Thursday 22 September 2016

Abbaye de Beauport-2 (ボーポール修道院-2)- Brittany Drive (ブリタニー・ドライヴ)

また、プチ修羅場をのりこえていて、標本箱更新が止まっていたけど、第一弾プチ修羅場クリア。
明日また第二弾プチ修羅場があるので、ちょっとまだ不定期更新だけれど、夏のブリタニー話は続きますよ。(季節はすーーーっかり秋なんだけどね。)

Abbaye de Beauport (ボーポール修道院)のrefectory(レフェクトリー=食堂)だったエリアから。

Abbaye de Beauport, Brittany
この壁、というか・・・窓のエリアは、
頂点が丸いノルマン/ロマネスク様式の窓なので、
(先の尖ったゴシック窓より)古い時代のものではないかと思う・・・。

Abbaye de Beauport, Brittany
あちこちに建物と建物をつなぐ部分の石組みも残っていて、
そこに植物を植え込んでガーデン風に構成されている、ステキ空間。

Abbaye de Beauport, Brittany

Abbaye de Beauport, Brittany
旧レフェクトリーの廃墟を外側から見たところ。

Abbaye de Beauport, Brittany
手前に見える門柱から先(つまり立ち位置の後ろ側)が、
修道院の庭だった(というか、菜園、果樹園だったと思うけど)ところ。

Abbaye de Beauport, Brittany
果樹園とワイルドフラワー・ガーデンになっている。

Abbaye de Beauport, Brittany


Abbaye de Beauport, Brittany
Île Saint-Riom(サン・リオム島)が、庭園の先に見えている。
この島もかつては、この修道院の所領だったそう。

Abbaye de Beauport, Brittany

庭から引き返して、レセプションのある建物に戻る。
ここの上階で公開されている、19世紀のアパートメントを、時間決めのガイド・ツアーで見学した。
これは、1992年に保存団体に売却されて以来封印されていたアパートメントを、修復に先立って、現状のまま、残されていた品々とともに、現代アーティストのインスタレーションも加えて(これ、個人的にない方がずっといい・・・と思った、余計な企画)、公開するというエキジビション。
知らなかったのだけれど、幸運なことに、たまたま私達の訪れたのはオープンからの9日後だった。

この背景を少し。
フランス革命後、修道院が解散されて、敷地は3つに区画されて売却された。
1840年に、Melanie Morand(マルレーネ・モランド)と、夫のCount Napoleon Poninski(ナポレオン・ポランスキー伯)が、ここのアパートメントを購入して、ネオゴシック・スタイルに改装して、夏の別荘として使う。
後年、末裔が他の区画も購入して、修道院廃墟全体が一つの物件に戻された。
1992年に老朽化したまま売却されるまで、夏の住居として使われていて、壁は次々に貼られた壁紙がレイヤー状態になっている。
19世紀以来各時代に、キャビネットの中に残されていた備品が、今年2016年にすべて登録されて、今回の公開となった。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
左のレセプションの建物の隣にくっついている、
この建物の、上階がアパートメント。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
階段を上がって、エントランスへ。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
応接室、

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
の、見事な暖炉。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
ベッドルームの一つ。
なんというかこの、廃墟っぷりが、
Pおじさんの作品だとか、ル・シャトーを思わせるのだけれど・・・(笑)。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
これがその「掘り起こされた」レイヤーになった壁紙。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
白の漆喰壁が一番下。
その上にフレーム枠入風景画が繋がるパターンのもの。
(もう一つ上の写真が解りやすい)
これは・・・18世紀末か、
19世紀中頃のポランスキー伯夫妻の改装のときなのかな?
その上のイエローオーカーXダークレッドの方かな?
その上に、これは多分20世紀前半の頃の、アイリスの花柄が、
全体を覆っている。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
もう一つのベッドルーム。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
19世紀以来、残されていたものたち。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
バスルームのキャビネット。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany


FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
バスルーム。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
ドローイングルームか?。
暖炉は18世紀風。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
下地に張り込まれた新聞は1850年のもの、
なので、そのすぐ上のダークグリーンの残る壁紙が、
ポランスキー伯夫妻の改装のものかと。
その上にまたイエローオーカー系の壁紙がはいって、
表面は1950年代っぽい感じ。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
雰囲気あるけど、修復の必要が差し迫っている窓辺。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
バスルームを覗いたところ。
ここにはキッチンの痕跡が見当たらなかった。
もしかすると下階にあったのかもしれないけれど。
あるいは、フリー・スタンディングのプロパン・ガスの、
オーブン付コンロが使われていて、
それはもう取り除かれていた(?)のかも。
(アテンダントの学生君は、全く知らないようだった。)

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
キッチン物も残されているので、
きっとどこかがキッチンだったはず。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
1933年のラズベリー酒(シロップ???)と、レーベルに記入されている。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
ネオ・ゴシック・スタイルのダイニングルーム。
これはポランスキー伯夫妻の改装。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
ここの壁紙も見もの。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
多分一番下の風景パネルのものが19世紀中の改装のもの。
(う~ん、あんまりいい趣味とは思えないけど・・・笑。)
その上に、後年2レイヤー重ねられている。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
ふふふ、ちょっとキッチュ。
コンチネントは18世紀がスタイルの頂点で、
19世紀には(革命や動乱の影響かと思うけれど)スタイルがどんどん崩れていく。
Pおじさんやティエリー氏が18世紀愛好家なのは、そのせい。
イギリスはヴィクトリア時代が文化の頂点なので、
(それまでは、コンチネント模倣の田舎臭さがどことなく感じられるけど)
19世紀に比較的スタイリッシュで美的なものを、生み出しているのだった。

FLAT-WITNESSES exhibition - Abbaye de Beauport, Brittany
最後に、ダイニングルームのパネルのディティール。




Abbaye de Beauport
(ボーポール修道院)

Kérity, 22500 Paimpol, France

Map:




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