Saturday 18 May 2019

Staying Antibes - digest (アンティーブ滞在ダイジェスト)-3-

アンティーブ滞在8日目~最終日までの様子を、日記形式で標本箱に詰め込む最終回。
まずは、8日目・火曜日から。

Working on Peter's website
今日はおじさんの自由行動日で、
本当はニースに行くつもりだったけれど、
鉄道で行って、駅から、おじさんならトラムに乗り換えて、
それでやっと海岸線に出る・・・というような話をしていたら、
面倒くさくなったようで、アンティーブ南部の海岸に
バスで出て、そこでのんびり過ごすことにした様子。
(ヴァンを出して行くのは、もっと面倒くさいらしい。)
いやまぁ82歳、ここのフェアに参加できただけでも
大した元気。無理せずにのんびりしときましょう。

そんなわけで、私は朝から遅い午後まで、ブース番。
おじさんの新作箱の写真はもう仕上がっていたけれど、
それをプリントにオーダーして、ル・シャトー配達を手配、
Flickrに写真をアップロードして、
そこからHTMLを拾って、おじさんのWebアーカイヴ
を更新するヂミな作業を、ブース番しながらチマチマと取り組む。
おじさんのBlurb本が売れたぐらいで、
これまた、「特記すること何もなし」な、一日。

**********

9日目・水曜日は、朝のブース番。
ランチの後に、おじさんにブース番を交代して、
自由時間なんだけれど、今日は5月1日のメーデーで
(UKではその次の月曜が祭日になる習慣)、
フランスでは、観光中心部のカフェ・レストラン・スーパー以外は、
博物館も、お店も、マーケットも何もかも閉まっている。
やむなく、私も、アンティーブから半島の反対側にある、
美麗な砂浜ビーチというのを見に行くことにした。

Antibes
アンティーブの旧市街を抜けて、
バス停に向かっているつもりが・・・、

Antibes
やはり・・・、開いていたジェラート屋にやられる。
で、2スクープも食べてしまったものだから、
これは20分に一本のバスを待っている場合ではない。
(祭日のバスの便も定かでないし)
カロリー消費のために歩かねば。

antibes-walk
昨日おじさんがバスで行ったのは、
アンティーブの南にあるPlage du Ponteil(ポンテイユ)というビーチ。
私は隣町の、Juan Les Pins(ジャンレパン)の
長い砂浜ビーチを見て、
その後ポンテイユに向かって、半島を横断して、
アンティーブに戻るというルート。
ジャンレパンまでは、1.4kmなので、
ま、25分も歩けば着くでしょう。

Juan Les Pins
道の途中が丘になっていて上り坂がきつい、
という予想外なことがあったけれど、
これも運動のうち。なんなくジャンレパン到着。
しかしまぁ、街が新しくて・・・なんというか、
ちょっとチープな感じ。

Juan Les Pins, beach
たしかにここはまさしく砂浜、それも見渡す限り続いている・・・
のだけれど、なんだかなぁ~。

Juan Les Pins, beach
というのはこれ。
ビーチに沿って、びっしりと建っているのは、
すべてカフェ・バー・レストランで
(ポップミュージックをガンガンかけている)、
それらがまたビーチ・ラウンジ・チェアをびっしり
3-4列に敷き詰めている(それもオレンジ!!)。
なので、自然なビーチはほんの数メーター。
う~~~む、なんとも俗っぽい。
地中海は満潮と干潮の差が少ないそうだけれど、
高潮にあって、全部沈んでしまえと一瞬思った(笑)。

街も全体に新しくて、古いもん好きの私には、
見るものまるでなく、そそくさと次のビーチに向かう。

Beach Salis
ここが昨日おじさんのまったりしていた、
ポンテイユのビーチ。
ここはもう自然に任せてあるというかなんというか。
先日の嵐のせいかどうだか知らないけれど、流木がいっぱい。
そういえば、おじさんも一本スティック代わりに拾ってきてたな。

