Bern Historical Museum(ベルン歴史博物館)-1-
翌日は、また別の博物館へ向かう。
ここはどちらかといえば、私の守備範囲でBern Historical Museum(ベルン歴史博物館)。 たいていどこの街に行っても、時間があって博物館・美術館を見に行く場合、工芸・歴史・民芸関係の博物館が、美術館より優先、という傾向があるので。
この博物館は、名前通り、ベルンの歴史に関する展示が主で、他に1フロアが、ベルンに在住していたアインシュタイン博物館に充てられているのと、一階の一部はエジプト・アジア・オセアニア等の工芸品の展示に充てられている。
博物館の正面。
1894年建造の建物は、15-16世紀の城の様式をリバイバルさせたもの。
19世紀の世界的トレンド「なんでもリバイバル」の一環。
ファサードのモザイクは、どことなくミュシャを思わせる・・・、
ちょっと、アール・ヌーヴォーが入ってきている雰囲気。
自分的に一番興味のある、優先順位高い中世展示室にまず直行。
Millefleur tapestry, Brussels(?), ca 1466
15世紀ブラッセル製のタペストリー。
スイスは典型的なプロテスタントの国なので、イコノクラスムも相当あったようで、
お宝があまり残されていない。(それもあって、ベルン大聖堂は見に入らなかった。)
なぜだか背景は知らないけれど、タペストリー類が充実している。
Adoration of the Magi tapestry, Brussels or Tournai, ca 1450-60
「マギの礼拝」これもブラッセル製のタペストリー。
クローズアップ。
詳細不明だけれど(14世紀じゃないかな?)、
「聖母戴冠」の刺繍パネル。
その、サイドパネルの聖人さん達。
これは、もっと古い・・・、13世紀かも?
様式がビザンティン。
ツバメのような翼の天使君。
この一角にはタペストリー修復室があって、
ガラス越しに見ることができる。
PC上で拡大して、
タペストリーの傷んでいる部分を分析しているところ・・・、
と思われる。
エナメル細工の天使君。
Konigsfelden diptych, Venice, ca 1280-90
個人的に・・・ここの博物館での最大のヒット。
13世紀の祭壇用ディプティーク。
ベネチア製で、これまたビザンティン様式スポット・オン。
熱血クローズアップいきまーす。
Halo(光輪)を細かいシード・パールで綴っていたり、
小さな小さなルビーやエメラルドのカボションが貼り付けられていたり、
とにかく芸が細かい。
ハンガリー王アンドラーシュ2世のために制作されたものだそう。
装飾を施された金彩画の上に、
薄いまるでガラス板のようなものが嵌められている。
想像だけれど、水晶をスライスした薄板じゃないかなと思う。
淡いブルーのカルセドニー系の石がとてもキレイ。
このシーンは「トマスの不信」。
イスカリオテのユダは裏切りのあげく死んでいるので、
ここにはカウントされていなくて、弟子は11人。
(その後使徒行伝では、マティアが12人目にリクルートされるという話だけど。)
シーンは「ラザロの蘇生」かな?
聖マルガリタと聖カタリナ。
右の聖カタリナのコスチュームが、とてもビザンティン。
これはマティアも入れた12使徒かな?
イスカリオテのユダが入っていると、彼には光輪が着いていないので。
これは聖母昇天で、天上の父さんが幼子イエス連れで、
お迎えに来ていると思われる。
「キリスト降架」。
最後は、福音書記者マルコの象徴の、有翼ライオン。
また次回も、この博物館のイメージが続きますよ。
Bern Historical Museum
ヴィジター情報(英文)<このページ>
地図:
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