Santo Spirito Museo (サン・スピリト博物館)
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前回のサン・スピリト・マーケットからそのまま引き続いて、そのマーケット広場に面している、Santo Spirito Museo (サン・スピリト博物館)の話を。
マーケットをぶらぶら見ていたら、カンカン照りのいいお天気が、強風とともに一変して通り雨に。
あんまり天気がよかったので、傘を持って出かけていないウチの一行は、このミュージアムに駆け込む、つまり雨宿り目的だった。
入ってみたら、一部屋だけで小さいけれどロマネスクやゴシック彫刻やら、フレスコ壁画の残された、地味ながらなかなか落ち着けるミュージアムだった。
入り口を入った側からのヴュー。14世紀ゴシック様式の建物。
そもそもは、隣に建っているサン・スピリト教会に併設して建てられた、アウグスティノ会修道院集合建造物の、食堂部として建造された。現在では、この建物が唯一、建造時14世紀のままの状態を保っている。
ミュージアムの正式名称はFondazione Salvatore Romano(サルヴァトーレ・ロマノ財団)で、古物収集家、サルヴァトーレ・ロマノ氏が1946年に、市に寄贈した彫刻・絵画・装飾家具などが、ここの収蔵物の中核をなしているため、こう呼ばれている。
反対側のヴュー。右奥に見えるのが入り口。
建物の中外関係なく、どこでも壁があったら、フレスコ画・・・状態。
この磔刑画は、14世紀のAndrea Orcagna (アンドレア・オルカーニャ)によるもの。
その下の「最後の晩餐」。
「この中に私を裏切るものがいる・・云々」のジーザス先生の話に、
「げっ、なんですと!!」という感じが、よく現れている弟子達。
磔刑画フレスコの下に展示されている、Virgin of Mercy(慈悲の聖母)。
衆生をそのマントで覆い庇護する、
マリア母さまの慈悲の側面を表現するこの様式は、
13-16世紀のイタリアの典型なのだそう。
ちびっ子ジーザスをしょっているので、St Christopher(聖クリストファー)。
しかし、ぶらぶら見てまわっていたので、
全然詳細を抑えてこなかったので、いつの誰の作かは不明。
この後、大半そんな状態・・・。
このフレスコ磔刑図も、中世からルネッサンスへの過渡期。
なので・・・、君ら、本当に泣いている?笑ってないか?
と、問いただしそうになる、この描写力・・・。
この聖母子像は、ルネッサンス期に入ってからのもの。
フレーム両サイドの装飾も、とてもルネッサンス的。
Jacopo della Quercia(ヤコポ・デッラ・クエルチャ)
の工房のものと考えられている。
このレリーフの断片は、Donatello(ドナテッロ)によるもの。
ゴールドや緑のエナメル釉薬が、部分的にまだ残っている。
製作当時は華やかな色合いだったことが想像される。
残された着彩を、拡大鏡持参で観察する配偶者氏、
を、チビ・カメラで撮影するエイドリアン師匠、
をまた、撮影する私。
きれいな造形の、ドラゴン/ガーゴイルも・・・誰か、
初期ルネッサンスの彫刻家のものだったと思うけれど、
検索しきれなかった。
部屋の真ん中に、すえられているのは石棺。
ライオンのモチーフ。
フィレンツェの紋章が、
Marzocco(マルゾッコ)と呼ばれるライオンだからだろうけれど、
ライオンのモチーフの彫刻が色々収蔵されている。
これはロマネスク?か中世か?
「ぴゃ~」と何かを要求している猫みたい。
これは、12世紀だったかな・・・。
もう、何の生き物かよくわからない(笑)。
びっくり顔。
これは、かなりよくできているけれど、
これはネコ科の動物ではなく・・・、
作者、ハウンド系の犬をモデルにしたと思われる。
ち・・違う、ネコ科の骨格とは違うんだ・・・。
ルネッサンス盛期の家具の装飾部。
素朴な感じが北ヨーロッパを思わせるけれど、実はイタリア製。
イタリア・ルネッサンス盛期でも、家具職人の手は、
意外と素朴だったりもするもんだな・・・と思った一品。
Santo Spirito Museo (サン・スピリト博物館)
Fondazione Salvatore Romano(サルヴァトーレ・ロマノ財団)
P.zza S.Spirito 29
開館: 土・日・月曜 10:00am~4:00pm
ニューイヤーズ・デイ、イースター・サンデー、
5月1日、8月15日、クリスマスは閉館。
地図:
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フィレンチェの教会、ミュージアム話はこれから本格化・・・なのだけれど、その前に一度、ロンドンに戻って、先日訪れた(常連)Decorative Fair(デコラティヴ・フェア)のイメージをまず、次回はご紹介することに。
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