Tuesday 12 October 2010

Pitt Rivers Museum (ピット・リヴァース博物館)Oxford -1-

周りの友人達はもちろんのこと、もしこの標本箱ブロブを何度か覗いた方なら・・・私がいわゆる「オタク」のジャンルに属していることは周知のことかと・・・。
その私も、イギリス(あ、もちろんフランスでも・・・)のオタク+奇人=エキセントリックスと呼ばれる先人達には足元にも及ばない。彼らの「モノ好き」ぶりたるや尋常ではない・・・と常々感嘆している。
その「エキセントリックス」の殿堂の様なミュージアムがOxford(オックスフォード)にあるPitt Rivers Museum(ピット・リヴァース博物館)。創設は1884年で、当時形成されてつつあった、民俗学・人類学の中核コレクター、ピット・リヴァース中将が、彼の世界中からのコレクションをオックスフォード大学に寄贈したことに始まる。彼のみならず、その後歴代5人のコレクターからの寄贈を受けて、現在では50万以上のアイテムを所蔵する博物館。オックスフォード大学自然史博物館と棟続き状に建てられていて、自然史博物館同様、19世紀建造当初のディスプレイ形式をよく保存している。それだけでも一見の価値あり。
南米の「干し首」だとか、世界の「仮面」(含、能面)だとか、手工芸品とか、とにかく「脈絡なく」と感じるほどさまざまな「モノ」たちが、古色豊かな薄暗い(保存のため)キャビネットに満載。
今回もまた、私の興味のフィルターでビジュアルをピック・アップしてみた。

Pitt Rivers Museum, Oxford
まずは全体像。実際はもっともっと暗い。
上階が吹き抜けのギャラリーになっている。

Cabinet
木製キャビネットに・・・、

In the cabinet...
展示品がびっしり・・・、

In the cabinet...
古色豊かな手書きラベルがステキだと思ってしまうのだが・・・。

Tobacco
タバコをテーマにした展示キャビネット。
この「みっちり」さ加減と、アナログな手書きラベルばかり見てしまう。

Crochet lace and embroidery
鉤針編みレースや刺繍のサンプル。

Bobbin lace making
ボビンレース編の展示。そういえば、この実演をブリュージュで見たことがあるな・・・。

Amulet (mostly Italian...)
主にイタリア製のお守り、護符、というかアミュレット。
この生命の木のようなものやら、チャームやら、パターンそれぞれに由来があるのだろう・・・。
中国や日本で言うところの「七宝(=おめでたい縁起物の模様)」的なものが、あるのだろうな。
ケルト、スカンジナヴィアの北方ヨーロッパ起源のイギリスとはぜんぜん違う伝統。

Talismans and magic related stuff...
このキャビネットも、迷信、呪術系。
下左のガラスの「とっくり」には魔女が封じ込められているとか書かれている。
信憑のほどはともかく・・・、私はいつでもこういった「眼」「手」「心臓」といった象徴のモチーフに興味をかきたてられる。

Keys
装飾的な鍵のコレクション。

Al-burâq
Al-burâq (アル・ブラク)

スフィンクス?と思っていたら、Flickrは知の宝庫、とある専門家がこれは「アル・ブラク」イスラム伝説上の動物で、預言者モハメッドが他界した時に、彼を天上界へ運んだ馬だと教えてくれた。
美しい女性の顔に有翼の馬の体と孔雀の尾を持つとされる。スフィンクスやセンチュアー(バビロニアの人面有翼雄牛)ととも「親戚」の古代西アジアに由来するモチーフ。

Painted stone - Saint Martyr Irene
Saint Martyr Irene (聖殉教者イレネ)

これもなにやら、ロシア・オーソドックス風のモチーフが石に描かれている・・・と思ったら、これまたルーマニア人のFlickrコンタクト氏が「ルーマニア語で聖殉教者イレネと書かれている。」と教えてくれた。

Painted eggs
ロシア名物、装飾卵。
北の国ではイースターはもっとも待ち望まれているお祭り。イースターを祝して美しい卵を贈りあう。

Game cards
初期のトランプ。


次回(多分あさって)は、同じくピット・リヴァース博物館に収蔵されている、フォーク・ジュエリーや、昔のジュエリー材料のコレクションを展覧予定。

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