Saturday 1 September 2018

Restoring Delft plates (デルフト皿の修復)

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東京展示販売会のお知らせ

exhibition-dm-sept-2018
会期まで、トップに広報活動入ります~。
お時間あれば、ぜひ覗いてみてくださいね。


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さて、今回の本題。
Pおじさんは、昔からダッチ・デルフトのコレクターで、
その昔はキャビネット一杯にコレクションしていたそう。

Peter's first house in Residence 1991 Nov.-3-
おじさんの最初の家、アムステルダム郊外の、通称「リンデンの家」。
左のキャビネットには、18世紀クリームウェアを中心に、
右のキャビネットに、ダッチ・デルフトがぎっしり。
(記事は、オランダのインテリア雑誌「レジデンス」1991年11月号より。
Article : Dutch magazine, "Residence" 1991 Nov.)

それ以降2度の引っ越しで、家のサイズがだんだん大きくなって、
現在、コレクションは、ル・シャトーのあちこちに点在しているのだけれど、
皿ものは主に、キッチンの壁にまとめてディスプレイされている。

Perfect French Country book12
こんな感じで。
(記事は、「Perfect French Country」より、photo by : Jan Baldwin)

今年、オランダのオークションで買った、
2枚の30cm越しの、ペアのデルフト皿をディスプレイするのに、
色々レイアウトを変えていた所に、問題は端を発するのだった。
以前、皿ディスプレイ用に使っていた、
ワイヤーハンガーが、今回の皿には小さすぎたので、
ワイヤーを継ぎ足して留めたのだそう。
それが、どうやら皿の重量に対して、強度不足で、
設置して何週間かたってから、落下。
その下にあった2枚の皿と、
小さなカップ2つを巻き添えにして、コッパミジンに・・・。


Danaさん(@norikoalchemy/Instagram)撮影編集のミニヴィデオ。

この段階ではまず、集められるだけ集めた破片を、
Danaさんと一緒に、3つの皿+2つのカップに分類して、
テープで仮留めしている。
これがなかなかのジグソーパズルで、ハマると楽しい。
それでも小さな破片は、どこかに吹っ飛んでいってしまったのか、
ところどころ、空白の部分あり。

この週はとにかく暑くて、連日の30℃超え。
一同、ほとんど裸ん坊で過ごしておりました。

で、ここまでが修復の第一段階。

そうこうするうちに数日後、ペアで飾ったもう一方の皿も落下。
あーぁ、もう、たいがいな被害(泣)。

Delft restration
この分は、一枚の皿なので、分類・仮止めせずにそのまま糊付けする。

ここでまず、「どんな接着剤を使うのか?」ということになると思う。
今まで、自分的には、セラミックの修復はエポキシ接着剤と、
エポキシパテで、と理解していた。
Pおじさんの修復方法は、ミュージアムの修復方法に準じているそうで、
使うのは「ホワイト・グルー」、つまり酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤、
簡単にいうと「木工用ボンド」!!
なぜかというと、今後将来どのような進歩した修復技術が開発されるかは、
現在ではわからないので、水溶性の接着剤を使い、
将来、必要とあれば、もう一度水に浸して解体して、
修復し直すことができるようにするためなのだそう。
なので、ミュージアムではこの方法が採られるのだそう。

私の修復中に、足りないピースがあったので、
やむなくその部分を開けて繋いだら、後から、
ナイフ・ブロックの後ろに落ちているのが出てきたことがある。
そこで、完成した皿の、その穴の空いた一角を水につけること30分、
もう一度外して、見つかったピースを入れて、繋ぎ直し。
この修復方法の意義を、とても納得したのだった。

ただし、耐水性はないので、ディスプレイ専用の修復方法で、
修復して再使用したい・・・という場合には適してはいない。

ともあれ、木工用ボンドで、修復完了。

もう一つの皿を、修復しているところを、
再びDanaさんが、ヴィデオに編集したもの。



接着剤を両方の断面に、たっぷり塗って、
強く接着して、はみ出した分を湿した布で拭い取って、
残った水分を、ティッシュで拭き取ってから、
マスキング・テープで仮貼りする・・・を、ちまちま繰り返していく。
性格的に向いてるかも(笑)・・・な、作業。

で、結局3枚の皿を修復して、
もう一枚は、おじさんの友人のアランさんが、
知り合いの修復師に頼んでみようかな、というので、
断片のまま、彼にあげてしまったようす。

おじさん的には、この出来事、もちろんショックなんだろうけれど、
完品としての価格価値というよりは、
ディスプレイとしてのヴィジュアルに、価値をおいているようなので、
そして、なにしろ、シャビーシックというか、
荒れたテクスチャー好きなので、
修復されたものもまた良し・・・としているようなところがある。
結構淡々としているのだった。

一方、イギリスでは真ん中がバネで、多少のサイズ調整ができる、
ワイヤー・ハンガーが主流なので、eBayで買って、ル・シャトーに送っておいた。
こんなもの。

Capture

これも皿の厚みによっては、うまく掛からなかったりするので、
使えるのかどうかは、試してみないとわからないのだけれど、
うまくいくといいね。

次回からは、3月後半のヴェニス旅行の写真と、ノルマンディー話しが、
あ、そして、ジュエリー等の話が・・・、
ごちゃ混ぜで入って来るような予定ですよ。












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