Museum Mayer van den Bergh(マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)-1-
話は再び3月のアントワープに戻ってきて、今回はMuseum Mayer van den Bergh(マイヤー・ファン・デン・ベルグ美術館)のイメージを。
相変わらず英語読みしか出来ないので「メイヤー・ヴァン・デン・バー・ミュージアム」と読んでいたけれど、Wikiに日本語ページがあったので、カタカナ表記が判明。Googleに発音させると「ベルへ(喉にひっかかった"へ")」のような発音のよう。
このミュージアムは、19世紀の美術コレクター、フリッツ・マイヤー・ファン・デン・ベルフのコレクションを、1901年に彼が乗馬事故でなくなった後、彼の母のヘンリエットが博物館を建ててコレクションとともに、1904年からプライベート・ミュージアムとして、限定公開したもの。その後1924年から、一般公開が始まった。
訪れているときは、17世紀の屋敷にしてはレイアウトが、なんとなく不自然なので、その後ミュージアム用に改装されたものか?・・・と考えていた。 このエントリーを書くのに下調べして、初めて、全くの19世紀の建造物だと判明。なるほど・・・・。
そのミュージアムの正面。
ゴシック・リヴァイヴァル様式の建物、ということになるけれど、
正面は完全に17世紀だと思い込んでいた・・・。
エントランスホールと階段。
真ん中に掲げられた肖像画が、フリッツ・マイヤー・ファン・デン・ベルフ
この方。事故で亡くなる年に描かれた肖像画。
元々は、中世~ルネッサンス期の工芸品やコインのコレクターだったのだけれど、
1892年頃から、中世絵画にコレクションの中心が移行していく。
その頃各地の主要博物館・美術館が、中世美術に関心を向け始めた頃で、
彼のコレクションは、時代を先取りしていたとも考えられている。
最初の展示室。ここも、ギルト・レザーの壁・・・、
なものだから、17世紀の建造だと思いこんだ次第。
Portraits of the Vekemans family by Cornelis de Vos, ca 1625.
(フェケマンス一家のポートレート)
左右の子どもたちは、ドレスを着ているけれど息子たち。
19世紀頃まで、男の子でも幼いうちはドレスを着せられていた。
なので、髪型や持ち物で、ぼっちゃん、嬢ちゃんが判断される。
さて、そのギルト・レザー。
およそ60x90cmのパネルがスタンダードサイズとなっている。
これは、牛一頭のハイド(革)のサイズに由来する。
このレザーを型押しして、(金彩に見えるけれど)銀箔を施し、その上から着彩される。
黄色いワニス・コーティングを塗り、銀箔地がゴールド色に仕上げられる。
主にスペインで生産されたものだったので、
スペイン・ハプスブルグ領だったローランド地域(オランダ、ベルギー)で、頻繁に目にする。
(何度も書くけれど、イギリスではそれほど例がない。
イギリスではオーク材の木製パネリングがこの時代のインテリアの主流なのだった。)
次の部屋は中世の祭壇画を中心に、展示されている。
木彫のゴシック天使達。
暖炉のタイルは、デルフトかな。
隣の部屋に中世美術の展示は引き続く。
13世紀初頭に制作された、キリストとヨハネの彫像。
最後の晩餐のシーン。
そう、ジーザス先生にしだれ掛かっている青年がいたら、
それは「主に愛されし弟子」ヨハネなのだった。
詳細が不明だけれど、祭壇画「キリストの復活」。
「キリスト生誕」。
どちらかと言えば、インテリアの方に興味津々。
ゴシックな暖炉に、
再びデルフト・タイル。
ウッドパネリングのキャビネットに、ステンドグラス。
途中の廊下になった部分に、チャーミングな17世紀静物画が数点。
このガラスの表現が秀逸・・・。
そしてこれも。
クローズアップで。
次回も、このミュージアムから続きますよ。
Museum Mayer van den Bergh
(マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館)
Lange Gasthuisstraat 19
2000 Antwerp
開館:火~日 10:00am~5:00pm 月・閉館。
入場料 € 8 (各種割引詳細は英文で<このページ>)
地図:
おまけヴィデオは、なぜだかやたら景気のいい、
ここのミュージアムのプロモーションビデオ。
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