Antica展- Peter Gabriëlseの箱彫刻
今回は先週末撮影に行っていた、ベルギー、Namur(ナミュール)のAntica(アンティカ)展での、ペーターおじさんの新作を中心に。
このフェアは3月参加のMechelen(メヘレン)
Eurantica(ユーランティカ)展と同じ主催組織。
ナミュールのアンティカ展の方が歴史が古いそうで、
今回は40周年記念。
おじさんのブースはメヘレンより少し間口が狭い。
今回は展示作品23点のうち、1/3の8点が新作。
なかなか、力が入っている。
その新作の数々が以下に。
B139 55 x 38 x 15 cm
金箔貼りのオーナメントの断片に合わせて、
金と鈍い赤のコントラストを生かした作品。
ディティール。
B140 71 x 45 x 14 cm
チョコレートっぽい色味の、図書室箱。
デティールが細かくて、吸い込まれるように見入ってしまう。
いつでも図書室箱は人気で、
今回も真っ先に売れて行ってしまった。
B141 79 x 64 x 17 cm
鮮やかなブルーに彩色されたゴシック装飾の
見事なこの箱は、扉が閉じるようになっている。
扉を閉じると、普通の古風なキャビネット。
中に部屋ができあがっているとは想像もつかない。
その中には、階段とテーブルと、小さなジーザス先生。
教会のバックルームの様。
B142 85 x 57 x 17 cm
豪華なバロック装飾のフレームの中には、
木製の重たげな緞帳と、小さなステージ。
側面に貼られたテクスチャーの入った鏡が、
スポットライトを微妙に反射している。
B143 88 x 51 x 14 cm
窓とテーブルと階段のあるグレイの箱。
階段の上にも本が散らばっている。
B144 60 x 30 x 11 cm
箱の上半分のイガイガは、ウールを作るのに
羊毛を梳く作業で使われたもの。
その過激(?)なテクスチャーの下には、
和やかな音楽室の風景。
B145 44 x 40 x 14 cm
古いテクスチャーの入ったミラーで作られた部屋とフレーム。
古い鏡が好きなので、この作品は私のお気に入りの一つ。
B146 61 x 26 x 11 cm
グレイがかった、水色とクリーム色のコンビネーションの額は、
おじさんの作品では珍しい2トーン。
中に立つ装飾的な柱も、同様の水色とゴールド。
小型だけれど、すらっと背の高いプロポーションがエレガントで、
上のB145とともに目を引いた、チャーミングな作品。
と思ったら、さっそく日本からのコレクターの方から引き合いが入った。
鉛風のバロック・エンジェル達も愛らしい。
同じオーガナイザーのフェアなのだけど、フレミッシュ(オランダ)語/文化圏のメヘレンと、フランス語/文化圏のナミュールでは、フェアの印象がどことなく違う。
こちらはメヘレンよりグンと高級度・・・というか、アンティークの本格度が増して、まるでミュージアム級。そして、ややフェミニンで洗練された雰囲気が漂っている。
一方メヘレンの方が、北ヨーロッパらしい男性的で、ラスティックな味わい深いアンティークが主流。
そんなわけで、ペーターおじさんの作風は、どちらかというと、メヘレンの方がフィットしていた感あり。
その、ミュージアム級アート・アンティーク・フェアのオープニング・ガラの様子がYoutubeに上がっていたので、最後におまけヴィデオを(おじさんのブースは写ってないけど・・・笑)。
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by KotomiCreations
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