Gustave Moreau (ギュスターヴ・モロー)美術館と絵画 -4-
一昨日から引き続いて、パリの「ギュスターヴ・モロー美術館」に話は戻って、最終回。今日はモローの暮らした部屋を展覧。
画家としてデヴューした1852年に、建築家の父の援助もあって(イギリスの、モリスやバージェス同様、モローも典型的な中産階級出身の画家)一家で住み始めたこの家に、モローは1898年に亡くなるまで46年住み続けている。生前からここを自身の芸術を集大成する「ミュージアム化」を構想していた彼の遺言によって、部屋の調度品のレイアウトも、一切変更されていないとか・・・。
書斎のデスクの上。ついさっき、彼が席を離れたところ・・・のように見える。
書斎。
書斎の鏡に映る、壁面のディスプレイ。壁はぎっしり絵画で埋め尽くされている。
自身の作品のデッサンやコピー以外にも、彼の愛する先人達の作品のコピーが数限りなく・・・。
書斎のキャビネットの上。
ギリシャ神話をモチーフに描く参考なのだろう。キャビネットの中は、ギリシャの壷がこれまたぎっしり。
キャビネットの別の棚にはミニチュアの彫像。
19世紀のキャビネットの、手流しガラス板越しに、不思議なエフェクト・・・。
これは彼の寝室。
彼のカップ。お茶が残っていても不思議ではない・・・。
同じく寝室。
彼のこととて、一人チェスだろうか?
寝室の棚。
居間の暖炉のディスプレイ。
居間。右のキャビネットの中に・・・、
愛猫の写真。この子はShah(シャー)という名のよう。
デッサンの中に、何枚か三毛猫を描いたものがあり、その子はQui-qui(キキ)という名前。モロー氏、猫好きと見た。
ダイニングルーム。
同じく、ダイニングルーム。
右の棚の中の、爬虫類を立体的に描いた陶器は、19世紀にイタリアから流行ったもの。
かなりグロテスクだが、蛇やらドラゴンを描くモロー氏なら解らないでもない・・・。
ダイニング・チェアー。
階段。
このミュージアムのトイレが、19世紀のスタイルで使われて、実はこれまた興味深いのだけれど・・・さすがに、熱心に写真を撮るのがはばかられて(一つしかないので、いつでも誰かが並んでいる・・・笑)、残念ながら載せることができない。もし訪れられたら、トイレにもぜひ行ってみてください。
トイレはともかく・・・ゆっくり一日かけてアトリエに座り込んで絵を見ていると、彼の気配を感じるような気がする。前に立って、たまに振り返って説明するかのように、私の方を見ているような・・・。いまだにモロー氏との対話ができる空間がこの美術館。
明日は、モロー氏ついでに彼の水彩画を展覧予定。
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