Thursday, 25 May 2017

Huis Van Gijn(ファン・ヘイン博物館)-2-

南オランダ、Oude Maas(オウド・マス)川に面した、水の町Dordrecht(ドルドレヒト)のお屋敷博物館、Huis Van Gijn(ファン・ヘイン博物館)から引き続き。

Huis Van Gijn, Dordrecht
前回の、ダイニングルーム-「赤のサロン」-リヴィングルームが、
一列に連なった部屋で、それらを繋いで、
玄関から裏の庭まで廊下がのびている。

Huis Van Gijn, Dordrecht
庭に向かったヴュー。
この廊下は、ヘイン氏のセラミック・コレクションの、
展示ギャラリーでもある。

Huis Van Gijn, Dordrecht
オラニエ家及びオランダの歴史を愛好したヘイン氏の
セラミックコレクションには、オラニエ公のコメモラ(記念アイテム)物が多い。
18世紀デルフト、オラニエ公ウィレム5世と、ヴィルヘルミーネ・フォン・プロイセンの
婚礼を記念した1767年の絵皿。
このシリーズはよほど色々作られていたようで、
アムスの国立博物館には豪華なヴァージョンが、
Pおじさんのル・シャトーにも、素朴ヴァージョンがコレクションされている。

Huis Van Gijn, Dordrecht

Huis Van Gijn, Dordrecht
これは、アムスの国立博物館に入っているもの<このページ>と、
同じ窯元のヴァージョンかと思われる。

Huis Van Gijn, Dordrecht
これは、お父さんの方のWilliam IV, Prince of Orange(オラニエ公ウィレム4世 )
を描いたタイル画。

Huis Van Gijn, Dordrecht
オランダ兵を描いた、デルフトタイル。
ま、後々、なにか「モドキ」ものの元ネタになるのでは・・・
という目論見で、色々撮っておく。

さて、「赤のサロン」から、その廊下を挟んで、
向かい側、同じく表に面した部屋が、この豪華な部屋。

Huis Van Gijn, Dordrecht
建物建造の翌年、1730年にインストールされた、The Hall(大広間)。

Huis Van Gijn, Dordrecht
木製パネリングにタペストリー。
19世紀にここに引っ越してきたヘイン氏も、
この部屋の保存に熱心で、遺言にも現状のまま維持する旨、指示されていた。
オランダの個人邸宅で、タペストリーがインストールされている、
最も古い例なのだそう。

Huis Van Gijn, Dordrecht
この部屋が、公式の応接室なので、
前回も書いていたけれど、正式の晩餐会はこの部屋で催されたものと。

Huis Van Gijn, Dordrecht
もう一度廊下に出て、庭に近い奥の方にある階段を上る。
この階段の天井には、18世紀にこの屋敷を建造した、
初代オーナー、Johan van Neurenbergとその妻の紋章が、
スタッコ・レリーフで描かれている。

Huis Van Gijn, Dordrecht
2階の廊下部分。
階段の壁には、ヘイン氏の武具のコレクションが飾られている。
右側のドアの奥は、晩年のヘイン氏の部屋で、ここはまた次回に。

Huis Van Gijn, Dordrecht
で、まずは、廊下部分。
ここでも、下階の廊下部分と同様、
コレクションの展示に使われている。
ちょうど17世紀、イギリス貴族の大屋敷の、Long Hall(ロング・ホール)が、
先祖の肖像やお宝の、ディスプレイ・スペースとして使われていたのと、
アイディアとしては同じかもしれない。

Huis Van Gijn, Dordrecht
英蘭戦争の英雄達の歴史に詳しいヘイン氏に相応しい、
モデル・シップのコレクション。

Huis Van Gijn, Dordrecht
セラミック、ガラス器のコレクションを収めたキャビネット。

この廊下の先の部屋にまず、向かってみる。

Huis Van Gijn, Dordrecht
17世紀後半の、個人邸宅の壁に使われた、
ギルト・レザーが現存する唯一の例。
これは、正確にはヘイン氏時代には、ここにはなかった。
この内装は元々はドルドレヒトのDe Rozijnkorfと呼ばれる屋敷のもので、
ヘイン氏も興味を持っていたようで、彼の手帳にそのことが記されている。
その後同じドルドレヒトのコレクターに、この内装は売却され、
彼の死後、オークションにかけられたが、
その後の行方がわからなくなっていた。
1992年にハーグとレイデンの間にある町、
ヴァッセナールの屋敷で再び発見され、この博物館に売却された。
2001年より、ここで修復公開されているもの。

Huis Van Gijn, Dordrecht
天井画パネルは、キャンバスに描かれたもの。

Huis Van Gijn, Dordrecht>
その次の部屋は、図書室。
中央に見えるドアで、隣の書斎につながっている。

Huis Van Gijn, Dordrecht
その暖炉には、19世紀にインストールされた鋳物のストーブ。

Huis Van Gijn, Dordrecht
そしてこれは・・・、Bavelaartje(バーファラチェ)ではないだろうか?
バーファラチェの話は<このページ>に。


次回は、引き続き、この隣の書斎のイメージから。



Huis Van Gijn(ファン・ヘイン博物館)

Nieuwe Haven 29-30, 3311 AP Dordrecht, Netherlands

開館情報などは英文で<このページ>に。

地図:






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