Friday 6 March 2015

Rijksmuseum(国立博物館), アムステルダム -3-

引き続きRijksmuseum(国立博物館)から、前回のドールハウスのおじさん版、コレクターズ・キャビネット的なるものを、いろいろ。


Collector's cabinet, Anonymous, c.1675-1685
Collector's cabinet, Anonymous, c.1675-1685
コレクターズ・キャビネット、製作元不明、1675-85年頃。
人形の家と同じ展示室に入っているこのキャビネット、
真中部分だけ見たら、Pおじさんの箱かと思う(笑)。
引き出しの前面は鏡で、そこに船のある海洋風景が、
エングレーヴィングで描かれている。
キャビネットの外観は<こんなもの>で、
内側とは印象がちがって、シンプルな作りになっている。


Collector's cabinet, Holland, 1730
Collector's cabinet, Holland, 1730
コレクターズ・キャビネット、ホランド製、1670年.
ここの博物館の「キワメツケ」のコレクターズ・キャビネット。
資料は<このページ>。

Collector's cabinet, Holland, 1730
寄ってみて・・・、

Collector's cabinet, Holland, 1730
もっと寄ってみる。
中にミネラルの入った小さなボトルやジャーがびっしり並ぶ。
まるで18世紀薬局のミニチュア版。

Collector's cabinet, Holland, 1730
小さな抽斗も並んでいるけれど、
この中には何も入っていなかったのだそう。


Art Cabinet, Augsburg, c. 1627-1630
Art Cabinet, Augsburg c. 1627-1630.
アート・キャビネット、アウグスバーグ、1627-30年頃。
もう一つ目を引いたのがこのアート・キャビネット。
資料は<このページ>。
ミニチュアやら、カメオやら、レリーフやら、インレイ・ワークやら、
小さなアートがびっしり埋め込まれている。

Art Cabinet, Augsburg, c. 1627-1630
貴石・天然石のサンプルも埋め込まれている。

Art Cabinet, Augsburg, c. 1627-1630

Art Cabinet, Augsburg, c. 1627-1630
内扉のなかにまた抽斗があって、その中にも、
貴石やミニチュアが収められていたが、
1631年に中の物はすべて盗まれてしまったそう。


Cabinet, Anonymous, Opificio delle pietre dure, Johann Spitzmacher, c. 1660 - c. 1670
Cabinet,  Augsburg,  c. 1660 - c. 1670
キャビネット、アウグスバーグ、1660-70年頃。
資料は<このページ
16世紀以降、現在ドイツのアウグスバーグは、キャビネットの製造地として、
ヨーロッパ中に知れ渡っていた。
これも、そしてこの前のアート・キャビネットもそのアウグスバーグ製造のもの。

Cabinet, Augsburg c.1660-1670
象牙のベースに、pietre dure(ピエトロ・デューレ=色半貴石象嵌)。
これは典型的なイタリア・フィレンツェの技法なんだけどな・・・、
と思ったら、やっぱり、パネルはフィレンツェ製造。
キャビネットに仕立てあげられたのが、アウグスバーグにて。

Cabinet, Augsburg c.1660-1670
その、ピエトロ・デューレ・パネル。

Cabinet, Augsburg c.1660-1670
木を染色して象嵌したものだと、往々にして色が褪せてしまうのだけれど、
石なのでいつまでも褪せることなく、作られた時と同じ彩度を保っている。


Cabinet
Cabinet, attributed to André-Charles Boulle, c. 1670 -75.
キャビネット、アンドレ・シャルル・ブール(推定)、1670-75年頃。
資料は<このページ
フランス宮廷をクライアントに持つキャビネットメーカー、ブールの作に帰されている。
このキャビネットは、その、染色された木材のマーケトリー(象嵌)。

Cabinet door
中央パネルに使われている、マラカイト石の鮮やかなグリーンと同様、
染色材でカラフルに彩られていたはず。
材木なので、時間とともに色褪せてしまう。
今のトーンの方が落ち着いてていい・・・というのは人の好き好き(笑)。


Cabinet, attributed to Pierre Gole, c.1655-c.1660
Cabinet, attributed to Pierre Gole, c.1655-c.1660.
キャビネット、ピエール・ゴル(推定)、1655-60年頃。
これもオランダ/ベルギー出身でフランスで活動したキャビネットメーカー。
資料は<このページ>。
これも同じく染色材のマーケトリー(象嵌)。
グリーンの葉や、白い花はアイボリー材。
葉の部分は、アイボリーを染色したもの。
つまり、アイボリーを染色したものの方が、
木材を染色したものより、色の持ちがいい、ということになる。


Artist's paint box, The Netherlands, c.1640-1660
Artist's paint box, The Netherlands, c.1640-1660.
画家の絵具箱、ネザーランド製、1640-60年。
キャビネットじゃないけれど、「箱モノ」なのでここに入れてしまう。
絵具箱にペイントするっていうのが、何か新鮮。


次回もまだまだ、博物館が続きますよ。



Rijksmuseum(国立博物館)
Museumstraat 1, 1071 XX Amsterdam

開館:毎日 9:00am- 17:00pm 
(クリスマスも、New Years Dayも、国王誕生記念日もオープン)

入場料:大人17.5ユーロ、特別展とのコンバイン・チケットだと25ユーロ。
チケット売り場がかなり並ぶ、という話なので、E-チケットが推奨されている。
プリントアウトを持っていけば、そのまま直接館内入口に向かい、
係員にプリントアウトをスキャンしてもらうだけ。
チケット、プリントアウトを持っている限り、その日の内の出入りは自由。
毎回、入口でスキャンして入れてもらう。

地図:

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