Musée des Arts Anciens, Namur (古代博物館、ナミュール)
今回は、ナミュールで私が唯一見ることのできたミュージアム、Musée des Arts Anciens (古代博物館)のイメージを。
地域史博物館と合体していて、入り口を入ってすぐの建物は地域史。
そこでは、メダルの歴史(?)というような、
ここナミュールとどこが関連しているのか、
よくわからない企画展がもよおされていてた。
それも、ざーっと見てみたけど、
なんだかイマイチ、インスパイアされるものがなかった。
そこで、次に中庭を通って、この古代博物館に移動。
入った最初の部屋は、中世工芸・・・というか、
主に聖遺物関連の展示。
レリカリー(聖遺物)イメージは自分的にライフワーク(?)なので、
ぐっと盛り上がる。
展示は激暗い部屋で、撮影はちょっと苦戦中。
Phylactere(仏語:フィラクテー)と呼ばれる、一種の容器。
12世紀中頃~13世紀中頃に北ヨーロッパで、
主に制作された。
時々フランス系の博物館で見かけるもので、
実際何に使われたのかは、まだ私には調べがついていない。
フィラクテーと言うのは中世絵画で「セリフ」が、
スクロールになったもののこともこう呼ばれるので
(コミックスの「フキダシ」も、フィラクテーということになる)、
祈りの語句を封じたもの(一種の「呪」)なんじゃないかな・・・、
というのはウラ無しの想像。
ただ単にReliquary(レリカリー=聖遺物)と記述されている場合もあるので、
その違いは、私にはまだよく解っていない。
その、13世紀前半のフィラクテー豪華版。
「聖ハーバートのフィラクテー」と記されていた。
クローズアップ。
祈りの語句を封じたもの・・・というか、
この周りに記された文字が、
聖句ということなのかもしれないな・・・。
その裏面。
明らかに「容器」になっていて、
リモージュ七宝の蓋が付いている。
この中に聖ハーバートの聖遺物が収められているのかと。
Pyxides(ピクシード/ピクシダー)と呼ばれる容器。
13世紀リモージュ製。
これも初期の聖遺物容器だったのかと。
これに似たものは大英博物館にも幾つか所蔵されている。
再びフィラクテー、聖マーティンのフィラクテー1230年
聖アンデレの歯のフィラクテー・・・というからには、
歯が収まってるんだろうな。
タイトルを撮り忘れたけれど、再びフィラクテー。
レリカリー・クロス、1230年。
容器になっていて、中に聖遺物が収納されている。
クローズアップ。
フィリグリーとか石留めに興味津々。
聖ペテロの肋骨の聖遺物、1238年。
珍しいフォルム。
このあたりの聖遺物の信憑性はちょっと怪しいけど、
ま、伝説ということで・・・。
Blessing Hand(祝福の手)のフォルムの聖遺物容器。
手があるかと思えば、足もあった。
聖ブレーズのレリカリー、1260年。
中身も足の骨だったのかな?
自分にとって「親しみやすい」フォルムのレリカリー。
13世紀後半のもの。
クローズアップ。
そのまた中に、聖句の刻まれたロケットが下げられている。
ヴァーズ型のレリカリー、13世紀。
レリカリー・モンストランス、13世紀。
4つの聖遺物の詰め合わせセット。
タワー型の容器、1260年。
クローズアップ。
その他、象牙彫の聖母子像。
木彫の聖母子像、13世紀後半。
などなど・・・、13世紀ものにすっかり釘付けになっていたけれど、
15世紀前半の受胎告知の木製パネル、
そのクローズアップ、や、
初期16世紀の、キリストの幼少期と受難を描いた、
立体レリーフの木彫パネルが、目を引いた。
ルネサンス期の展示室。
最後に、コートヤードを。
Musée des Arts Anciens(古代博物館)
Hôtel de Gaiffier d’Hestroy
Rue de Fer, 24
5000 Namur
火~土曜 10-18時開館。
地図:
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