ペーターおじさんの家、Le Château
標本箱はやっとペーターおじさんのLe Château(ル・シャトー)にたどり着いた。
今回はパリからの日帰りで、おじさんが元気に回復したのか「偵察」に来て、届け物をしただけなので、数時間だけ。
来月また友人たちと、ノルマンディー・ドライヴ旅行の基地として滞在させてもらうので、その時にまたじっくり撮影予定。
なので、今回はおじさんとだらだらおしゃべりしながら、目に留まったものをスナップした程度。
キッチンの窓辺のあじさい。
いつでも、何気なく、なんでも見事にアレンジできてしまうおじさん。
ダイニングテーブルでお茶。
生活空間で多少散らかっていても、絵になるのがシャトーのいいところ。
窓辺のブルーのコーディネート。
去年なかった、ブルーのジャグが増えている。
18世紀マイセン(?)っぽい。光がきれいに差してきた。
事務机の上のディスプレイ。
暖炉の上の18世紀の装飾レリーフ。
「去年これをちゃんと撮ってなかったぞ。」と、指摘される。
去年撮り損ねていたもの、もうひとつ。
暗い裏口への通路にある、黒い陶磁器のコレクション。
私:「去年、ライトのスイッチが判らなかった。」
おじさん:「そんなことだと思って、今日はちゃんと点けておいた。」
数時間のチャンスも逃さず、フォトグラファーにまんまと仕事させるおじさん(笑)。
もともとあった壁埋め込みの戸棚に、別のキャビネットのガラス戸が、
偶然フィットするサイズだったので、とり付けたのだそう。
古びたガラス扉の奥に、紅色のマット・ペイントと黒い器のコントラスト。
このセンスが、おじさんの「ただものでない」ところ。
シャトーの「魔法の部屋」、コレクション室兼材料倉庫を、
これまた、シャトーのトレードマークの様なFoxed(水銀のはげた)の鏡越しに。
ここに閉じこもって、一生写真撮ってても飽きないかも・・・私(笑)。
正面庭の眺め。
「今年はちゃんと芝刈りしてないで、(草を)残してるんだ。」そう、
そういえば、ナショナル・トラストの庭などでも、最近はこういう「自然風」がトレンド。
おじさんの犬ではなくて、(本来ならパリ個展中の、おじさんの)シャトーの留守番に
オランダから滞在中の、友人夫妻の犬き。
ちょっと甘やかされっ子で、小さいのによく吠える。
静かな猫好きで、犬嫌い(多分)、その上悪ガキ気質のあるおじさんと吠えあっては、
裏の農場の牛をびっくりさせて、どすどす遠いほうの農地に逃げこませたり・・・、
というような事態を巻き起こしている、張本犬(張り合うおじさんも、おじさんだが・・・笑)。
その、友人夫妻の重労働のおかげで、大掃除された庭の一角。
去年は木づたですっかり覆われていて、
椅子ひとつ分のスペースしかなかったのを覚えている。
薄日がさしてきたので、おじさんと庭を散策。
現在はシャトーの境界線の外なのだが、もともとはシャトーの敷地に中に、
水車小屋があって(現在は痕跡の廃墟が少し)、
そこから今でもせせらぎが隣の農場へと流れている。
キッチンにも切花があったけれど、今年はあじさいが満開。
弱ってきていたので、去年切り戻しをしたそう。
その年は花は付かないが、その翌年の今年は見事に花をつけている。
一方、ノルマンディー名産のりんごは、去年記録的豊作だったのが、
今年はまったくの不作。一個たりとも実っていないそう。
シャトーの庭のみならず、ノルマンディー全域そんな具合。
もしかすると、北ヨーロッパ全域りんご不作なのかもしれない。
裏庭の奥に昔の牛舎の名残がある。
20世紀に作られたものなので、殺風景なコンクリートむき出し、
だったところに、野草を植え込んだら、今はほとんど覆われてしまっている。
牛用の水場が野草の中の、ウォーター・フィーチャー。
数時間でもここにいると、記憶のどこか根底で繋がっている、
それでいて、現実とは完全に切り離された異次元・異空間にスリップしてしまう。
Danaさんと私はそれを「竜宮城効果」と名づけている。
その竜宮城主のおじさんは、さしずめ鯰髭の竜神さんなのだろうな。
ホメオパス兼ハーバリスト、Danaさんから届けられたハーブ・レメディとともに。
「壜をコレクションに加えるのじゃなくて、ちゃんと飲むように。」
というのが、Danaさんからのメッセージ(笑)。
次回はシャトーで覗き見した、おじさんの新作をフィーチャー。
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