Friday 15 February 2019

Kunsthalle Hamburg (ハンブルク美術館)のイメージ、2回目は、17世紀~18世紀の絵画作品を。

The Rest on the Flight into Egypt, Sudniederlandisch, 1520-30
とか言って・・・、時代順に行くとこれはまだ16世紀だった。
16世紀前半の南オランダ(作者は不明のよう)絵画
「エジプトへの逃避」

Detail - The Rest on the Flight into Egypt, Sudniederlandisch, 1520-30
宗教画の中に、どんどん風景画の要素が盛り込まれていく。
「幼児殺戮」されているわけだけれども・・・、
そこを省いたら、のどかな風景。

この美術館には、
17世紀オランダ絵画コレクションも充実している。

The Assumption of the Virgin, Peter Paul Rubens, c.1616
1616年頃の、Peter Paul Rubens(ルーベンス)の
「The Assumption of the Virgin(聖母被昇天)」。

Detail - The Assumption of the Virgin, Peter Paul Rubens, c.1616
これはエスキースで、本作品は、
ブラッセルズのChapel Churchの祭壇画で、
現在はデュッセルドルフの美術館、Museum Kunstpalastに収蔵されている
この>作品かと。
逆にエスキースってことは、
(それを元にスタジオ制作される、本作品と違って)
ルーベンス御本人の手になるものかと。

River Scene, Salomon Jacobsz. van Ruysdael, 1645
17世紀中頃の「雲の画家」Salomon van Ruysdael
サロモン・ファン・ロイスダール)の、
「River Scene(川の風景)」。

Detail - River Scene, Salomon Jacobsz. van Ruysdael, 1645
海運事業の隆盛で黄金期を迎えた、
17世紀オランダでは、富裕市民階級が増大して、
宗教のためではなくて、
屋敷を飾るための絵画の市場が出来上がってくる。
こうして、風景画や静物画が、
どんどん制作されるようになったのだった。

Still Life with Flowers and a Curtain, Jan van Rossum, 1671
「Still Life with Flowers and a Curtain(カーテンと花のある静物画)」
Jan van Rossum, 1671年。

Still Life with Flowers, Rachel Ruysch, 1691
「Still Life with Flowers(花のある静物画)」
Rachel Ruysch, 1691

Ornate Still Life, Willem Claesz. Heda, 1638
「Ornate Still Life(装飾的な静物画)」
Willem Claesz. Heda, 1638

Detail - Ornate Still Life, Willem Claesz. Heda, 1638
静物画は、ほとんど写真であるかのように描き込まれているので、
当時の食器や、食生活の資料にもなっている。

The Messenger of Love, Pieter de Hooch,c.1670
それはインテリアについてもいえることで、
インテリア系の風俗画の多い、Pieter de Hooch
ピーテル・デ・ホーホ・・・
あー、英語読みのフーチの方がなじんでるんだけどな)、
の作品は、歴史インテリア好きにはたまらない魅力。
「The Messenger of Love(恋のメッセンジャー)」1670年。

Detail - The Messenger of Love, Pieter de Hooch,c.1670
そう、この絵の中にあるように、どこの家にも、
どこの部屋にも絵画が飾られるようになった。

Cabinet of Curiosities, Johann Georg Hinz, 1666
そして、17世紀オランダといえば、キャビネット・オブ・キュリオシティーズ
この絵がここに入っているので、見に行きたかったのも、
ここを訪れた理由の一つ。(で、大きく載せてるし・・・笑)。
Johann Georg Hinz, 1666年

Detail - Cabinet of Curiosities, Johann Georg Hinz, 1666
特に、この宝石箱と時計。ステキすぎる。

A Lute Player, Meister der weiblichen Halbfiguren, c.1520-40
「A Lute Player(リュート奏者)」Meister der weiblichen Halbfiguren
(女性半身像のマイスター)1520-40年
画家(工房)の名前は伝わっていなくて、
半身像の女性をよく描いているので、便宜上こう呼ばれている。
かなり大きな工房だったようで、
ローカントリーズで、60-100枚の作品が発見され、
この工房の制作と確認されているそう。
比較的小型の作品が多く、落ち着いた美しさのあるテーマと共に、
どこのご家庭にも一枚あってもいい・・・的な、
人気工房だったのかも。

