Pitt Rivers Museum (ピット・リヴァース博物館)Oxford -1-
周りの友人達はもちろんのこと、もしこの標本箱ブロブを何度か覗いた方なら・・・私がいわゆる「オタク」のジャンルに属していることは周知のことかと・・・。
その私も、イギリス(あ、もちろんフランスでも・・・)のオタク+奇人=エキセントリックスと呼ばれる先人達には足元にも及ばない。彼らの「モノ好き」ぶりたるや尋常ではない・・・と常々感嘆している。
その「エキセントリックス」の殿堂の様なミュージアムがOxford(オックスフォード)にあるPitt Rivers Museum(ピット・リヴァース博物館)。創設は1884年で、当時形成されてつつあった、民俗学・人類学の中核コレクター、ピット・リヴァース中将が、彼の世界中からのコレクションをオックスフォード大学に寄贈したことに始まる。彼のみならず、その後歴代5人のコレクターからの寄贈を受けて、現在では50万以上のアイテムを所蔵する博物館。オックスフォード大学自然史博物館と棟続き状に建てられていて、自然史博物館同様、19世紀建造当初のディスプレイ形式をよく保存している。それだけでも一見の価値あり。
南米の「干し首」だとか、世界の「仮面」(含、能面)だとか、手工芸品とか、とにかく「脈絡なく」と感じるほどさまざまな「モノ」たちが、古色豊かな薄暗い(保存のため)キャビネットに満載。
今回もまた、私の興味のフィルターでビジュアルをピック・アップしてみた。
まずは全体像。実際はもっともっと暗い。
上階が吹き抜けのギャラリーになっている。
木製キャビネットに・・・、
展示品がびっしり・・・、
古色豊かな手書きラベルがステキだと思ってしまうのだが・・・。
タバコをテーマにした展示キャビネット。
この「みっちり」さ加減と、アナログな手書きラベルばかり見てしまう。
鉤針編みレースや刺繍のサンプル。
ボビンレース編の展示。そういえば、この実演をブリュージュで見たことがあるな・・・。
主にイタリア製のお守り、護符、というかアミュレット。
この生命の木のようなものやら、チャームやら、パターンそれぞれに由来があるのだろう・・・。
中国や日本で言うところの「七宝(=おめでたい縁起物の模様)」的なものが、あるのだろうな。
ケルト、スカンジナヴィアの北方ヨーロッパ起源のイギリスとはぜんぜん違う伝統。
このキャビネットも、迷信、呪術系。
下左のガラスの「とっくり」には魔女が封じ込められているとか書かれている。
信憑のほどはともかく・・・、私はいつでもこういった「眼」「手」「心臓」といった象徴のモチーフに興味をかきたてられる。
装飾的な鍵のコレクション。
Al-burâq (アル・ブラク)
スフィンクス?と思っていたら、Flickrは知の宝庫、とある専門家がこれは「アル・ブラク」イスラム伝説上の動物で、預言者モハメッドが他界した時に、彼を天上界へ運んだ馬だと教えてくれた。
美しい女性の顔に有翼の馬の体と孔雀の尾を持つとされる。スフィンクスやセンチュアー(バビロニアの人面有翼雄牛)ととも「親戚」の古代西アジアに由来するモチーフ。
これもなにやら、ロシア・オーソドックス風のモチーフが石に描かれている・・・と思ったら、これまたルーマニア人のFlickrコンタクト氏が「ルーマニア語で聖殉教者イレネと書かれている。」と教えてくれた。
次回(多分あさって)は、同じくピット・リヴァース博物館に収蔵されている、フォーク・ジュエリーや、昔のジュエリー材料のコレクションを展覧予定。
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