Wednesday, 1 June 2016

St. Carolus Borromeuskerk, Antwerp (聖カローラス・ボロメウス教会 - アントワープ)

今月の制作ノルマに励んでいたら、標本箱更新が遅れていた・・・。
ここ一年以上、年2回のシーズン追い込み制作体制改め、毎月少しずつ制作体制に変換した。
仕上げの組加工や糸通しを手伝ってくれている、サポート・スタッフがフルタイムの加工屋さんから、副業内職ガールに移行したので、それにともなっての制作体制の変更。
楽になるか・・・?とおもいきや・・・、プチ・デッドラインが毎月派生することになって、なかなかまとまった余分な時間が取れないのがちょっと難点。 シシフォスな気分なんだなー。
あ、いや、制作体制よりなにより、Instagramやったり、ジム+ズンバ+太極拳(デヴューしたですよ・・・笑)+水泳やったり、で、時間足らんともいうが・・・。 1日が30時間にならんものかといつも思う。

気を取り直し、今回はアントワープの大聖堂の北側にある、St. Carolus Borromeuskerk(聖カローラス・ボロメウス教会)のイメージを。
この教会、元々は Jesuit church (ジュスイット←イエズス教会)として1625年に聖別され、ルーベンスがその祭壇画を、ルーベンス+筆頭アシスタント、アンソニー・ヴァン・ダイクをはじめとするワークショップのチームで、39枚の天井装飾パネルを描いたもの。
残念なことに、1718年の落雷による火災で、これらは焼失してしまう。
1773年に再建されるが、今度はオランダの新教統治に陥落したアントワープで、旧教の修道会イエズス会の建物は没収され、カルロ・ボッロメーオに由来する「聖カローラス・ボロメウス教会」と改名された。
19世紀には地区教会として使用され、新教なので、内部粧飾が大幅に取り除かれ、シンプルなものになった。
1980年代に元々のバロック様式のインテリアに修復する運動が起きて、現在のデコラティブな様式に戻されていった。
その後2009年にも火災にあうが、この時は比較的マイナーな被害で収まった・・・というように、ここも波乱万丈な歴史を生き延びてきている教会の一つ。


St. Carolus Borromeuskerk
教会のファサードがデコラティヴで、「タダモノではない」と思わせる。
で、公開されていたので、吸い込まれていった。

St. Carolus Borromeuskerk
確かに彫刻の彫りが、現代の手になるもの、な、感じがある。
特に天使、表情・翼・ドレープの「率直」な表現が、
バロックの手になるものとはかなり違う。
(1930年代の彫り、と言われたら、信じるかも、ちょっとデコっぽいー。)

St. Carolus Borromeuskerk
記録がいろいろ残されていたので、
復旧も可能だったんだろうな。

St. Carolus Borromeuskerk
豪華絢爛の祭壇とその天井。
祭壇画はGerard Seghers作「The Raising of the Cross」 。

St. Carolus Borromeuskerk
祭壇部分は、正統バロック様式、
天井部分は、ルネッサンス様式が色濃く残っている。

St. Carolus Borromeuskerk
元々は大理石彫刻で作られたものなのだけれど、
1980年台の修復では、大理石「風」素材が使われているのだそう。
木製にペイントしたものか、樹脂などの新素材で作られたのかは、
サーチでは出てこなかったけれど。
そうでしょう、いまどきこれを大理石で作る予算はあるまい・・・。

St. Carolus Borromeuskerk
濃ゆい・・・ドーム天井のレリーフ。

St. Carolus Borromeuskerk
Lady Chapel とよばれるサイドチャペルの「聖母昇天」。
ルーベンスの作の模写だそう。

St. Carolus Borromeuskerk
この白黒(+金)のバロック装飾が、とてもベルギー的だと思う・・・、
のは、他の例を知らないからだろうか。

St. Carolus Borromeuskerk
天上の父様も、表情がなんとなくバロックしてないな・・・、
と思ったけど、これも20世紀復刻版かも。

St. Carolus Borromeuskerk
いや、いいんですよ、ニギニギしかったら、私はそれで(笑)。

St. Carolus Borromeuskerk


St. Carolus Borromeuskerk
バロックに復興させようというプロジェクト自体が、
画期的で、絶賛したくなるわ。
リヴァイヴァル傾向の強かった80年代だから出来たことなのかも。

St. Carolus Borromeuskerk
麗しい聖母子の彫像は、19世紀後半な印象。

St. Carolus Borromeuskerk
現在はカトリック教会なので、
彫りの見事なパネリングの告解室が設置されている。

St. Carolus Borromeuskerk

St. Carolus Borromeuskerk
最後にこれは「修復スタジオ」。
サイドチャペルの一つが充てられている。




St. Carolus Borromeuskerk
(聖カローラス・ボロメウス教会 )

Hendrik Conscienceplein 12,
2000 Antwerpen, Belgium

地図:




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