2日目のドライヴ、の続き― Brittany Drive (ブリタニー・ドライヴ)
夏のブリタニー・ドライヴ2日目の、後半。
途中通りがかった、Berrien(べリアン)の村の教会でいったん停車。ティエリー氏が「ここに古いカルヴァリーがあったはず。」というので、それなら、ぜひ見てみたいもの。
Calvary(仏語:calvaire)というのは、公共の場に建造されたモニュメントで、特にゴルゴダの丘のキリスト磔刑をテーマにしている。
ブリタニーで、特に立体的で複雑な彫刻に進化していったもの。聞いたことはあるけれど、実際に見たことはまだなかった。
ここの教会はちょうど閉まっていたけれど、話の上手なティエリー氏、近くにいた村の人に尋ねたら、これまた親切な田舎の村の人は、管理人のおばさまを呼んできてくれた。それで、教会をまず見せてもらった。
これが、そのべリアン村の教会、Eglise Saint Pierre(聖ピエール教会)。
中世からルネッサンス期にかけて、
教会の天井はたいていブルーに彩られていた。
その中に星や天使などが描かれて、「天界」を具現したものだった。
18世紀以降、カソリックの教会でも、天井は白く塗られることが多い。
この片田舎の教会では、まだ天井を青く塗る伝統が続いているもののよう。
18世紀と19世紀の彫像。
18世紀の素朴な聖母子。
振り返ってみると、入り口のエリアのパネリングが美しい。
フォトジェニック~。
この後、そのカルヴァリーの建つ墓地に向かう。
ここにはカルヴァリーが2つ建っていて、
ひとつは教会の近く、ちょうど塔の下あたりに写っている。
ピエタの形をとっていて、後ろに同時に十字架にかけられた、
2人の盗賊が描かれている。
もうひとつは、敷地の端の方に建っている。
磔刑像と聖母とヨハネ。
素朴で、でもとてもエモーショナルな表現。
カルヴァリーといえば、<こういう>ステージ状になった、
大型のものを考えていたのだけれど、
大型のものは、ブリタニー半島のもっと先の、
半島先端部地域で作られたらしい。
管理人のおばさまにお礼を言って、
また車に乗り込み、どんどん内陸部へ入っていく。
海じゃなくって、湖のほとりのHuelgoat(ウェルグアト)を通過。
えぇ、ここも観光地なので、駐車場なんて空いてない。
その教会の前にも、カルヴァリーが建つ。
丘を越え、田舎道を走る・・・んだけれど、
頻繁にブロカンテの看板に一時停車。
ブロカンテというので停まったみたら、
腐った納屋状態だったりもする。
(ほんとに奥の方から腐敗臭がするので退散。)
ドライヴ・・・、
ブロカンテ、
ドライヴ、
ブロカンテ、
エナメルポットが満載。
ここは巨大なスペースだったけれど、値段設定がやや高め。
けしてバーゲン価格ではない。
ティエリー氏、その中から、18世紀の扉を破格値でゲット。
店の人も気づいていない、ただの古い板材と思っていたらしい。
そしてまたドライヴ。
Josselin(ジョスリン)に着いたのは、もう5時前。
Danaさんと私は、もうちょっと疲れてきたので、
早く宿にチェックインしたいのだけれど、
元気なティエリー氏は、ここでも車を停めて、
古い町を一回りすることに。
「幸いなことに」シャトーは(公開しているけれど)、閉館時間。
あー、もー、宿に帰りたいよぅ~。
それでも、まだ町が美しいので写真に撮る。
この後「もう宿に入りたい―。」と激しく主張して、
ピクニック夕食はやめて、宿にデリご飯を密輸入する。
UKだと、宿でティクアウェイご飯などを持ち込んで食べるのは、
問題ないけれど、フランスはNGだそう。
しかし、疲れてるし、汚したりゴミを出さなければ問題ないと、
私が断言(笑)、強硬断行する。
2日目の宿はステキなところなので、
「寝に帰る」だけではもったいなさすぎ。
こんな素敵なところで、密輸したデリご飯を、おいしく食べる。
もちろん、ゴミはまた翌朝コッソリ車に積み込んで出発。
痕跡が残らなければいいのさ。
これはティエリー氏の方の部屋。
う・・・可愛すぎるやろー(笑)。
ここは元水車小屋だったところが、改装されたもので、
いまでも古い水車が保存されている。
このお宿はここ:
Chambres d'hôtes Le Moulin de l'Arz
次回もドライヴ3日目続きます。
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