Museum of the History of Medicine(薬学史博物館)、Paris(パリ)
前回の、和やかなパリの緑の一角から一転して、今回は奇妙な博物館、Museum of the History of Medicine(薬学史博物館)のイメージを。
ロンドンのユーロスター・ターミナル、St.Pancras(セント・パンクラス)まで、見送り兼荷物持ちに来てくれた(こちらは在ロンドン留守番担当)配偶者氏。
時間に余裕があったので、みんなで駅でお茶していたら、するすると隣りの本屋に吸いこまれていって、出てきた時には「Quiet Paris」という本を手にしていて、「ユーロスターで読めば?」と渡してくれた。
そこで、ユーロスターの中でDanaさんとパラパラ見てみた。
内容的には、静かなレストラン、カフェ、図書館、博物館、教会、地味ながらテイストのいい店、スパ、などなど・・・中には、「メディテーション・センター」的なるものまで、いろいろ載っている。
博物館好きのDanaさんと私は、その中のMuseum of the History of Medicine(薬学史博物館)の写真の、古風な内装を見て、「あ、ここ行きたい。」で意見一致。
ふたりとも名前から、18-19世紀の薬瓶がいっぱい詰まっている博物館と、勝手に解釈してかなり盛り上がったのだった。
メトロの駅Odeon(オデオン)近くの、
Rue de l'Ecole de Medecine、その名も「薬科学校通り」に面して、
医療関係が中心のパリ・デカルト大学というのがあって、
博物館はこの大学に属している。
入口も大学と同じ。
これは入口ホール。
歴代の大学関係者と思われる彫像が並んでいて、なかなかフォトジェニック。
ホールの奥に立つミューズ。
階段上のランディング。
建物は19世紀建造・・・な感じ。
上階のこのドアの向こうは、図書館に続いているが、
私達は「博物館」の矢印にしたがって、反対側の通路へ。
実はこれは帰りに撮ったものなので、誰もいない。
博物館がオープンするのは2時からで、私達が着いた時点で、2時すぎ。
まだ開いていないようで、このドアに連なる廊下にすでに、
団体と思われる仏人の学生たちが、たくさんたむろして待っている。
で、そのドアの先のこの階段にも、
上から下まで個人のヴィジターが並んで待っている。
どうやら開館が遅れているようだけど、それにしても、
マイナーそうに見えてそんなに人気のある博物館なのかと、ちょっと驚く。
とりあえず、列の後ろに付いて、待つこと暫し・・・。
20分ぐらい過ぎても、まだ開かない。
待っている人たちの中でも、明らかにイライラし始めて、入口まで様子を見に行く人、どこかに問い合わせ電話をかける人あり・・・、でも開かない。
30分過ぎたあたりで、諦めて帰る人達が出始める。 どうやら何かの理由で、イタリア式臨時閉館なのかもしれない。
私達はのんきなものなので、ちょうどここにあったトイレを借りて出てきたら、もう誰も残っていなかった。そこで、ゆっくり地図を出して「じゃ、どこ行こうか?」などと相談開始。
そうしたら、突然「ごめんなさい、ごめんなさいー!! こんなに遅くなっちゃって-!! もう、大変だったんです-!!」と、大騒ぎしながら、明らかに夏休み学生バイト君と思われる青年が乱入してきて、しどろもどろでドアを開ける。
え?臨時閉館じゃなかったのか。
と、いうわけで、先に待っていた個人・団体合わせて50人近いヴィジターを人払い状態で、私達無人の博物館に入り込む。
で、バーン、無人の博物館。
入場料(2.5ユーロ)払う前から写真撮ってしまった。
木製キャビネットに、採光の天窓、鋳鉄フレームで支えたギャラリー、
典型的な産業革命後の建築構造は、1905年、20世紀初頭のものなのだそう。
入場料を払っているうちにも、次々とヴィジターがやってきて、なぜだか人気の博物館。
しかし・・・だがしかし、内容的には私達の想像していたものとは大いに異なって・・・、
血なまぐさい、初期の荒っぽい手術用具やら(あー、中世拷問具と何が違うのか?)、
エレファント・マン的なる奇形頭蓋骨サンプルやら・・・、これはもう猟奇系。
私、ゴス系だけれど、80年台のエレガント系(?)オリジナル・ゴスなので、
今どきトレンドの猟奇系は、生理的に受け付けない。
まじめに医療関連の興味があるわけでもなくて、ただひたすらヴィジュアル専門。
そんなわけで、撮影対象が限られてくる。
一番気に入ったのが、正面にかかっている、
薬学医療関連の聖人さんを描いた・・・と思われるこの15世紀風の板絵。
階段手すりの蛇の装飾は、なかなか美しい。
蛇は知識・薬学の象徴だからなんだろうな。
かろうじて見つけた薬壺。
薬壺のレーベル。
19世紀の薬箱。
ホメオパスDanaさん感激の、ホメオパシック・レメディ・キット。
これも、レメディかと。
これは・・・全く意味不明。 インテリア・オブジェにはいい感じ。
そんなわけで、実に奇妙な博物館だったけれど、
医療関連の歴史に興味のある人には、面白いかもしれない。
Museum of the History of Medicine(薬学史博物館)
Université Paris Descartes
12, rue de l'Ecole de Médecine
75270 Paris
開館: 9月1日~7月15日 /2:00-5:30pm (木・日・祭日・クリスマス~新年 閉館)
夏期休暇中(7月15日から8月31日) /2:00-5:30pm (土・日・8月15日 閉館)
入場料: 2.5ユーロ (2014年)
地図:
View Larger Map
Labels: 場所
<< Home