インテリア・デザイナー、澤山乃莉子さんのショウルーム撮影
ロンドンと日本を繋いで活躍中の、インテリア・デザイナー澤山乃莉子さん (Noriko Sawayama Design & Associates Ltd.)から、先日、自宅ショウルーム撮影の依頼があった。
今回は、その時の写真からのセレクション。
澤山さんの得意とするスタイルはひとことで言えば「eclectic」エクレクティック(折衷様式)ということになる。
などと、知ってる風に書いているが、この言葉は実際のところ、彼女のブログで初めて知った言葉。
たしかに、20世紀までにさまざまなデザイン・様式も出きってしまって、21世紀に何かできるとしたら、今までにあったものを、いかに組み合わせてエンハンスするか、より効果的に見せるか・・・ということしかないのではないかな、と、私自身感じていたので、彼女のコンセプトにもとても共感できる。
撮影にお邪魔した自宅ショウルームが、光に満ちた美しくて、そして和める空間なので、コンセプトよりも何よりも説得力あり。
この天井の高い、見事なロフト空間は、このアパートメントが、もともとは学校の建物だったため。
Conversion(コンヴァーション=転用)と呼ばれるタイプの住居で、ここのように学校や、倉庫、オフィス、教会、使われなくなった駅舎などなど・・・U.K.ではありとあらゆる建物が、転用・改造されて住居として販売される。
なにしろ古物好きの英人達なので、建物の外観は昔風、そして内部は暮らしやすいモダン・スタンダードに作りかえられたこのようなコンヴァーション住宅は、いつでも人気がある。
以前はXXだった、昔はXXとして使われていた、というような建物は、一段と英人の「人とは違った、私達だけのパーソナルな家」という、ソフトポイントをとてもくすぐる。
なので、学校だった建物をコンヴァーションしたフラット、というだけでまず「あー、いいなぁー」という目になることうけあい^^。
ダイナミックな15feet(4.5m)の天井高を生かして、ベッドルームはロフト部分に設定されている。
リヴィングダイニングのスペースは、この吹き抜け部の部屋に。
アーティスティックなシャンデリアが映えるも、このスペースならでは。
家具は大半が、澤山さんのデザイン。
右奥がオープン・スタイルのキッチン。
ロフトの バルコニー部分から見たところ。
日本の場合、部屋が狭いので、ソファはとにかく壁際に・・・というレイアウトになりがちだけれど、
部屋が広い場合、こんな風にソファで区間を区切り、コーナー作りをする。
なので、ソファの後姿というのも、重要なポイント。
キッチン側からリヴィング・コーナーを見たところ。
両側の壁に窓があるので、明るい!!
和風のものとコンテンポラリーデザインが、引き立てあう、
エクレクティック・スタイルのエッセンス。
モノトーンと、メタリックなテクスチャーをテーマ付けたディスプレイ。
ディティールに興味津々。
ロフト2階部のメインベッドルームは、フレンチ・スタイルで統一。
ショールームとして、部屋ごとにテーマを変えた、インテリア・コーディネーションが展開されている。
左右対称にスタンドライトで高さを出し、フォトフレームなどの小物を重ねていくつも置くことで、
アレンジメントに奥行きを出す、というインテリア・デコレーションのお手本のような、ステキなディスプレイ。
深みのあるディスプレイ額の中には、昔のピアノの楽譜が丸めて納まっている。
思い出の詰まった、アート作品。
ベッドルーム2はお嬢さんの部屋。
この部屋は、ヴィンテージ・スタイルを基本に、ファブリックでカントリーの要素、
リズム感のある額のディスプレイで、ポップな要素を付け加えて。
壁際の小さな空間も、身の回りのものをアレンジするだけで、かわいいディスプレイ・コーナーに。
この部屋を、最も性格づけるこのチェスト。
フランスのアンティークなのだけれど、もともとは食料品店で豆を販売するためのものなのだとか。
正面のガラス張りの部分に、豆のサンプルを入れておくそうだ。
ドライフラワーや落ち葉を入れて、ナチュラルに。
吹き抜けのリヴィング・ダイニングを見下ろす、ロフトのバルコニー部分。
その横の廊下部分にも、アート作品と、日本の古典文様が共存。
バルコニー部の奥にある、ベッドルーム3は、ゲスト・ルームで、
レトロ・ヴィンテージ・スタイルのコーディネーション。
コージーな落ち着いた部屋。
撮影とお喋りがつきなくて、気がつけば黄昏時。
ライティングが灯ったところもまた印象的。
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