De Wereld in Miniatuur (ミニチュアの世界)展 -Slot Zeist(スロット・ザイスト)
今回は引き続きペーターおじさんネタで、ユトレヒト郊外のSlot Zeist(スロット・ザイスト=ザイスト城)で開催中の、De Wereld in Miniatuur (ミニチュアの世界)展で展示中の、おじさんの箱達のイメージを。
会場のザイスト城は、城と呼ばれるけれど、18世紀建造ネオクラシカル様式の建物。
12世紀頃からここに城が築かれていたので、「ザイスト城」と呼ばれている。
現在の建物は、18世紀にモラヴィア兄弟団が建造したものだそう。
ここには、右ウィングにシアターやエキジビション・スペースがあって、企画イベントが定期的に催されている。
今回の「ミニチュアの世界展」は、ここの所有する18世紀後半~19世紀初期にかけて作られた、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」(この話は後ほど・・・)をコアにして、現代のミニチュア・アーティストの作品を展示・販売する展覧会。
まずは、そのポスター。
左下に見えるのが、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」。
そして右上におかれているのが、Pおじさんの作品。
その他、建築ミニチュアの作家、町並みのファサードのレリーフの作家、
3Dカリカチュアの作家チームの作品が展示されている。
ユトレヒトからローカル・バスに乗って30分弱、
ザイスト城最寄りのバス停から、城を取り囲む林の中を歩く。
堀の名残を渡って、これがザイスト城正面。
これはまだ作品ではなくて・・・、右ウィングの展示会場入口。
Pおじさんに写真を見せたら「こんな作品あったか?」(笑)。
実際の会場はリフト/階段を上がった上階。
このドアを入ると、3部屋にわたって、作品が展示されている。
壁に2つかかっているのは、Pおじさんの箱。
まずこの部屋では、展示会の趣旨と、
各アーティストの作品から数アイテムを紹介している。
ここに展示されている、Pおじさんの箱。
部屋の反対のコーナーには、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」と、
Pおじさんの箱が向き合っている。
これや、
これが、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」。
ここで、このBavelaar(バーファラー)の話を(調べた限りで)少し。
「バーファラー」というのは、1人の作家ではなくて、Cornelis Bavelaar senior(コーネリス・バーファラー・シニア、1747頃~1830年)、その息子のCornelis Bavelaar junior(コーネリス・バーファラー・ジュニア、1777-1831年)、そのまた息子のJoannes Franciscus Bavelaar(ヨハンネス・フランシスカス・バーファラー、 1810 - 1833年)の3世代にわたって、1800頃から1830年にLeiden(レイデン)で、インテリアやジオラマの収まった小箱を制作した一族。
30年間に総数1500箱が、制作されたとされている。 レイデンで観光土産として販売されるほか、ロッテルダム、アムステルダムでも販売されていた。
素材は木・アイボリー・紙等色々なのだけれど、同じようなアイボリー色やウッド色に着彩されている。
<他にもググッてみるといろいろ出てくる>
この一族の名前をとって、このような19世紀初頭に作られたジオラマ・ミニチュア箱は、Bavelaartje(バーファラチェ)と呼ばれる。
イギリスのアンティークには出てくることはまずないので、まったく知らなかったけれど、オランダでは有名で、専門のコレクターも多数だそう。
その昔一緒にアンティーク・センターにブースを出していた、Pおじさんとグラダおばさま達も、昔は取り扱うチャンスもあったそうだけれど、今やコレクターの手に収まってしまって、値もつり上がって、ほとんどマーケットに出てくることはないのだとか。
このギャラリーのチーフ・キュレーターが、ここの所有する、バーファラチェ数箱を中心に、ミニチュアをテーマにした企画展を発案した時に、数箱では展示にならないので、バーファラチェ自体をもっと借り入れ展示する必要があった。
アムステルダムのミュージアム幾つかに問い合わせたものの、小さな地方ギャラリーでは手におえないような貸出管理条件・経費を提示されて、多少企画は難航気味・・・。 そのときにたまたま紹介されたのが、バーファラー一族の末裔で、20箱以上を所有していて、何ら難しい条件なしで貸出に合意してくれた・・・という、ラッキーなシンクロニシティー(同時性)の上に実現した、エキジビションなのだった。
次の部屋には、町並みのファサードのレリーフを制作する、
Piet Bleijenga氏の作品と、
そのバーファラチェがケースの中に展示されている。
バーファラチェは小さいものなので、こじんまりとした展示だけれど、
覗きこんでいると、細かいディティールに吸い込まれていって、
いつまでたっても見飽きない。
最後の部屋は、3Dカリカチュアのkunst met een rのデュオの作品と、
Klein Hofmeijer氏の建築ミニチュア作品、
そして、ペーターおじさんの箱たちが展示されている。
いやぁ、ナールデンのフェア以上にキレイにディスプレイされた箱達は圧巻。
3回目のナールデンのフェアと違って、ザイストでの展示は初めてなので、
以前ナールデンで展示したことのある、大型の箱をザイストに、
ナールデンには最新作を中心にと、箱をふりわけたそう。
とはいうものの、昨年の夏ル・シャトーで見かけた新作もここに。
人気の図書館箱。
これはずいぶん昔からある作品だけれど、
中の構成とライティングを少し変えたら、
すっかり魅力的になった、大型の箱。
ロンドンのデコラティヴ・フェアに持ち込まれていて、
初めてPおじさんの作品を知るきっかけになったのが、この「雨漏り箱」。
シャンデリアのチャーミングさで・・・、
オープニング・パーティーの間に売れてしまった箱。
撮影を終わって、一階のレセプションに挨拶して、その奥のカフェでバス待ち休憩。
時間も程よく、さて出発、と思ってレセプションブースの横を通りかかったら・・・、
げっ、ここにもおじさんの昔の正方形の箱達が展示されているー。
大急ぎで、カメラを引っ張りだして撮影。
これはいつでもル・シャトーの2階の寝室に、
これは、アネックスの階段部分に、
これは一体どこにあったのだろう???
昔のだけれど、見たことのない作品。
・・・なんて撮影してたから、もうちょっとで
30分に一本のバスを乗り逃すところだった・・・。
De Wereld in Miniatuur (ミニチュアの世界)展
@ Slot Zeist 1月18日~4月6日開催。
Bezoekadres, Zinzendorflaan 1, 3703 CE Zeist
開館時間・入場料等詳細は<このページ>の最後にオランダ語で。
地図:
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