Saturday, 16 May 2015

Imperial Treasury Vienna (ウィーン宝物館) -3-

足はまだビッコひき気味だけど、不思議なことに泳ぐのは平気(ただし、いつも平泳ぎ)。 捻挫のリハビリに水泳はいいそうなので、ご近所ジムに久しぶりに行ってみたら、水の中はとても快適でセラピューティック。 ジムのメンバーになっててよかった・・・と思った次第。 しかし、疲れてきている体のサインがわからず、すぐに「やり過ぎる」性分なので、自重気味に・・・(笑)。

Imperial Treasury Vienna (ウィーン宝物館)から最終回は、コスチュームやら刺繍やらファブリック関連のものを。


The Alba
The Alba
ビザンティン好きの私の目が吸いよせられたのがこれ。
「アルバ」と呼ばれる、皇帝の戴冠儀式用のローブ。
赤い布に、純金糸とパールの縫い取りがされた胸当ての部分は、
12世紀にさかのぼるものと考えられている。
まさしく、ビザンティン期そのもの。
白いローブ本体は、18世紀に修復されたものだそう。

From Imperial Treasury Vienna
Tunicella (チュニセラ)。
これもステキすぎる・・・私が着たいぞ。
そして、V殿下に見せるとまずい。また、こんな服の発注が出るので、マズイ。
これは、上のアルバの下に着るもので、
刺繍パネルは13世紀にさかのぼると、考えられている。

From Imperial Treasury Vienna
袖のパネルのクローズアップ。
ビザンティンのコスチュームでも、パール刺繍はたいてい幾何学パターン。
こんな風に曲線的にモチーフを描いたものは、かなり珍しい。

The Gloves
The Gloves. (儀式用手袋)。
これも、金糸、エナメル、パールで装飾されている。

The Stola
The Stola (ストーラ) image source: Kunst Historisches Museum Wien
これは、撮りそこなったので、借り物写真。
イメージはクローズアップで、実際には6mの帯状のもの。
ビザンティン皇帝のLoros(ロロス)に匹敵するものだと思う。

Mantle
Mantle (マント) image source : Kunst Historisches Museum Wien
これまた、借り物写真で、金糸、パール刺繍のマント。
これを一番上にはおる。
以上の神聖ローマ皇帝戴冠式コスチュームは、
同時に企画して制作されたものではないけれど、
12-13世紀のシシリアのPalermo(パレルモ)で作られたもの。
神聖ローマ皇帝・Heinrich IV(ハインリッヒ4世)が、
シシリアのRoger II(あぁ・・・もうわからない、英語式でロジャー2世っていうことにする)
の娘と婚礼した折に、もたらされたもの。
ちなみに、このシシリアはノルマン人が征服していたので、
イギリスを征服したノルマン人とは親戚なんだよね。

さて、出来上がりはこんな感じ。

Ludwig Streitenfeld 001
image source : wiki common
Franz II, Holy Roman Emperor (later Emperor Franz I of Austria),
wearing the imperial regalia of the Holy Roman Empire.
painted by Ludwig Streitenfeld, 1874
19世紀のフランツ2世着用の図。
これはしかし・・・重かろう。
ルネッサンス期の20-30kgのフルメタルの鎧もナニだけど、
この戴冠式のご衣装というのも、ほとんど身動き取れないと思う・・・。

From Imperial Treasury Vienna
詳細不明の手袋。

From Imperial Treasury Vienna
The Archducal Gown (大公のガウン) 1764.
これも、ビザンティンなスタイルが気に入って撮ったけれど、
まったく時代の下った、18世紀のものだった・・・。

Mantle of the Royal Hungarian Order of St.Stephen
Mantle of the Royal Hungarian Order of St.Stephen 1764
聖ステファン・ハンガリー王国騎士団(騎士団でいいのかな?日本語?)
のマント、の部分。

Mantle of the Imperial Austrian Order of Leopold
Mantle of the Imperial Austrian Order of Leopold 1808
レオポルド・オーストリア帝国騎士団のマント。

Mantle of the Austrian Imperial Order of the Iron Crown
Mantle of the Austrian Imperial Order of the Iron Crown 1815-16
アイアン・クロス(鉄十字)オーストリア帝国騎士団のマント。

Mantle of the Austrian Imperial Order of the Iron Crown
そのディティール。

Mantle of the Austrian Emperor
Mantle of the Austrian Emperor 1830、Vienna.
オーストリア皇帝の戴冠式マント。

Mantle of the Austrian Emperor
刺繍が見事・・・・。

Mantle of the Austrian Emperor
そして、タッセルの重量感。

同じく、フランツ2世着用の図。

Francis II, Holy Roman Emperor by Friedrich von Amerling 003
つまり、神聖ローマ皇帝の戴冠式には12世紀由来のご衣装で、
オーストリア帝国皇帝の戴冠式は、このご衣装、ということのよう。
で、たしか、オーストリア・ハンガリー帝国・・・だったと思うんだけど、
ハンガリー王の戴冠ご衣装は、また別にあるのだろうか???
あぁ・・・コンチネント(大陸)の歴史複雑すぎ・・・。

Mantle of the Coronation Vestments of the Kingdom of Lombardy-Venetia
Mantle of the Coronation Vestments
of the Kingdom of Lombardy-Venetia 1838
ロンバルディア・ベネチア王国戴冠衣装。
まだあった、私の歴史脳ではついていけないもの・・・。
確か、ナポレオンが大陸をムチャクチャにしてくれて、
その後、いろいろな王国が形成されて・・・の一環で、
たしかベネチア-ロンバルディアが
オーストリア帝国に併合された・・・んじゃなかったかな。
間違ってたら、失礼・・・。

Mantle of the Coronation Vestments of the Kingdom of Lombardy-Venetia
歴史はおいておいて、刺繍が見事。


The Cradle of the King of Rome (Napleon II) 1811 Paris
その、私の大嫌いな(笑)ナポレオンの2度目の后となった、
神聖ローマ皇帝フランツ1世の娘Maria Luisa(マリア・ルイーザ)の間の息子、
ナポレオン2世(ローマ王)の幼児用ベッド。
(あ、コスチュームとは違うけれど・・・)
とんでもなく大仰なインペリアル様式、
でも、赤ちゃん用、という落差がちょっと可笑しい。

Part of Christianing Set, donated by Maria Theresa
Part of Christianing Set, donated by Maria Theresa 1757 Vienna
18世紀に戻って、マリア・テレジアの贈った洗礼用セットの一部。
Joseph II (ヨーゼフ2世)の皇女の洗礼式に、
1度使われただけなのだそう。
ここでもパール刺繍が引き継がれている。

Part of The Liturgical Vestments of the Order of the Golden Fleece, Alter Antependium
Part of The Liturgical Vestments of
the Order of the Golden Fleece,
Alter Antependium1425-1440 Burgundian
羊毛騎士団の儀式用祭壇掛布の一部。
時代は15世紀前半にさかのぼる。

Part of The Liturgical Vestments of the Order of the Golden Fleece, Alter Antependium
最後に、そのディティール。
刺繍というか、もはやタペストリーの域。




Imperial Treasury Vienna (ウィーン宝物館)

ヴィジター・インフォメーション <このページ

地図:


このページ>で、館内が公開されている。



なんとか、8月のノルマンディーまでには、ヴィエナの写真を終わらせて、少しはロンドンに戻ってきたいかなー、というので、サクサク更新してきたけど、また来週ぐらいから撮影が入ってくるので、ペースダウンしそう。 またいつもの、月・金・更新になりそうですよ。

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