Monday 2 February 2015

De Wereld in Miniatuur (ミニチュアの世界)展 -Slot Zeist(スロット・ザイスト)


今回は引き続きペーターおじさんネタで、ユトレヒト郊外のSlot Zeist(スロット・ザイスト=ザイスト城)で開催中の、De Wereld in Miniatuur (ミニチュアの世界)展で展示中の、おじさんの箱達のイメージを。

会場のザイスト城は、城と呼ばれるけれど、18世紀建造ネオクラシカル様式の建物。
12世紀頃からここに城が築かれていたので、「ザイスト城」と呼ばれている。
現在の建物は、18世紀にモラヴィア兄弟団が建造したものだそう。
ここには、右ウィングにシアターやエキジビション・スペースがあって、企画イベントが定期的に催されている。
今回の「ミニチュアの世界展」は、ここの所有する18世紀後半~19世紀初期にかけて作られた、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」(この話は後ほど・・・)をコアにして、現代のミニチュア・アーティストの作品を展示・販売する展覧会。


Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
まずは、そのポスター。
左下に見えるのが、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」。
そして右上におかれているのが、Pおじさんの作品。
その他、建築ミニチュアの作家、町並みのファサードのレリーフの作家、
3Dカリカチュアの作家チームの作品が展示されている。

Slot Zeist
ユトレヒトからローカル・バスに乗って30分弱、
ザイスト城最寄りのバス停から、城を取り囲む林の中を歩く。

Slot Zeist
堀の名残を渡って、これがザイスト城正面。

Slot Zeist
これはまだ作品ではなくて・・・、右ウィングの展示会場入口。
Pおじさんに写真を見せたら「こんな作品あったか?」(笑)。

"De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist
実際の会場はリフト/階段を上がった上階。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
このドアを入ると、3部屋にわたって、作品が展示されている。
壁に2つかかっているのは、Pおじさんの箱。
まずこの部屋では、展示会の趣旨と、
各アーティストの作品から数アイテムを紹介している。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
ここに展示されている、Pおじさんの箱。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
部屋の反対のコーナーには、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」と、
Pおじさんの箱が向き合っている。

"De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist
これや、

"De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist
これが、「Bavelaar(バーファラー)のミニチュア箱」。


ここで、このBavelaar(バーファラー)の話を(調べた限りで)少し。
「バーファラー」というのは、1人の作家ではなくて、Cornelis Bavelaar senior(コーネリス・バーファラー・シニア、1747頃~1830年)、その息子のCornelis Bavelaar junior(コーネリス・バーファラー・ジュニア、1777-1831年)、そのまた息子のJoannes Franciscus Bavelaar(ヨハンネス・フランシスカス・バーファラー、 1810 - 1833年)の3世代にわたって、1800頃から1830年にLeiden(レイデン)で、インテリアやジオラマの収まった小箱を制作した一族。 
30年間に総数1500箱が、制作されたとされている。 レイデンで観光土産として販売されるほか、ロッテルダム、アムステルダムでも販売されていた。
素材は木・アイボリー・紙等色々なのだけれど、同じようなアイボリー色やウッド色に着彩されている。
他にもググッてみるといろいろ出てくる
この一族の名前をとって、このような19世紀初頭に作られたジオラマ・ミニチュア箱は、Bavelaartje(バーファラチェ)と呼ばれる。
イギリスのアンティークには出てくることはまずないので、まったく知らなかったけれど、オランダでは有名で、専門のコレクターも多数だそう。
その昔一緒にアンティーク・センターにブースを出していた、Pおじさんとグラダおばさま達も、昔は取り扱うチャンスもあったそうだけれど、今やコレクターの手に収まってしまって、値もつり上がって、ほとんどマーケットに出てくることはないのだとか。
このギャラリーのチーフ・キュレーターが、ここの所有する、バーファラチェ数箱を中心に、ミニチュアをテーマにした企画展を発案した時に、数箱では展示にならないので、バーファラチェ自体をもっと借り入れ展示する必要があった。
アムステルダムのミュージアム幾つかに問い合わせたものの、小さな地方ギャラリーでは手におえないような貸出管理条件・経費を提示されて、多少企画は難航気味・・・。 そのときにたまたま紹介されたのが、バーファラー一族の末裔で、20箱以上を所有していて、何ら難しい条件なしで貸出に合意してくれた・・・という、ラッキーなシンクロニシティー(同時性)の上に実現した、エキジビションなのだった。


Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
次の部屋には、町並みのファサードのレリーフを制作する、
Piet Bleijenga氏の作品と、
そのバーファラチェがケースの中に展示されている。
バーファラチェは小さいものなので、こじんまりとした展示だけれど、
覗きこんでいると、細かいディティールに吸い込まれていって、
いつまでたっても見飽きない。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
最後の部屋は、3Dカリカチュアのkunst met een rのデュオの作品と、
Klein Hofmeijer氏の建築ミニチュア作品、
そして、ペーターおじさんの箱たちが展示されている。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
いやぁ、ナールデンのフェア以上にキレイにディスプレイされた箱達は圧巻。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
3回目のナールデンのフェアと違って、ザイストでの展示は初めてなので、
以前ナールデンで展示したことのある、大型の箱をザイストに、
ナールデンには最新作を中心にと、箱をふりわけたそう。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
とはいうものの、昨年の夏ル・シャトーで見かけた新作もここに。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
人気の図書館箱。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
これはずいぶん昔からある作品だけれど、
中の構成とライティングを少し変えたら、
すっかり魅力的になった、大型の箱。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
ロンドンのデコラティヴ・フェアに持ち込まれていて、
初めてPおじさんの作品を知るきっかけになったのが、この「雨漏り箱」。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
シャンデリアのチャーミングさで・・・、
オープニング・パーティーの間に売れてしまった箱。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
撮影を終わって、一階のレセプションに挨拶して、その奥のカフェでバス待ち休憩。
時間も程よく、さて出発、と思ってレセプションブースの横を通りかかったら・・・、
げっ、ここにもおじさんの昔の正方形の箱達が展示されているー。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
大急ぎで、カメラを引っ張りだして撮影。

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
これはいつでもル・シャトーの2階の寝室に、

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
これは、アネックスの階段部分に、

Peter Gabriëlse- box sculpture, in "De Wereld in Miniatuur" exhibition - Slot Zeist.
これは一体どこにあったのだろう???
昔のだけれど、見たことのない作品。

・・・なんて撮影してたから、もうちょっとで
30分に一本のバスを乗り逃すところだった・・・。




De Wereld in Miniatuur (ミニチュアの世界)展
@ Slot Zeist   1月18日~4月6日開催。
 Bezoekadres, Zinzendorflaan 1, 3703 CE Zeist
開館時間・入場料等詳細は<このページ>の最後にオランダ語で。

地図:

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