンのチョコレートで、
「Prince Charming」(ステキ王子)というタイトルで、
カエルの王子様の形になったチョコレートをプレゼントしたら、
大喜びだったので、思いついた,
Bonnie Princeなんていいんじゃないの?
というので、元ネタはこれにキマリ。
18世紀のWilliam Mosman 画、Prince Charles Edward Stuart.
Bonnie Prince Charlie(ボニー・プリンス・チャーリー)
というのは、18世紀スコットランド・ジャコバイト党が掲げたプリンス。
カロデンの戦いでイギリス軍に敗走して、大陸に亡命するものの、
その後現在に至るまで、スコットランドでは人気のプリンスで、
数々の伝説・民謡のテーマになっている。
これなら、文句ないはず・・・ふふふ。
合成するのは、この夏のル・シャトーのパーティーで撮ったこの写真。
これまた、左右反転させて・・・・、
こんな風に出来上がる。
Bonnie Prince Thierry
似・・・似合いすぎっていうか、パブの看板っていうか(笑)。
ちなみに、この写真にもドライ・ブラシのフィルターをレイヤーで入れて、
絵画調になるように調整している。
さて、ここまでが話の前半。
元のデジタル版はできあがった。
ここから、クリスマス・プレゼント、フィジカル版を作り上げる。
まずこれを、20cm x 30cmぐらいのサイズのキャンバス・プリントにする。
これは、Netで見つけた業者に発注。
業者を選んだポイントは、カスタム・サイズでプリントしてもらえること。
オリジナルの元ネタの、まさしく縮小版にしたいので、ここがポイント。
1週間ぐらいで出来上がってきた。
しかし、デジタル・プリントはつや消しに仕上がってくるし、
なんだかこう、厚みがない。 そこで・・・、
アクリル絵具の透明メディウムを塗って、筆のタッチを出すことにする。
今ちょうど、Pおじさんとグラダおばさまにメディウムを塗ったところ。
黒い背景のべったりした感じが、プリントしただけの状態。
プリントがややパープルっぽく仕上がっていたので、
その色調をとるべく、ほんの僅かにイエローを混ぜた、メディウムも塗ってみた。
筆のタッチを出したかったので、ストラクチャー・ジェル・メディウムをメインに、
ほんの僅かに、イエロー・オーカー系のティントをかける。
艶が出過ぎるので、最後にサテンのコーティング剤を塗って、艶をおさえている。
全体に3回、乾かせてはペイント、を、繰り返している。
こちらは、ステキ王子ティエリー。
メディウムを塗ると、キャンヴァス・プリントの少し白けた様な感じに、
ぐっと深みが出て、本当の油彩っぽくなっていく。
よく乾かせて、出来上がり。
あとは、Pおじさん御用達フォートナム&メイソンの、
ダブルチョコ・ビスケットを買ってきて、一緒に送るだけ。
そろそろ、クリスマスの準備もできてきた。
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