Saturday 21 May 2011

ハンガリアン・ジュエリー -18世紀

今回は引き続きハンガリー18世紀のジュエリーを、ブダペストのハンガリー国立博物館(Hungarian National Museum)より。

*前回の標本箱「17世紀ジュエリー後編」の中で、最後から四番目、「ヴェルベット地に金襴地張り、その上にジュエリーを留めつけたベルト」に関して、トランシルヴァニア文化研究専門の方から、薀蓄をIn-putしていただいた。
「東欧雑貨ICIRI・PICIRI」(Webshopは<このページ>、手芸関連のブログは<このページ>の、、谷崎聖子女史から 「トランシルヴァニア、ブラショフ郊外のハンガリー系少数民族のベルトの一部だそうです。ここではドイツ系ザクセン人の影響で、このような豪華なベルトを装うようになったといわれています。」
貴重な情報に感謝!!今後ともハンガリー・フォークロア写真が続きます、引き続き薀蓄のほど、どうぞヨロシク^^。
谷崎女史のフォーク・アートのショップは<このページ>で、セーケイ地方での日々の暮らしのブログは<このページ>。
どちらのブログも、トランシルヴァニアの空気が伝わってくる、ナチュラルで美しい写真満載のステキなブログ。東ヨーロッパ文化にご興味の方はぜひ「ブックマーク」しておく価値あり!!

さて、本題。
18世紀ジュエリーも17世紀から引き続き、ゴージャス、デコラティヴなのだが、エナメルよりカット石の石留めが主流になってくるようだ。このカット石満載のデザインは、クリソベリル石使いのポルトガル製の物が、この時代流布していて、博物館でもよく見かける。ハンガリー国立博物館で見たものは、これよりも、やはり大型なのだが、ハンガリー的というよりは、汎ヨーロッパ的なデザインに移行していっているように見える。
Hungarian 18th century jewellery
これはルビー石で形作られたペンダント。(多分。ガーネットかも知れない・・・。)

参考までに、その18世紀ポルトガル製クリソベリル石のペンダントは、これ。

Portugues chrysoberyl jewellery, mid-late 18c
大英博物館所蔵。
18世紀にダイヤモンドのブリリアント・カットが開発されてから、ダイヤモンドの需要は一段と増す。
この、かすかに黄色味を帯びたクリソベリルは、いわばその安価な「代用品」として流行した、と聞いたことがある。
もっと安価な代用品として、ガラス・ペースト(型流しガラス)の石も、よく使用された。

Hungarian 18th century jewellery
ハンガリーに戻って、これもペンダント。
エナメルこそのっていないものの、細かいメタルのパーツが
何重にも重なっているデザインが、ハンガリーならでは。

Hungarian 18th century jewellery
こちらは、エナメルもまだ健在のよう。

Hungarian 18th century jewellery
よく似たデザイン。それにしても、ルビーが多いな。
もしかすると・・・これらも、ピンク系の色を帯びるアルマンディン(Almandine)ガーネットかも・・・。

Hungarian 18th century jewellery
ドロップ型のイヤリング。これも汎ヨーロピアンなデザイン。


Hungarian 18th century jewellery
同じくイヤリング。

Hungarian 18th century jewellery
このイヤリングは、繊細なデザイン。

Hungarian 18th century jewellery
これも可愛いデザインのイヤリング。

Hungarian 18th century jewellery
ボックスに入ったジュエリーは、髪飾りピン。

Hungarian 18th century jewellery
アップで・・・。こんな小型のデザインでも、
メタルパーツ使いで立体的なレイヤーになっているのが、特徴的。

Hungarian 18th century jewellery
リングが上手く撮れた。

Hungarian 18th century jewellery
同じくリング。この石を寄せ集めたデザインは、どちらかといえば17世紀によく見かけるもの。

Hungarian 18th century jewellery
これは、バックルかクラスプ。

Hungarian 18th century jewellery
上とほぼ同じデザインの物。上はターコイズでこれは珊瑚使い。

Detail - Hungarian 18th century jewellery
エナメルは、ご婦人方のトレンディなジュエリーからは、少し外れてきたのかもしれないが、
これはベルトの一部。エナメル健在。

Detail - Hungarian 18th century jewellery
Detail - Hungarian 18th century jewellery
同じチェインベルトのディティール。

Detail - Hungarian 18th century jewellery
これもベルトの一部。
次回はハンガリアン・ジュエリー・シリーズの最終回で、19世紀ジュエリーのイメージ。

ハンガリー国立博物館の情報は、<この標本箱ページ>の最後を参照下さい。

春夏ジュエリー追加製作と写真撮影の仕事が、詰まってきてやや更新遅れ気味・・・少しゆっくりペースになるかも。お付き合いのほどヨロシク^^。

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