Thursday 22 December 2016

Royal Museums of Fine Arts of Belgium(ベルギー王立美術館)-3-

Royal Museums of Fine Arts of Belgium(ベルギー王立美術館)の最終回は、Fin-de-siecle(世紀末美術館)のイメージを。
オールドマスターズ館で、のんびり写真を撮っていたら、気がついたら3時を過ぎている。
5時半頃のユーロスターなので、駅には4時半頃には着いていたい。美術館最寄りのブラッセルズ中央駅(歩いて6分ぐらい)から、預けている荷物を引き上げて、電車で2駅移動して・・・などと逆算していくと、4時前にはここを出たほうがいい。
Magritte(マグリット館)、Fin-de-siecle(世紀末館)がまだ残っているけれど、この際優先順位を付けてFin-de-siecle(世紀末美術館)の、学生時代好きだったFernand Khnopff(フェルナン・クノップフ)から見ていって、後は時間と相談で成り行きで・・・とおもって、世紀末美術館と思われる方向に移動。
これが最初特別展のエリアに向かっていて、間違いに気がついて引き返し、地下通路を抜けて階段を降りて、でもそこはまだマグリット館で、そこからまた、地下通路を抜けて階段を降りて・・・・入口を見つけて入ろうとすると、「バッグはロッカーに預けてください。」と止められる。だから、「ロッカーどこにあるねん~?」とキレれそうになったけど、入り口の横のくっらぁーいエリアにちゃんとありました。
ロッカーは無料だけれど、まず2ユーロか1ユーロのコインを投入する必要がある(後でロッカーをオープンしたときに、コインは戻ってくるシステム)。で、またモソモソ、サイフを出してコインを探して・・・あったからよかったけどね。(ない場合は、入り口の係員に頼むと代用コイン状のものを貸してくれるようだ。帰り際に「代用コイン返してもらえましたか?」とか聞かれた。「借りてないよ」まったく・・・。)
やっと入場して「クノップフはどこに展示されてるの?」と尋ねたら、「-8だから、一番下です。」ちょっと-8にクラクラきたけど、考えてみたらその入口はすでに-3なので、後5フロア降りればいいわけか・・・と、エレベーターを待てずに階段をドスドス降りる。
メザニン(中2階)構造になっているので、実質は2フロア半降りるぐらいのものだった。
そしてやっとクノップフ作品にに対面。

The Caress, Fernand Khnopff
The Caress(愛撫), Fernand Khnopff
ライオンじゃなくて、パンサー型のスフィンクス。
クノップフの横長(縦長)の画面の構成と、
絵画の装飾性が好きなんだと思う。

A blue wing, Fernand Khnopff
A blue wing(青い翼), Fernand Khnopff
チョーク画の下絵(?)の方。

A Blue Wing (The Blue Wing), Fernand Khnopff
A blue wing(青い翼), Fernand Khnopff
油彩画の方。
世紀末の頃は日本の浮世絵等の影響が強くて、
空間に「空き」のある、左右非対称なバランスの
構図がトレンディだったけれど、
クノップフもその典型的な例。

Under the tree, Fernand Khnopff
Under the tree(木の下), Fernand Khnopff
チョーク(チャコール)のモノクロームが
基盤にあって、そこに微妙に色彩が入る、
グレーィッシュなトーンも好き。
北ヨーロッパの冬の空気が感じられる。

Portrait of H.M. Prince Leopold of Belgium, Duke of Brabant, Fernand Khnopff
Portrait of H.M. Prince Leopold of Belgium, Duke of Brabant
(王太子ブラバント公レオポルドの肖像), Fernand Khnopff
ほとんどモノクロームの中にアクセント的に
カラーが入る、クノップフならではの描写。

Detail
クローズアップ。
こんなに少女漫画系(笑)に美しいはずがない。
王太子だからって美化してるな、クノップフ・・・
と思っていたけれど、レオポルド3世の写真をググってみたら、
そっくりのなかなかお美しい方でした・・・。

The Fairly Queen, Fernand Khnopff
The Fairly Queen(神仙女王), Fernand Khnopff
ラファエル前派的なるテーマと描写と思ったら、
実際に交流があって、イギリスでも展覧が催されていたのだそう。
そういうわけで、バーン・ジョーンズもここに入っている。

Psyche's Wedding, Edward Coley Burne-Jones
Psyche's Wedding(プシケの婚礼), Edward Coley Burne-Jones
バーン・ジョーンズ作品本では、よくお目にかかるけれど、
ここに入っていたのか・・・。

The dead Orpheus, Jean Delville
The dead Orpheus(死せるオルフェ), Jean Delville
アクの強いデルヴィル作品の中では、
一番静謐で美しい、私のお気に入り。

Detail
クローズ・アップ。

Satan's treasures, Jean Delville
Satan's treasures(サタンの宝物), Jean Delville
アクの強い方のデルヴィル作品。

The Angel of Splendours, Jean Delville
The Angel of Splendours(輝天使), Jean Delville

Detail
クローズアップ。
「被り物」のせいかバリのコスチューム的な印象。

A Carcass, Gustav Adolf Mossa
A Carcass(屍), Gustav Adolf Mossa
神秘的というよりは不可解をテーマにしているかのような、
モッサの作品の中でも、静謐な不気味さの漂う作品。
死神達が魂を「お焚きあげ」しているかのような。

The Masks, Francoise Decorchemont
The Masks(仮面), Francoise Decorchemont
世紀末のアール・ヌーヴォー様式の工芸も収蔵展示されている。
いわゆる・・・ガレなどと同時代の影響下の作品。

No title, Antonin Daum
No title(無題), Antonin Daum

The Nature, Alphonse Mucha
The Nature(自然), Alphonse Mucha
ミュシャのブロンズ作品。
ブロンズ色とマラカイト石のコントラストがキレイ。

Untitled
そのミュシャのポスターが展示されている、
家具の展示コーナー。
もうこのへんで時間切れ。
ブラッセルズは来年も2回来る予定なので、
その時にまた続きを見てみたいと思うのだった。


Royal Museums of Fine Arts of Belgium
(ベルギー王立美術館)

Rue de la Régence /
Regentschapsstraat 3
1000 Brussels

Map:







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