Street View, Jacobus Vrel
「Street View,(通りの眺め)」Jacobus Vrel
フーチ(ホーホ)と同じ流派に、識別されている17世紀中頃の画家。
デルフトとハールレムで活動していたそうなので、
この風景もそのどちらかのものと。
フーチより、もう少し庶民的で、画風も素朴。

The Oude Kerk in Amsterdam, Emanuel de Witte, 1659
インテリアといえば、教会もよく描かれている。
これは1653年「The Oude Kerk in Amsterdam(アムステルダム旧教会)」
Emanuel de Witte(エマヌエル・デ・ウィッテ)。

Detail - The Oude Kerk in Amsterdam, Emanuel de Witte, 1659
今もそのまんまだし。
標本箱の旧教会は<このページ>に。
(なんだか、写真を回してきているFlickrの方で、
バグっているみたいで、写真が表示されてないけれど、
写真のリンクをクリックで、Flickrの写真ページは開きますよ。)

Interior of a Medieval Church, Hendric van Steenwijck d.A., c.1585
「Interior of a Medieval Church(中世の教会のインテリア)」
Hendric van Steenwijck 1585年頃。
同名の父と子がいるのだけれど、製作年から、多分父の方かと(?)。

Detail - Interior of a Medieval Church, Hendric van Steenwijck d.A., c.1585
活動していたアントワープか、フランクフルトの教会。
上の全体像では、ホッケーのスティック持っているように見える、
2人の男性は、長いキャンドルを持っていたのか・・・。
チャペル内の高い蝋燭に火を灯す係の人のよう。

Roman Ruins, Giovanni Paolo Pannini,
ここからは、18世紀イタリア絵画に移って、
「Roman Ruins(ローマの廃墟)」
Giovanni Paolo Pannini(ジョバンニ・パオロ・パンニーニ

Capriccio with Roman Ruins and Motifes from Padua, Giovanni Antonio Canal, c.1740
イタリア18世紀といえば、Canaletto(カナレット)でしょう・・・と思ったら、
やっぱりちゃんと入っていた。
「Capriccio with Roman Ruins and Motifes from Padua
(ローマの廃墟とパドヴァからのモチーフのあるカプリーチオ(幻想画)」1740年頃。

Detail - Capriccio with Roman Ruins and Motifes from Padua, Giovanni Antonio Canal, c.1740
風景のディティール。

Veduta Ideale with Palace Staircase, Canaletto, 1762
同じくカナレットの、1762年の作品、
「Veduta Ideale with Palace Staircase
(宮殿の階段のある理想的な眺め)」。

Detail - Veduta Ideale with Palace Staircase, Canaletto, 1762
カナレットの作品はかなり大型で、
これだけ細かく描き込まれていて、
その上、生産量がハンパない。
複数のアシスタントを使うスタジオ制作方式でもない。
なので、かなり早描きだったんだろうな・・・と想像する。
で、いつでもタッチを興味深く観察してしまう。

Detail - Veduta Ideale with Palace Staircase, Canaletto, 1762
このぷくぷくした人物描写はカナレット独特のもの。
早描き・・・早描き(笑)。

Detail - Veduta Ideale with Palace Staircase, Canaletto, 1762
カナレットの作品はヴェニスを描いたものが多いのだけれど、
主なクライアントは、当時グランドツアーで、
イタリアにやってくる英人貴族だったそうで、
最大のコレクションは英国王室なのだとか。
(George III(ジョージ3世)のコレクション。)
で、1840年に始まったオーストリア継承戦争の影響で、
英人貴族のグランドツアーが激減すると、
在ヴェニス英人エージェントのアレンジで、
1846~55年までイギリスに滞在して制作。
その後、ヴェニスに戻り1868年になくなる直前まで、
制作を続けている。

今回はこのあたりまでで・・・、
次回はフリードリッヒ~ドイツ象徴派のあたりのイメージを。



Kunsthalle Hamburg (ハンブルク美術館)

Glockengießerwall, 20095 Hamburg, Germany

Map:









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