このビーチは向こうにアンティーブの町の砦が見えて、
そのまたずっと向こうには、雪をかぶったアルプスも見える、
とういう点では、風光明媚。

ここでしばらく休憩してから、
アンティーブに向かって歩き始める。
もちろん、歩いて戻りますよ、私は。

Walking back to Antibes
アンティーブの町の南の端。

Walking back to Antibes
さっき座っていた、ポンテイユのビーチを振り返ったヴュー。

この後フェアの会場に戻ったら、
最終日一日前になってやっと、シリアスな顧客が増えて、
おじさんもゴキゲンだった。

**********

10日目・木曜日はフェアの最終日。
昨日ブースを見て、今日戻ってくるといっていたヴィジターも、
何組かいたそうで、今日は朝からおじさんはやる気満々で、
朝からブース番。

私は、どうしても見たいところが一つあったので、
午後に合流することにして、
まずは鉄道駅に向かう。

Antibes station
今日の行き先は、ニースからまだ2駅先、電車で45分の、
Beaulieu-sur-Mer(ブーリュー・サル・メール)という駅。

Beaulieu-sur-Mer
駅を降りたら、崖が迫っている。
実のところ、私は真っ平らに開けた土地が好きで、
風景として、山がちなところが苦手。
こんな風景を見ると、なんだか息が詰まりそうな圧迫感を感じる。
ま、反対側は、海が開けているのだけれど・・・。

駅から、反対側に5分も歩くと海岸線が開けている。
その海岸線に建つ屋敷がこれ。

Greek Villa Kerylos
Greek Villa Kerylos(ギリシャ風ヴィラ・ケリロス)。
ここの写真をインスタで見て、ぜひ来てみたかったところ。
もう一つ、半島の先に、Villa Santo Sospir
(ヴィラ・サント・ソスパイア)という、
ジャン・コクトーの壁画のあるヴィラがあるのだけれど、
ここは修復中で、来年にならないと公開されないのだった。

Greek Villa Kerylos
20世紀初頭に、建築家Emmanuel Pontremoli
(エマニュエル・ポンテルモリ)のデザインで、
考古学者とその妻のための別荘として、
紀元前2世紀のギリシャのヴィラをモデルに建てられたもの。
ちなみにこの奥様、
ロシア系ユダヤ人財閥家の出身だそうで、
その資本力に、なるほど、と、妙に納得したのだった。

Greek Villa Kerylos
中庭。

Greek Villa Kerylos
図書室。
家具から、ライトまで、ディティールのデザインに驚かされる。
様式の根底に、同時代のクリムトや、
ウィーン分離派と同様の装飾様式が流れている。

Greek Villa Kerylos

Greek Villa Kerylos

Greek Villa Kerylos
寝室。

Greek Villa Kerylos
屋敷を取り巻く、細長くて狭い庭からの眺め。

このお屋敷を堪能して、午後早くにまた電車で
アンティーブのフェアに戻る。
最終日になって、やっと作品の引き合いが入ったおじさん。
一つの箱は、同業者ディーラーのお買い上げなので、
梱包する必要がなくて、ラッキーだったそう。

それでも、全体に客層が今までと全然違って、
おじさんの作品に興味を示すのは大半が、
やっぱり北ヨーロッパから来ている人たちばかり。
ロケーションが違いすぎたね・・・という結論で、
今回が最初で最後の参加になった。

とにかく、フェアの終わる7時半から撤去作業開始。
私もこのために軍手持参ですよ。

Break down done
二人ががりで取り掛かったら、作業はあっという間。
1時間で撤去終了で、おじさんにっこり。
あとは、明日の朝おじさんのヴェンに積み込むだけ。
「だけ」なんだけれど、これの方が作業量は多い。
そして、ヴァンを停める場所の取り合いになるので、
とにかく早く、会場の開く7時にはヴァンを乗り付けておくことに。
なので、この日は早寝でした。

**********

11日目・金曜日は滞在の最終日。
まずは、朝一番の積込みから。

Antibes morning
出かける準備に時間のかかる私は、5時半起きで、
7時前には、会場入り口前にヴァンを乗り付ける。
7時前の会場前ハーバーの眺め。

これからが大仕事なんだけれど、
うまく入口前に車をつけることができて、
その上、ラッキーなことにオーガナイザーの、
大型手荷物トロリーを借りることができて、
一気に4箱ずつ運べて、作業が大いにはかどる。
私もジムで鍛えているので、トロリーなしでも、
10-15kg級の箱を両手提げで、一気に2個運べるよ(笑)。

