Huis Van Gijn(ファン・ヘイン博物館)-1-
3月後半に、Pおじさんのベルギー、メヘレンでのアート・フェアの撮影兼、Net広報お手伝いで滞在していた時、自由時間に訪れたDordrecht(ドルドレヒト)の博物館、 Huis Van Gijn(ファン・ヘイン博物館)のイメージを今回から3回にわたって。
その時滞在していたのは、ベルギーのブラッセルズとアントワープの中間にある、メヘレンという町。
ここから、この博物館を見たいがために、オランダのドルドレヒトに一泊滞在した。
話だけ聞くと、どんだけ遠いのかと感じるけれど、北ベルギーのメヘレンから、南オランダのドルドレヒトは距離にして約100km、ロンドンから、オクスフォードやケンブリッジに出かける程度の距離で、1時間に一本直通の特急Intercityに乗ると、1時間10分程度で着く。
なので、最初は日帰りを考えていたのだけれど、ドードレヒト博物館もいい収蔵品を持っているということだし、町自体が美しいのと、ここに住むPおじさんのお友達の老婦人を「慰問(?)」することを頼まれたので、それなら、一泊してゆっくりすることにした、という経緯。
その最大の目的、ファン・ヘイン博物館。
ここは、いわゆる、お屋敷ミュージアムで、1729年建造のタウンハウスに、1864-1922年に住んだ裕福な銀行家Simon van Gijin(シモン・ファン・ヘイン)がコレクションした、アート、クラフト、家具、おもちゃなどが、当時のままに展示されている。
1922年の彼の死後、遺言で屋敷は彼の生前の状態を出来る限り保った上、1925年以来博物館として公開されている。
ちなみに・・・オランダ語(特にPおじさん!!)の発音は難しくて・・・この「Gijin」を、日本語カナ表記では「ヘイン」と書かれているので、準じたけれど、正確には「へ」音は喉に絡ます発音。とてもじゃないけど聞き取れなくて、つまり、もともと自分では発音できなかった・・・(笑)。
入り口を入って、順路の最初にあたるのが、キッチン。
モールド(型)を使った、典型的な19世紀のプディング。
野菜達。
作業テーブルの反対側の壁面には、ファイヤープレイス。
18世紀の建造当時から、このキッチンのレイアウトに、
ほとんど変更はないのだそう。
ただ、18世紀にはオープン・ファイヤープレイスだったのだろうけれど、
この当時最新式の、鋳鉄のオーヴンが19世紀に導入されている。
調理全般に使われるのみならず、ボイラーとしても機能していて、
お湯をいつでも供給できるようになっているので、
24時間火は入れたまま保たれていた。
そして、その上部のコンロ部分で、加熱調理する。
キッチンの奥に設置された食器棚。
こことはまた別に、後出の食器収納室が設けられていたので、
ここのものは日常使いだったのかな・・・と想像する。
洗い場はキッチンに繋がる小さな部屋に位置している。
キッチンの横の階段下に設けられたpantry(パントリー=食品保管庫)。
現代のように、季節関係なく野菜が、
世界中からスーパーに並ぶ時代ではないので、
旬のものを、ピクルスやジャムなどの保存食にしておいた。
冷涼なヨーロッパでは卵も、常温保存。
冷蔵庫に入れるようになったのは、20世紀の後半じゃないかな?
キッチンとは別に設けられた食器収納室。
ここの食器はのは、キッチンに収められている
デルフト系(多分?)の食器と違って、
マイセン系(これも多分?)のボーンチャイナのフル・サービング・セット。
なので、これはヘイン氏が頻繁に催していたといわれる、
晩餐会など、来客用のものだったのかな・・・と、これまた想像する。
小物のアレンジが、とても絵になる。
カトラリーやら、ガラス器。
キッチンなどのバックステージばかり見ていたけれど、
これがメインのダイニングルーム。
現状で8人、テーブルを延長しても、12人ぐらいが座れる部屋なので、
富裕階級のダイニングルームにしては、比較的こじんまりしている。
もしかしたら、ここは家族的なダイニングルームで、
正式の晩餐会には、次回登場する「ホール」が使われたのかもしれない。
1886年の改装時に、再設計されたこの部屋は、
ウッドパネリングの上部に、壁画と、天井画が施されている。
Constantijn Muysken設計の、ダッチ・ルネサンス・リヴァイヴァル様式。
廊下の反対側は、コンサバトリーにつながっている。
このコンサバトリーというのも、
19世紀にボイラーからの暖房が普及するようになって、
冬の間に「屋外感覚」を楽しむために、設計されるようになった。
また、内部の部屋への、冬場の寒気に対する
インシュレーションとしても、機能している。
奥に見えている、真っ赤なインテリアは、
奥様の応接室。
その「赤のサロン」。
この部屋も、隣のダイニングルームと同様にMuyskenのデザイン。
ダイニングルームと繋がってはいるものの、
引き扉で、別の部屋に仕切られるように設計されている。
ダイニングルームを挟んで、「赤のサロン」の反対側に位置する、
リヴィングルーム。
家族や近しい友人とくつろぐための部屋で、
ピアノを楽しんだり、ゲームや朗読で、時を過ごした。
その、リヴィングルームの暖炉。
次回も引き続き、ファン・ヘイン博物館より。
Huis Van Gijn(ファン・ヘイン博物館)
Nieuwe Haven 29-30, 3311 AP Dordrecht, Netherlands
開館情報などは英文で<このページ>に。
地図:
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