Wednesday 18 May 2016

Plantin-Moretus Museum (プランタン・モレトゥス博物館)-2-

アントワープのPlantin-Moretus Museumプランタン・モレトゥス博物館)から2回目の標本箱。
今回は、オフィスと印刷工房のエリアを。

Plantin-Moretus Museum
順路的に次に入っていくのがこの「The Correctors' Room (校正室)」

Plantin-Moretus Museum
窓辺に机が置かれていて、ここに向かい合わせで2人の校正係が作業した。
初稿と再稿の2回にわたって校正された。
校正者は、オランダ語、フランス語のみならず、
ギリシャ語・イタリア語・ヘブライ語・シリア語・アラム語にいたるまで、
使いこなせた・・・というから、言語の天才かも・・・。

Plantin-Moretus Museum
真ん中に展示されているのは、校正された刷り。

Plantin-Moretus Museum
今も使われているようなリアリティーのある、書類棚。

Plantin-Moretus Museum
次に繋がる小さな部屋はオフィス。

Plantin-Moretus Museum
ガイドブックによると、ここの壁のギルトレザーは、
17-18世紀のメヘレン製。
メヘレンもギルトレザーの産地だったそう。
どうりで、箱いっぱいのギルトレザー・アンティークが
この界隈から出てくるわけだ・・・。

Plantin-Moretus Museum
これは書簡棚。
上下で、届いた手紙、送り出す手紙というように識別されていたそう。

Plantin-Moretus Museum
帳簿用のデスクやら、金庫がこの部屋に集まっている。

Plantin-Moretus Museum
その隣の部屋は「Justus Lipsius(ユストゥス・リプシウス)の部屋」。

Plantin-Moretus Museum
文献・人文学者ユストゥス・リプシウスの著作も、
ここオフィシーナ・プランティニアで制作出版されていて、
彼が仕事でここを訪れた際には、
この部屋が使われた、という伝説。

Plantin-Moretus Museum
確実な根拠はないそうだけど・・・。

Plantin-Moretus Museum
この部屋のアラベスク風ギルトレザーは、スペイン製。

Plantin-Moretus Museum
リプシウスの著作のページ。

Plantin-Moretus Museum
階段のある廊下を抜けて・・・、

Plantin-Moretus Museum
次のルートは「Type Store(活字室)」

Plantin-Moretus Museum
印刷に使用された、歴代の鉛活字が棚に保管されている。

Plantin-Moretus Museum
上のトレイ状の箱に鉛活字が、下にある包は、
予備の鉛活字だそうで、包装紙は活字が制作された時のもの。
鉛は重いので、活字だけで10トン近い重量があるそう。

Plantin-Moretus Museum
いやまぁ、セロテープとスティッカーは、
17世紀のものじゃないけど(笑)。

Plantin-Moretus Museum
暖炉の装飾。

Plantin-Moretus Museum
次の部屋が、印刷工房。
クリストフル・プランタンがこの工房を設立した段階で、
少なくとも16台の印刷機を使い、計56人の従業員が働いていたそうで、
当時世界最大の印刷工房だった。

Plantin-Moretus Museum
銅版画のような輪転式ではなくて、上からプレスする形の印刷方式。

Plantin-Moretus Museum
18世紀まで印刷工は朝6時から夜8時まで
14時間労働だったそうだけれど、
賃金は出来高制だったので、出来る限り長時間働いて、
他の部署よりはるかに高額の賃金を得ていたのだそう。

Plantin-Moretus Museum
この奥の2機が、現存する最古の印刷機で、
1600年頃のもの。

次回はこの部屋の続き、
中庭側半分の、写植文字の話から続きますよ。

Plantin-Moretus Museum
(プランタン・モレトゥス博物館)

Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen, Belgium

開館情報など英文で<このページ

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