Plantin-Moretus Museum (プランタン・モレトゥス博物館)-2-
アントワープのPlantin-Moretus Museum (プランタン・モレトゥス博物館)から2回目の標本箱。
今回は、オフィスと印刷工房のエリアを。
順路的に次に入っていくのがこの「The Correctors' Room (校正室)」
窓辺に机が置かれていて、ここに向かい合わせで2人の校正係が作業した。
初稿と再稿の2回にわたって校正された。
校正者は、オランダ語、フランス語のみならず、
ギリシャ語・イタリア語・ヘブライ語・シリア語・アラム語にいたるまで、
使いこなせた・・・というから、言語の天才かも・・・。
真ん中に展示されているのは、校正された刷り。
今も使われているようなリアリティーのある、書類棚。
次に繋がる小さな部屋はオフィス。
ガイドブックによると、ここの壁のギルトレザーは、
17-18世紀のメヘレン製。
メヘレンもギルトレザーの産地だったそう。
どうりで、箱いっぱいのギルトレザー・アンティークが
この界隈から出てくるわけだ・・・。
これは書簡棚。
上下で、届いた手紙、送り出す手紙というように識別されていたそう。
帳簿用のデスクやら、金庫がこの部屋に集まっている。
その隣の部屋は「Justus Lipsius(ユストゥス・リプシウス)の部屋」。
文献・人文学者ユストゥス・リプシウスの著作も、
ここオフィシーナ・プランティニアで制作出版されていて、
彼が仕事でここを訪れた際には、
この部屋が使われた、という伝説。
確実な根拠はないそうだけど・・・。
この部屋のアラベスク風ギルトレザーは、スペイン製。
リプシウスの著作のページ。
階段のある廊下を抜けて・・・、
次のルートは「Type Store(活字室)」
印刷に使用された、歴代の鉛活字が棚に保管されている。
上のトレイ状の箱に鉛活字が、下にある包は、
予備の鉛活字だそうで、包装紙は活字が制作された時のもの。
鉛は重いので、活字だけで10トン近い重量があるそう。
いやまぁ、セロテープとスティッカーは、
17世紀のものじゃないけど(笑)。
暖炉の装飾。
次の部屋が、印刷工房。
クリストフル・プランタンがこの工房を設立した段階で、
少なくとも16台の印刷機を使い、計56人の従業員が働いていたそうで、
当時世界最大の印刷工房だった。
銅版画のような輪転式ではなくて、上からプレスする形の印刷方式。
18世紀まで印刷工は朝6時から夜8時まで
14時間労働だったそうだけれど、
賃金は出来高制だったので、出来る限り長時間働いて、
他の部署よりはるかに高額の賃金を得ていたのだそう。
この奥の2機が、現存する最古の印刷機で、
1600年頃のもの。
次回はこの部屋の続き、
中庭側半分の、写植文字の話から続きますよ。
Plantin-Moretus Museum
(プランタン・モレトゥス博物館)
Vrijdagmarkt 22-23, 2000 Antwerpen, Belgium
開館情報など英文で<このページ>
Map:
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