Sunday, 3 October 2010

納品と別注品・・・などなど

幻想的なモローの絵画の話から、突然また日常生活に話は戻る。

今日はジュエリー・デザイナー業の話。
私は基本的に、あまりコミッション(別注)を受け付ける方ではない。お客様とのやり取りの中で作品を作っていくのが好きなデザイナーもたくさんいるが、私の場合、あまりお客様の要望を聞いていると、なにがなんだか解らなくなってきて・・・デザインに集中できない。昔は商業ベースでデザイナーをしていたわけだから、クライアントの要望に答えてなんでもこなす・・・器用さんだったはず。多分それをやりすぎてプチきれたのか、歳のせいで脳が硬直しているのか・・・、今は自分のペース、自分のスタイル、自分ひとりでしか物が作れない。
とはいうものの、時折は別注の依頼が入ってくることもあり、その折には、手持ちで材料が揃う限り、Noとは言わないようにしている。
今回も2年前の春夏シーズンにネックレスをお買い上げのお客様から、コンタクトが入った。

N-9065, 9070, 9076

この写真の右端のネックレスをお持ちとのこと。そうしたら、お母様もとてもそれがお気に入り。なんとかもう一本作れないかとのこと。幸い大体似たようなブルー系のフューズドグラスのパーツが残っていた。
「できますよ」とお返事すると、実はお母様は大柄なので、長さを○○cmにして欲しい、そしてセンターピースはクロスかなにか、大型に作って欲しいとのこと。ちょうど白パールを使ったデザインなので、クロスの中心にパールを使って写真中心のペンダントのようなデザインにしてみよう・・・。

commission work

近頃はなんでもメールでやり取りできるので、話が早い。だいたい使う材料を並べて見せて了解をとる。特に今回のように、すでにお客様が私のジュエリーをお持ちでそこからの、マイナー変更の場合話は簡単。

Commission piece and top ups

さっそく作り始めてオーヴンに入れる。このコミッションだけでオーヴンに入れるのも、エコロジカルではないので・・・先日仕入れたクリスタル石を使った、シンプルなペンダントも一緒に作ってしまう。写真はちょうどオーヴンから出てきて冷ましているところ。

Commission piece and top ups

冷めたら水の中で古歯ブラシで洗って、余分のマイカ・パウダーを洗い流し、マイクロファイバー・クロスで磨く。

Commission piece and top ups
ペンダント・ヘッドの出来上がり。

Customer Order

かなり長いサイズをご希望だったので、念のため、サイドのフューズド・グラスのパーツを余分に3個ずつ作っておいた。それが役に立った。2個ずつだとポイントが中央にかたまりすぎてしまうところ・・・。
現物を手にしない状態でお買い上げの場合は、少しでも解りやすくするために、このような全体像も撮って送る。本格的なメールオーダーの場合は、ペンダントヘッドのアップ、裏面のアップなども添付する。すでに私のジュエリーを実際にご存知の場合はそこまでしないが・・・。

Caroline's necklace

お揃いのピアス・イアリングもご希望だったので、一緒に写真撮り。幸い大変お気に召した様子。作り甲斐があるというもの。


N-1410-19, N-1420-24
一方、クリスタル石を使ったペンダントも、チェーン部完成で出来上がり。


Angelina's necklace

こちらは、長年の取引先のブライダル・ショップとの打ち合わせ。白黒コピーはその店だけのために、ここ5年近く作り続けている定番の3連パールネックレス。いくら写真が進化しているとはいえ、正確に実寸を記録するためには、コピーは必要。ここの定番デザインのみ、コピーも保存している。
問題は・・・、コピー上の従来のデザインに4個使用していた、楕円形のクリスタル石が、イギリスの仕入先業者に入ってこなくなったこと。やむなく、近いサイズで手に入りやすい8角形の石に変更するべく・・・サンプルを作って交渉中。


Going to a gallery in York...

こちらは、York(ヨーク)のギャラリーへの納品分。送りの前に、写真撮りしてみてもらい、最終確認。
この子達は、今頃もうギャラリーに並んでいるはず。


N-1317, N-1318
N-1317, N-1318
N-1318 Delivery to Jody

カナダからネット上の作品を見て問い合わせが来た。先にも書いたが、メールオーダー形式の場合、上のイメージ写真だけでは、ジュエリーのディーティールがどうしても正確には伝わらない。白っぽいヴェルヴェットの上で全体像を撮って、ヘッドのディーティール、裏面のディーティールも添付する。ヘッド・サイズと、全体の長さ、使用素材も知らせる。今回はFlickrのジュエリー・セットから好みを尋ねて、近いものを手持ち在庫から4点選んで、それぞれ同様のディティールを送ってみてもらった。結果、このN-1318がお気に召して、お買い上げ決定。
お支払いは、Paypal経由で請求書を送ると、その手順に従って簡単に海外からでもお支払いいただける。実に便利な世の中になったものだな・・・。この1318君は明日カナダに送り出し。

そうこうしていると、大型のペンダントがまだ10月頭だというのに、半分以上出ていってしまった・・・。これではクリスマス商戦のりきれないので、追加生産に入る予定。そんなわけで・・・快調に毎日更新で飛ばしてきたこのブログも、しばらくのあいだペースダウンするかも・・・多分、2日に一回ぐらい。よろしく、ぼちぼちお付き合いのほど。

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