Loading done
そして、1時間後の8時過ぎには積込み完了。
記録的な速さ。

この後もう一度ヴァンを駐車場に戻し、
アパートに一度戻って、
おじさんの荷物を階段下まで下ろすのをお手伝い。
(アパートの部屋は4階で、エレベーターなし・・・。)
そして、自分のスーツケースも。
アパートのカギを指定のポストに返却してから、
おじさんは、駐車場へ。
ノルマンディーへ途中一泊して、2日がかりのドライヴ。
おじさんと、さようならを済ませてから、
私には、空港バスまで3時間の自由時間。
町(で唯一の!!)の荷物預かりの店
LuggageStorage Antibesに向かう。

IMG_20190426_094533-01
TGVの停まるような都市の駅には(ニースなど)、
コインロッカーがあるのだけれど、
アンティーブは小さい駅なのでコインロッカーはなし。
昨年オープンしたというこの店を、
Netサーチで見つけることができて、ほんとによかった。
一時間 €1の預かり料も安くてありがたいー、助かるー。
鉄道駅から歩いて5分のところにある。

Antibes
旧市街を抜けて、

Marché provençal, Antibes
ローカルフード・マーケットへ。

Marché provençal, Antibes
ここで、配遇者氏からのお土産リクエスト、
ラベンダー・ハニーを調達。
スーパーで買うよりローカル色豊かで、お土産に最適。

Musée Picasso
そこから、近くにあるMusée Picasso(ピカソ美術館)へ。
建物はその昔の要塞城だったところで、
1946年にピカソが9ヶ月(だったかな?)
ここに住んで、アトリエを構えて、制作活動をしていて、
その時の作品の大半を、町に寄贈した。
これらを中心にして開設された美術館なのだそう。
展示の半分は20世紀後半の、
他の画家の作品など企画展で、
実際のピカソの作品は少ないと、
レヴューでは不評もあったので、
そして、個人的には、お芸術のピカソというよりは、
装飾性の高いスタイリッシュなコクトーの方が好みだし・・・
などと、あまり期待はしていなかったのだけれど、
実際見てみたら、作品数も意外と多くて、
かなりコクトーにも合い通じる、装飾的な
(工芸的な)作品が多くて面白かった。

Musée Picasso
陶芸作品が壁一面に。
これが最大のヒット。

Musée Picasso
絵画ではこのファウヌスがキュートでツボ。

Take away lunch
ピカソ美術館の後は、店に入る時間はもったいないので、
デリでテイクアウェイしたものを、
海の見えるベンチでサクサク食べて、ランチに。

Antibes Cathedral
その向かいに建つ、
アンティーブ大聖堂を一応覗いてみる。
かなり近年の修復が入っていて、あまり古風ではないので、
さらっと流したところで、そろそろ時間切れ。
荷物を引き上げて、空港バスの来る、
バスターミナルに向かう時間。

Antibes
さようなら、アンティーブ。

Nice Airport
250番空港バスは、ほぼ時間通りの発着で、
40分でニース空港、ターミナル1到着。

Back to London, flying over Richmond
帰りのフライトも問題なく時間どおりで、
ヒースローに予定より15分早く着いたぐらい。
写真はリッチモンド上空を通過中。
スター&ガーターやハムハウス、
写真左上には、うちの隣町キングストンの橋が見える。
やっぱり、おウチが一番、ロンドンが一番和める^^。

フェア自体はビジネス的にはイマイチだったけれど、南仏滞在を楽しんでいたおじさん。
とはいうものの、ヴァンに積み込んで、フェア会場に1-2週間詰めて(今回は3週間!!)・・・というようなプロセスが、段々大変になってきたみたいで、今回を最後にアートフェア引退宣言が出た。
ル・シャトーに作品を見に来てください、の、スタイルはもちろん変わりなしで、「もうそれで充分」なのだそう。
なので、おじさんのフェアにアテンドで、私の年1-2回のコンチネンタル(ヨーロッパ大陸)出張も終わる。
ここ数年役得で、いろいろな街に滞在して、見て回ってとても楽しかった。 ペーターおじさんどうもありがとう。
これからも、夏にはDanaさんとアネックスに押しかけては、季節労働者と化すことには変わりないので、おじさん、今後ともよろしくね。 そしていつまでもお元気でね !!



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