私の家
少し脳が腑抜けていて、論理思考の左脳がストライキ気味。難しい話は抜きで、適当にふにゃふにゃ、身の回りの生活環境を標本箱に詰め込んでみよう。
出窓の中にIkeaの棚を2本入れて、そこにMDFボードを渡して作業台にしている。
暖炉は実際に火を入れて使っていたこともあるのだが、家具やら小物があふれかえって、いまや物置状態。いつでも散らかっている・・・。
下の写真の右側ディヴァン(ソファ)の上にかかっているのは、15年近く前に製作したパピエマシェ作品(日本語で言うと、張子。新聞紙が原材料)。個展で売れずに・・・海外引越しにまで、持参する羽目に・・・。
なにしろ「お飾り物」が好きなので(ご存知のことかと・・・笑)、ミニマリズムの対極でマキシマリストを自称。部屋の中も白い壁が見えると、なんだか落ち着かない。さりとて、昨日のピーターシャム・ナーサリーズで売られているような雑貨を詰め込めるほどの、潤沢な預金残高でもない。モノをつくるのはなんでも好きだし、たいていのものは「それ風」には作ってしまえるので、大半がハンドメイド。
左上はベルギーの土産物屋で買ってきた15センチ角程度の、バイユータ・ペストリーのコピーと、ゴブラン風カーテンの端切れを縫い合わせて作った「タペストリー」。ベッドの上に掛かっている。
その下は、フラットを買って引っ越してきたときにすでについていた、作りつけキャビネットの扉が、安っぽい合板だったので、壁用ペイントを塗って、ステンシルで中世風に。右の中段上もタペストリーに見えるが、実はステンシルのペイント。
左下はチャリティー・ショップで入手した、キプロス土産の絵皿。遠くから目を細めてみると・・・全体的にウィリアム・ド・モーガンの皿に見えなくはない(笑)。
右下はウィリアム・モリスの挿絵本のリプロを、羊皮紙風のテクスチャーの紙に白黒コピー。部分的にゴールドペイントを入れて、周りをちぎり、火で少し焦がしたものを、マット・ゴールドの紙の上に張り込んで、Ikeaの安い額に入れたもの。安い額も、黒く染めて、ゴールドを少しのせると、遠目には安物には見えない。(この、遠目には・・・というのが、私の製作の原点ともいえる・・・か?)
80年代にこの家が改装されたときに導入されたキッチン。引っ越してきたときのまま。コンテンポラリー好きの人なら、すべて引っぺがして入れ替えてしまうであろうキッチンユニットも、アンティーク・カントリー風好きの我々が引っ越してきたもので、30年の命を永らえている。
イギリスのアパートはFlat(フラット)と呼ばれる。日本のマンションのような、最初から集合住宅として建てられたBlock of flats(集合住宅)もあるが、それ以外に、もともとは一家族の住宅として建てられた、日本式に言うところの6-8LDKといった大型の家が、フロアごとに分割され、それぞれにキッチン・バス・トイレを付けて一つのアパートにして売買されるものもある。都市部のフラットは大半がこのタイプで、コンヴァーション・フラット(転用住宅)と呼ばれる。うちもその典型的な例。1898年築の3階建てのレンガ造りの建物が、上下3軒に分割されている。我が家は最上階。なので、まず正面の共同ドアから入って、2階に階段を上がったランディングに、うちのドアがある。そこを入ると、いきなり、また3階へ上がる階段。60センチほど低いレベルにまずキッチンがあり、その上にリヴィング、ベッド、バスルームがある。イギリス式の呼び方で、1Bedroom Flat(1ベッドルーム・フラット)日本式にいうと、1LDK ということになる。
下の写真で、左から、ベッドルーム、リヴィング、バスルームの入り口が見える。天井に見える四角い板は屋根裏への入り口。梯子をかけて上る。あまり使わないものをしまっておく倉庫として使っている。
けして大きな家でもなければ、豪華な内装でもないのだけれど、イギリス人曰くところの「家は城」、まさしくその通り。ここで日々楽しく過ごしている。
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