Gustave Moreau (ギュスターヴ・モロー)美術館と絵画 -1-
昨日の標本箱で、Gustave Moreau(ギュスターヴ・モロー)の「天使」を展覧して・・・思い出した。まだモローを標本箱に詰め込んでなかった。
いつものごとく簡単な解説はリンクのWikiのページにお任せするのだが、ラファエル前派と並んで、彼の絵画は私のお気に入り、というか、一番好きな画家かもしれない。神秘的、耽美的、装飾的、私のテイストのすべてにティックが入る・・・。彼が後半生を過ごしたパリのアトリエ兼自宅が現在は「ギュスターヴ・モロー美術館」として公開されている。以前も2度訪れたことがあるのだが、今年の春パリに滞在した折に「最強」のデジタル一眼レフ持参で再訪。丸一日環境に浸りこみながら、写真を撮って廻った。
今日と明日ははまず彼の絵画を2回に分けて、そのあとデッサン、そして彼の死後そのままに保存されている私室のイメージを、トータル4回に分けて展覧してみよう。
背後にあるストーリーをWikiで見つけたのでリンクしておいたが・・・彼の絵画の場合、テーマはもはやあまり意味を成さず、ただただ折り重なっていく装飾的なディティール自体が「主題」だったのではないかと・・・いつも思う。
デティールをコラージュで。私にはとても「ビザンティン」と感じられるのだが・・・・。
Jupiter et Semele (ジュピターとセメレー)ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
同じテーマ。上の絵の前段階のアイディア・スケッチ風。
Le Poete Voyageur (旅の詩人) ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
Hesiode et les Muses (ヘシオドスとミューズ) ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
Les Muses Quittent Apollon, leur Pere, pour Aller Eclairer le Mondo
(世界に啓蒙を与えるべく、父アポロの元から旅立つミューズ達・・・拙訳) ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
The Unicorns (一角獣)ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
しかし、こうやって全体像を見るだけでは、彼の絵画の半分しか見ていないのも同然・・・。ディティールが命。
まるでレースの襞のように折り重なる・・・。
そして、愛らしいチャーミングさもディティールで初めて目に留まる。
L'Apparition (出現)ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
これは、チャーミングというよりは、緊張感の高いミステリアスなドラマ性だが・・・、
19世紀末の耽美主義小説、ユイスマンスの「さかしま」に描かれて以来、彼の代表作として後世に定着した作品。
モロー自身このサロメのテーマに傾倒していて、何度もいろいろな構図、表現で描いている。
Salome (サロメ)ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
ディティール。
サロメ伝説のWikiリンクを付けておいたが、19世紀末の耽美主義ムーヴメントの中で、男の身を滅ぼさせる「Femme fatale(運命の女)」の原型の一つがこのサロメ。
時代性もあるが、生涯独身であった彼特有の女性観も反映しているのではないかと思うのだが・・・どうなのだろうか?
明日も引き続き、彼の絵画をギュスターヴ・モロー美術館より。
Labels: アート/デザイン
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