Sunday, 12 June 2016

Église Notre-Dame du Sablon, Brussels(ノートルダム・ドゥ・サブロン教会、ブラッセル)


昨日はUKは女王陛下の90歳公式誕生日で、ロンドンではHorse GuardsのTrooping the Colour (あー、正式の日本語訳調べる根気がない・・・)の後のパレードがあったり、各地でこれにかこつけて(?)ストリート・パーティーが催されたり、夜はフットボールのユーロカップでイングランド対戦があったり・・・で、なにかと騒々しい。

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人混みのキライな私はもちろん、テレビ前参加。
Happy 90th birthday, Her Majesty.

ちなみに、女王陛下の正式誕生日は4月21日だけれど、公式イベントを催すにあたって、天候の安定してきた6月が選ばれているという話。 いや、夏でも北ヨーロッパは天候安定しないんだけどね。
昨日はまずまずいいお天気だったけれど、今日はもう曇ってて雨予報。気温も20度はこさないつもり。
まぁ、花粉症時期なので、助かるともいえるかも・・・。

さて、閑話休題で、本題のBrussels(ブラッセル)の街のイメージを。
前回のSablon Antiques Market(サブロン・アンティーク・マーケット)の後に、その前に建っているÉglise Notre-Dame du Sablon(ノートルダム・ドゥ・サブロン教会)、というか、この教会の前の定期市として、マーケットが出来上がったんだろうけれど、とにかく・・・この教会を覗いてみた。 そのイメージを。

Notre-Dame du Sablon (Brussels)
相変わらず全体像を撮り忘れるので、Wikiメディアからの借り物。
13世紀からこの場所に、ブラッセルのクロスボウ(弩)隊の、
演習場とチャペルが設けられたのが始まりで、
現在の建物は15世紀建造の、後期バーバンティン・ゴシック(Brabantine Gothic)様式。
とはいうものの、現存する装飾部分は19世紀の
ゴシック・リヴァイヴァル様式の修復によるものだそう。


Église Notre-Dame du Sablon
ティンパヌムの、とても華麗な彫刻も、19世紀修復時のものかと。

Église Notre-Dame du Sablon
一方、内部はこんな感じで、かなりシンプル。
というのも、ここも16世紀中頃にプロテスタント・カルヴィン派に陥ちて、
内部の装飾物が剥ぎ取られたため。

Église Notre-Dame du Sablon
その後17世紀には再びカソリックに戻って、
(後出の)見事なバロック様式のサイド・チャペルが建造される。
18世紀末のフランス革命軍占領下では、
ここの司祭が共和国に忠誠を誓ったので、全面破壊を免れたのだとか。
いずこも、大変な歴史をくぐり抜けてきている。

Église Notre-Dame du Sablon
ステンドグラスも、19世紀のもの。

Église Notre-Dame du Sablon
ちょうどいい感じに日差しが入ってきた。

Église Notre-Dame du Sablon
この教会で目を引くのが、17世紀バロックのサイド・チャペル。
教会南入口のほぼ向かいに屋敷を持っていた、
ドイツのThurn und Taxis家が2つのチャペルを寄進した。
これは、聖ウルシュラ・チャペルの方の入り口。
トップにThurn und Taxis家の紋章が入っている。

Église Notre-Dame du Sablon
聖ウルシュラといえば、中世の(マントを広げて乙女達を庇う)
ベルのようなスタイルを見慣れているので、
バロック様式は、妙に色っぽい(笑)。

Église Notre-Dame du Sablon
チャペルの内部。
聖カローラス・ボロメウス教会の標本箱で書いたけれど、
ベルギーの教会のバロック様式の、
白黒のコントラスト(そして金)の装飾が独特だと思う。
他の地域でも、このタイプの例はあるのだろうか?
例えば南部のネザーランドとか?
夏に(建築様式の師匠)Pおじさんに会ったら尋ねてみよう。

Église Notre-Dame du Sablon
ご本尊。
矢で射られているのが、聖ウルシュラの象徴。

Église Notre-Dame du Sablon
お付の乙女と、船出(と堅い信仰)を象徴する錨。

Église Notre-Dame du Sablon
右側の乙女。
この盾で聖ウルシュラ(と信仰)の庇護を象徴しているものかと。

Église Notre-Dame du Sablon
ドームと明り採りのある天井部分。
右の「人喰いドラゴン」はミラノ・ヴィスコンティ家の紋章、
が、なぜまたここにあるのかは、不明。

Église Notre-Dame du Sablon
天上の方で明かりを灯す天使君。

Église Notre-Dame du Sablon
右側の乙女の彫像の、そのまた右側のパネル部分。
死と運命(?)が引っ張る・・・?の、象徴は意味不明。
ラテン語のモットー「Majorum ornantur statuo uirtute minorum」
はなんだか「祖先の愛する弱き者の力」みたいな意味だと思うけど、
ちょっと意味がとれない。
意味はとにかく、ここでも白黒のコントラストが印象的。

Église Notre-Dame du Sablon
翻るヴェールの表現が美しいー。

Église Notre-Dame du Sablon


Église Notre-Dame du Sablon
これはクワイヤ席エリアを挟んで反対の南側にある、
St. Marcouf(聖マルコフ)のチャペル。
同じくThurn und Taxis家が、約20-30年後に寄進したもの。
はじめて聞いた聖人さん聖マルコフ。
どちらかと言えばノルマンディーゆかりの聖人さんだそうだけれど、
ほとんど無名。
なぜまたここで取り上げられているのかはわからない。
リンパ結核に「効く」聖人さんだそうなので、
もしかするとこの病気に関連してのことかもしれない。
ここは、内部を見れなかったので、
このエントランスのディティールを以下に。

Église Notre-Dame du Sablon


Église Notre-Dame du Sablon


Église Notre-Dame du Sablon
同じく白黒な様式のアルター・ピース。
バロックというより、もう少し初期の16世紀後半なのかな。
アラバスター彫りで・・・こういうのはきっと、
メヘレンで制作されていたと思う。

Église Notre-Dame du Sablon
信仰を船に象徴しているのかな。
アムスとか港町だったら、とてもよくわかるんだけど、
ブラッセルって・・・内陸で川もないといことに気づいてびっくり。
(集落は水のまわりに発達するので)
カナルが通っているけれど、これが昔は川だったのかな。

Église Notre-Dame du Sablon
マリア母さまの生涯かと、中央は勉強中。
19世紀修復時のものかと。

Église Notre-Dame du Sablon
祭壇の側壁パネル。

Église Notre-Dame du Sablon
最後は、Sacred Heart (聖心)モードのジーザス先生。



Église Notre-Dame du Sablon
(ノートルダム・ドゥ・サブロン教会)

Rue de la Régence, 1000 Bruxelles, Belgium

map:





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