Monday, 24 October 2016

Rochefort-en-Terre(ロシュフォー・アン・テレ)2― Brittany Drive (ブリタニー・ドライヴ)

Stoke-on-Trentから、戻ってきましたー。
来週はRye(ライ)で1泊の撮影で、再来週はベルギーのNamur(ナミュール)に5泊、これは、撮影仕事は一日だけ(件のPおじさんのアートフェア会場記録撮影)で、4日は遊びというか、観光というか、ブラッセルのマーケットで仕入れ・・・というか。
その合間をぬって、標本箱もなんとか更新予定ですよ^^。

Rochefort-en-Terre(ロシュフォー・アン・テレ)の話の続きで、今回はここのシャトーと、教会のイメージを。

Château de Rochefort en Terre
高台になった石垣の城壁を上って、
現在は市の所有になっている、
Château de Rochefort-en-Terre(ロシュフォー・アン・テレ城)の
入り口がここ。
城の歴史は12世紀にさかのぼるけれど、
何度も戦乱で破壊されてきている。
このファサードが現存する一番古い部分の一つで、
15世紀末のものだそう。

Château de Rochefort en Terre
その、シャトーの部分。

Château de Rochefort en Terre
なんだかディティールは古そう(16-17世紀)に見えて、それにしてはフロア・プランが近代的?と思ったら、これは17世紀のシャトーが、フランス革命で破壊されて廃墟になっていたものを、フランス生まれの裕福なアメリカ人画家、 Alfred Klotz(アルフレッド・クロツ)が1903年にここを購入して、それから再構築されたもの。
石造のディティールは、実際に中世~ルネッサンス期のものが使われているけれど、必ずしもここの城で使われていたものだとは限らないのだとか。

Château de Rochefort en Terre
上の写真の窓の上の装飾は、ルネサンス様式で、
この窓の装飾はゴシック様式。
いずれにしても、こんな感じの装飾がつく建物は、
本来なら少なくとも3フロアあるはず。
けれど、ここは「屋敷」として設計されているので、
こじんまりした2フロアの設計になっている・・・ということ。

Château de Rochefort en Terre
この方が、住み心地はよさそうだけど(笑)。

Château de Rochefort en Terre
真ん中の井戸。

Château de Rochefort en Terre
ドアのフレームは、ゴシック教会から来たものかも。
ドア自体もゴシック期の彫が入っていて、
とてもいい味を出している。
フランス革命で、いろいろ建造物が破壊されたので、
19-20世紀初頭は、サルヴェージ(再使用)資材はきっと、
安価で転がっていたのだろうけれど、
現在なら、こういうのは高級アンティークということになる。

Château de Rochefort en Terre
もう一つのドア。

Château de Rochefort en Terre
窓飾りが、サイドに繋がりがなくて、
切って張り付けた感がすこしある(笑)。

夏の間内部も公開されているという情報も、
どこかで見たけれど、詳細が見つけ出せなかった。
この時はあまり時間がなかったので、
私たちは外だけを見て、素通り。

Château de Rochefort en Terre
敷地の先にチャペルがある。

Château de Rochefort en Terre
中は廃墟状態、外もこのように傷みが激しい。
なので、修復基金大募集中だった。

Château de Rochefort en Terre
庭の一角でぽつんと立つゲートは、
とても古そう(12-13世紀?)だけれど、
ここにのこされていたものか、
これもクロツ氏のコレクションなのかは不明。

この後、お城は、Google mapでいうと<ここ>。

この後は、通りかかった小さな教会
Our Lady of Tronchaye(トロンカイの聖母教会)
を覗いてみた。


外観をとっていないので、Google Streetで、
こんな感じ、というのを載せておく。
ここで、あー、前にカルヴァリーが建っているのに
気が付かなかった―・・・と後悔する。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
中のゴシック・パネリング。
これは古そう・・・15世紀だろうか。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
天使君をズームで。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
入り口の上の彫刻パネルが見事だった。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
石彫にプラスターを載せた上に着彩、かな。
18世紀後半か、19世紀なのかも。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
この像は木彫にプラスターを載せて彩色しているものと。
乾燥してできたクラックが、
表面にも出ているので木地なのだろう。
この像やこの上の天使君の、
おおらかなおっとりした表情は18世紀の典型。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
19世紀に入ると、このように、
ステレオタイプな美男美女の表情になる。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
これも18世紀パネルのフレームは石彫、
アラバスターではないようだけれど、
もっとサクい感じのライムストーンのような石に見える。
彫像たちはこれも木彫。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
メインの祭壇の装飾。
この下に・・・、

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
これがここの「ご神体」トロンカイの聖母。
伝説によると、10世紀のノルマン人の侵略時に、神父が聖母子像の建てられた木の洞に隠れて、略奪・殺害から逃れた。2世紀後同じ木の洞から羊飼いがこの木彫像の聖母子を見つけて、この聖母子にささげられた教会が建造されたのだという。
Tronchaye(トロンカイ)という語も、木の幹(Trunk=トランク)に由来するのだそう。
正面のゴシック・ファサードは15世紀建造のもの。

Our Lady of Tronchaye, Rochefort-en-Terre, Brittany
最後に18世紀の聖母子の祭壇画を。

次回は、ブリタニー・ドライヴで訪れた最後の町、Vitréのイメージを。



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