Vitré(ヴィトレ)2― Brittany Drive (ブリタニー・ドライヴ)
時計を1時間遅らせて、UKは暗ーい冬時間突入。初日から・・・なんだか眠いのは気のせいだろうか?
今回は長々とひきずってきた夏のノルマンディー・ブリタニー話の最終回で、Vitre(ヴィトレ)の続編。
前回の中世以来の建物の残る町を散策して、通りかかった教会に入ってみた、ところから。
今は駐車場になっている広場に面して建つ、
Église Notre-Dame de Vitré
(ヴィトレのノートルダム教会)は、ゴシック様式。
そして、ドアが黄色い。
黄色・・・というのは今まで見たことがなかった。
そして、サイドの翼廊のドアも、16世紀の彫に黄色。
中は比較的シンプルで、石造りがむき出しになっている。
入り口のパネリングがゴシック期の重厚なもの。
翼廊の19世紀の祭壇を見たり、
反対側の翼廊の、18世紀(かな?)の祭壇を撮影したりしていると、
Danaさんが呼びに来た。
おしゃべり上手なティエリー氏が、
普段は関係者しか入れない、
控室を見せてもらえることになったということ。
で、急いでその部屋に向かう。
天井やら壁に壁画が残っているのみならず・・・、
壁一面のキャビネットに、このパネリング。
建造当時のものとしたら、16世紀後半?
17世紀ごろのものかもしれない。
窓際のレリーフ・パネルも味わい深い・・・。
ズーム・イン。
儀式の際の装束まで見せてもらった。
田舎の人は、みんな親切ー。
まったく、ありがとうございました、ですよ。
この後、教会前広場に面した、
愛想のいいおじさんのアイスクリーム屋で、
アイスクリームを立ち食い。これがまたとても美味しい‼
しかし、この時は、「ここでアイスクリームを食べる」
ということが後々、重要なポイントになるとは知る由もない・・・。
ここから、辻々に飾られた聖母子を撮ったりしながら、
(あ、これは今回私たちの行きそこなった
Quimper/カンペールの町の焼き物)
ぶらぶら街歩きして、前回の古色豊かなハイストリートを抜けて、
Château de Vitré(ヴィトレ城)へと向かう。
11世紀からここに石造の城が建つのだけれど、
いかにもフランスの城・・・という感じで秀麗な
現在の建物は、16~17世紀に改造・補修・増築されたものだそう。
城にたなびくこの旗が、ブリタニーの旗。
bailey(ベイリー=城壁に囲まれた中庭のこと。
日本語で一般的にどう呼ぶのか不明。)に現在建つ建物は、
現在はヴィトレの町役場。
16世紀のペスト流行時には、ブリタニーの首都Rennes(レンヌ)から、
ブリタニー議会がここに移されていたのだそう。
その横に立つ、ルネサンス様式のチャペルの窓が美しい。
城のKeep(天守)にあたる部分が、
現在はミュージアムとして公開されているので、入ってみる。
まずは建造当時の、16世紀の断片が展示されている。
巨大な暖炉。
別の暖炉にあった、暖炉の奥を飾る鋳物のパネル、
Fireback=ファイヤーバックと呼ばれるもの。
15世紀ごろから暖炉の裏の壁を保護するため、
また、ラジエーター効果で熱を備蓄して、
室内に反射するために使われ始めたもの。
紋章の入ったデコラティヴのものになっていった。
これは、同じ紋章のものをティエリー氏が持っているそうで、
写真を撮ろうとしていたけれど、ひどく暗い中に黒なので、
氏のカメラではフォーカスできず・・・ウチのカメラが代理撮影。
上階は18世紀のものの展示。
しかし暖炉飾りは、建造時の16世紀。
イギリスでいえばエリザベス1世女王の頃。
装飾や様式はよく似ているけれど、こちらの方が少し田舎風。
19世紀前半の展示室。
最後の部屋はチャペルからの(?)祭壇装飾の断片。
Pおじだったら買いたそう・・・(笑)。
私好みの聖遺物容器。
城壁からの眺めも堪能。
さて、城を見た後、そろそろ戻らないと、2時間パーキングチケットが切れるころ・・・なので、そのまま車を停めていた駅前駐車場に向かう。
駅前では、着いた時とうって変わって、食品を売るマーケットが立っている。そのにぎやかな感じに誘い込まれて、Danaさんと「ここで晩御飯買って帰ろうか、Pおじさんにお土産とか・・・。」と、のんきに話していたら、
どうやら、この駅前では今日は夕方のマーケット日で(マーケットは、一般的に朝なので、夕方マーケットということ自体、私たちの概念に入っていない)、その旨表示がされていたとのこと。
でも、私たちは誰も気づいてなくて(そもそも私は読めんし)、パーキングチケット機にはなんの表示もなく、ちゃんと2時間パーキングの料金も払えたから、2時間パーキングしたらこのザマ・・・。
「警察に行って、レッカー移動されたところから回収してください。5時で閉まるから急いで。」という感じで、アドヴァイスされる。
その警察というのは、途中入った教会の隣。かくして、また大急ぎで教会広場に戻る。
で、その警察に着いたときはすでに5時を過ぎていて・・・、完璧に閉まっている・・・Dahhhhh・・・sigh。
この敷地内に移動されたのかとも思うけれど、そんなような車はどこにも見かけないし、私たちの車も当然なし。
いやぁ~まいったなぁ~。明日警察が開くまでどうしようもないんかい・・・、つまり、今夜ヴィトレでもう一泊ってかい?着替えも化粧品も全部車の中なのに?そして、レッカー移動の罰金って法外じゃないのかー?などと一同青ざめる。
が、警察の隣にさっき食べたアイスクリーム屋があることに気が付く。
夕方なので早々に閉まっているのだが、人当たりの良さに自信ありのティエリー氏、そして親切そうなオヤジさんだったことを覚えているので、「すいませーん、助けてくださいー。」とドアを叩く。
出てきてくれたオヤジさんが、話を聞くなりケータイを取り出して、某ナンバーに即電話し話した後「10分で迎えに来るってよ。」とスマイル。 神に見えたわ(笑)。
想像だけど、警察の横で店を構えていたら、こんな「助けて~‼」な余所者がよくドアを叩くんじゃないのかな、で、時間外警察ホット・ラインがケータイに入っていると・・・。
親切なおじさんの言ったとおりに、10分もしないうちにパトカーに乗ったポリス2人組が、広場に登場。
早速、ヴィトレの町はずれにある、ポリスの駐車場に、ポリスのヴァンに乗せてもらって向かう・・・というか、連行される。
ここでもまた、ティエリー氏おしゃべり上手を発揮して「そんな表示、全く気が付かなかった」だの、「この子らは『マーケットで晩御飯買いましょう』とか言ってんですよー」とか、話しまくって、なんとなくポリスの人たちとも、フレンドリーな雰囲気が醸し出される。
罰金は100ユーロだったので、全員の失態ということで、3割決定。「高くついたポリス・タクシー」ということにする。
疲れてキンチョーした挙句安心したせいか、
異様にハイになってきた私たち、
警察の駐車場に車を見たときはもうお祭り騒ぎ・・・。
罰金のチェックを切ってて、なに、この一同の笑顔(笑)。
Danaさん激ハイ図は本人の「小さくっ‼」の
この後、一同で記念撮影して(なんでやねん?)、
で、「Fougères(フジェー)経由でノルマンディーに戻るには、
どう行ったらいいですか?」と尋ねるティエリー氏。
田舎はポリスも親切で、
「じゃあ、分岐点まで先導しますね。」ということになり・・・、
こういうことに。
この間も、「実は刑務所に向かってたりして・・・」的な、
くだらない大笑いが入っているので、音声はカット。
夕日の中、無事ノルマンディーに帰り着いたのだった。
というところで、夏のノルマンディー・ブリタニー話は終わって、
次回は何とか、イギリスに話を戻したいもんです・・・。
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