Royal Museums of Fine Arts of Belgium(ベルギー王立美術館)-1-
今回からはナミュール出張の最終日、夕方にユーロスターでロンドンに戻る前に訪れていたRoyal Museums of Fine Arts of Belgium(ベルギー王立美術館)のイメージを。
この美術館、大きく一括りにして「王立美術館」ということになっているけれど、現在は大きく4つのセクションに分かれている。
Old Masters (古典美術館)、Magritte(マグリット美術館)、Fin-de-siecle(世紀末美術館)がひとまとめの常設展示。別々にチケットが販売されているが、3館共通チケットは13ユーロで、それぞれ買うよりお得ということになっている。まぁ、全館見るでしょう、というので、この3館共通チケットを買った。(その他、別チケットの企画展が主なModern(近代美術館)との、合計4つのセクション。)
この3館中で繋がってはいるものの、別の建物を無理から地下で繋いだ形式で、実に解りづらい。で、オールドマスターズの方ではショルダー・バッグを提げてても何も言われなかったのに、迷いもってたどり着いた世紀末館の方では、バッグは無料ロッカーに入れるように言われる。ややこしい。仏語圏ベルギーってどことなく「カフカ的なる」不条理感・・・とは言わないまでも、奇妙な微妙な食い違いで成り立ってる国(地域)だわーと、ここでも実感する(笑)。隣のオランダが、何でも解りやすくて合理的なのにね。
メイン入り口の装飾。
メインの入り口。
入り口を入って、吹き抜けの1階でチケットを買う。
平日なせいもあるけど、ガラ空き。
アムスのライクスやパリのルーブルが、
チケットの事前ネット購入必至なのに比べると、
ぜんぜんゆるい、混んでなさすぎ・・・。
まぁ、規模が随分違うけど。
15世紀初頭の「聖母戴冠」の板絵。
15世紀初頭の「受胎告知」。
窓のシャッターや暖炉など、
インテリアのディティールが好きな絵。
ここに入っているとは知らなかった。
それにしても、天光があるにも関わらず曇天。
照明も落としてあるので、撮影にはひどく手こずる・・・。
Rogier van der Weyden(ロヒール・ファン・デル・ウェイデン←
英語読みのロジャー・ヴァン・ダー・ウェィデンで覚えてるけど・・・)
の、トリプティック。
15世紀の聖母子。ウルシュラ伝説のマスター作。
後ろにいるのは、おばあちゃま聖アン、左に洗礼者ヨハネ、
右に聖王ルイと、その下にはいつでも塔がくっついてる聖バルバラ。
右で幼子ジーザスから婚礼指輪を渡されているのは、聖カテリナ。
そう、伝説上では、別界次元では、
ジーザス先生に奥さんがいたわけです。
「聖おにいさん」に出てきてもいいのにと、いつも思う(笑)。
このカテリナ伝説のマスター作の15世紀後半の絵画でも登場。
まわりは女性聖人満載で、これではまるでグルーピー状態。
へーえ、ここにボッシュの「聖アントニーの誘惑」が入ってたんだー、
と思っていたら、数あるコピーの中の一つで、1530年頃の、
「ブラッセルズの祭壇画コピー」と呼ばれているもの。
オリジナルはリスボンの国立古美術館に入っているそうなので、
来春リスボンに行ったときに見ることと。
(来年のホリデーは、リスボンで予約済み^^。)
16世紀初頭のトリプティックの扉絵。
奉納者夫妻が正装で描かれている。
カスティーリャ女王 ファナの肖像画だと判明。)
オウムのいる静物画。エイドリアン・デ・ユトレヒト、1636年。
金銀工芸師のショールーム的設定になっていて、
後ろに製作の現場が見えている、珍しい静物画。
View of Brussels, Jan Baptist Bonnecroy.
17世紀のブラッセルズの眺め。
ルーベンスが集められたルーベンス室に入って、
ルーベンスより先に目についたのが、
このパラノイアックな描き込みの鳥瞰図。
ブラッセルズも星型要塞都市だったんだーと気づく。
見ていたらどんどん吸い込まれていって・・・、
こういうディテールに入り込んでしまって・・・、
17世紀Googleストリートを見ている気分になる。
で、肝心のルーベンスの、「聖母戴冠」。
ルーベンスとはいうものの、ここのルーベンスは、
すべて「アトリエ」表記があったので、アトリエ制作版ということらしい。
これなども、ちょっと肉感的でいて輝くようなリアリティに欠ける印象。
この「聖母昇天」の方が「いい手」のスタッフが描いた、
あるいは師匠の手がはいっている感じ。
表情の描写に「張り」がある。
同じくルーベンス工房の「キリストの怒りをなだめる聖母と聖フランシス」
最初ゼウス先生かと思った。
ジーザス先生も、こんな癇癪持ちだったとは(笑)。
ルーベンス工房の「三博士の礼拝」。
あぁ、もう来週末はクリスマスだぁ・・・。
「カソリック信仰の勝利」ルーベンス。
これは、師匠の下書指示書なのじゃないかな・・・、
つまりルーベンス自身の手になる・・・と、想像だけど。
17世紀のルーベンスから、時代が逆行して・・・、
15世紀末~16世紀前半の Quinten Metsys
(クエンティン・マサイス)の、聖母子。
マサイスの「両替商と妻」。
でも、自分が凝視しているのは、
こんなディテールだったりする(笑)。
次回も、この美術館、まだまだ続きますよ。
Royal Museums of Fine Arts of Belgium
(ベルギー王立美術館)
Rue de la Régence /
Regentschapsstraat 3
1000 Brussels
Map:
*************************
by KotomiCreations
Labels: 場所
<< Home