Saturday 2 August 2014

San Martino Cathedral, Lucca(ルッカ大聖堂)


今回もイタリア・トスカナ地方、ルッカのイメージで、ルッカ大聖堂。
正式にはSan Martino Cathedral、聖マルティノ(=マーティン)大聖堂と呼ばれていて、例のマントをわざわざ半分に切って施している聖人さん、聖マーティンに捧げられた教会。


San Martino - Lucca Cathedral
駅から一番最寄りの通路から城壁を越えると、
一番先に目につくのが、このルッカ大聖堂の裏手のApse(アプス)の部分。
「おおぉ~、ロマネスク」と、つい小走りに近づく。

San Martino - Lucca Cathedral
ぐるっとまわって、これが正面ファサード。
もともと町の警護用の塔だったものに、
13世紀にこの大聖堂がくっつけて建造され、
その時に塔の上2階も付け足された・・・と、
どこかで読んだけれど、ソースを思い出せない。
ま、とにかくそういうことなので、ファサードが塔に
めり込んでいる感じで、ちょっと不思議。

San Martino - Lucca Cathedral
また、ここでもマントを切る、ご本尊・マーティン氏。

San Martino - Lucca Cathedral
San Michele in Foro(フォーラムの聖ミケーレ/ミカエル)でもそうだったけれど、
白/グリーン大理石のインレイと、彫刻が濃厚。

San Martino - Lucca Cathedral
中に入ると、比較的近年に修復されたと思われる、
天井画が華やかに目を引く。

San Martino - Lucca Cathedral
その天井画。
イタリアン・ゴシック・・・なんだろうな。

San Martino - Lucca Cathedral
外観はロマネスクで、このtransept(翼廊)部分はゴシック。

San Martino - Lucca Cathedral
壁面絵画のフレーム・ワークはネオ・クラシカル、と、
いろいろな時代様式のコラージュというのは、
古い教会には、ありがち。
この中の、絵画の一つが・・・、

San Martino - Lucca Cathedral
Tintorettoティントレット)「最後の晩餐」(1590年)。
最後の晩餐を飯屋でとっている・・・かのように、
関係ない授乳中の女性がいたり、
料理を運んできた(?)おやじさん等、いろいろ参加中。
こてこてしさが、ほとんどもうバロック。

San Martino - Lucca Cathedral
奥の宝物庫的な一角にあった、華麗な聖母子は、
Ghirlandaio (ギルランダイオ)作。

San Martino - Lucca Cathedral
その聖母子の上段に描かれた、ピエタが印象的。
Vincenzo Fredianiという15世紀末期の画家の手になるもの。


San Martino - Lucca Cathedral
これは、裏付けが全くわからないけれど、
中世末~ルネッサンス初頭の、板絵の磔刑像。

San Martino - Lucca Cathedral
これも資料見つからずの、聖母子祭壇画。

San Martino - Lucca Cathedral
入り口を入ってすぐ左手に、
このShrine of the Sacred Face of Lucca(ルッカの聖なる顔の祠)がある。

通常Holy FaceとかVolto Santo(イタリア語=ヴォルト・サント)というと、(「聖おにいさん」でも、よく出てくるように・・・笑)、聖骸布だったり、ヴェロニカちゃんのヴェールだったりするのだけれど、ここのルッカのHoly Faceは独特の伝説があるそう。
中世の伝説によると、この中にある磔刑像は、親キリストのファリサイ派ユダヤ人で、処刑後のキリストの遺体引き取リを手伝ったとされるNicodemusニコデモ)の手になるもの。天使のお告げに従って、彼はレバノン杉を切り出して彫刻をはじめたのだが、その顔は、ニコデモが眠っている間に、天使が彫って、彼が目覚めた時にはすでに完成していた・・・と伝えられている。
この像がルッカにたどり着いたのが742年でなのだけれど、そのたどり着く過程が、これまた全くの「奇跡」というか、「磔刑像の勝手な意思」というか・・・、聖地の洞窟に隠されているのを、啓示の夢に導かれた司教が見つけ出し、船に乗せたら漕ぎも帆も上げていないのに海を渡り、トスカナのLuni(ルニ)の港にたどり着く。
ルニ市民が降ろそうとしても、その手をかいくぐって、勝手に牛車に乗って、ルッカの町までやってきたそう・・・。
そんなにルッカに来たかったこの磔刑像、以降ルッカの宝とされて、「ルッカのヴォルト・サント」と呼び習わされている。

Volto Santo de Lucca.JPG
"Volto Santo de Lucca" by Joanbanjo - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

私は、外側の祠の構造ばっかり見てて
(因みに、制作はチビターリ師匠こと、Matteo Civitali(マテオ・チビターリ))
肝心の像を撮ってない(というか、フェンスが細かくて、その上暗くて、
多分うまく撮れなかった・・・と思う)。
なので、Wikiからの借り物写真。

FrescoTranslationVolto Santo.jpg
"FrescoTranslationVolto Santo". Via Wikipedia.

これもWikiからで、磔刑像、力ずくでルッカにやって来るの図。


San Martino Museum - Museo dell'Opera della Cattedrale
道を隔てた隣に、ここのお宝博物館がある。
共通チケットを買ったので、ここも見て回った。

San Martino Museum - Museo dell'Opera della Cattedrale
濃ゆい・・・お宝、

San Martino Museum - Museo dell'Opera della Cattedrale
とても好きかも・・・笑。
そのヴォルト・サントに奉納された、17世紀のジュエリー。

San Martino Museum - Museo dell'Opera della Cattedrale
最後に、博物館からアクセスできる、
Church Of Saint John and Reparata



San Martino Cathedral, Lucca
(ルッカ大聖堂)

Piazza Antelminelli 55100 Lucca

公開時間・入場料等はイタリア語で<このページ>に。

地図:

View Larger Map












Labels: